モーション・グリーン

ブログ開設13年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。400冊読破を目指して今日も読んでます。

読書感想(小説)

〈絶対に、みんな揃って生き延びてやる〉読書感想:『三木城合戦記 罪の在処は 第五回』(小説すばる 2019年 6月号 [雑誌])

震えた。 まさか、兵糧攻めで苦しみ続けている少女から、力をもらうとは・・・ 兵糧攻めで地獄と化している三木城。 恨み辛みが蔓延し、人間の醜さが露わになるなかで、虫を食ってでも、自分の涙を舐めてでも、生きようとする少女。 「どれほど重い積みを背…

〈戦うことになるのかな、俺たちは〉読書感想:『チンギス紀 第二十六回』(小説すばる 2019年 6月号 [雑誌])

金との連携を経て、テムジンはモンゴル民族統一への意思を鮮明にする。 対外勢力を国内統一に活用する。 かつて楊令(呉用)が宋を滅ぼす際に用いた手法でもあるが、今回は民族統一という要素が色濃くなるので、すんなりこのまま領主、ということになりそうも…

〈これから生まれるはずの、未知の日本のために〉読書感想:『麒麟児』

「おれも律儀だねえ」 働きがいの無い主君のために奔走するなんて 「おれも両面宿儺だね。」 相反する軸を持ち合わせながら、人間として成立させているなんて。 -----------------------------------------------------------------------------------------…

〈新しき世界を駆けよ〉読書感想:『チンギス紀 第二十五回』(小説すばる 2019年 5月号 [雑誌])

ついに金VSタタル族との戦いが勃発。 前回、前々回の様子を考えると、金国単独での思惑ではなく謀略の匂いも感じ取れる。 草原の覇者を決める戦いは、金や西遼を巻き込んだ争いへ広がってきたということか。 テムジンは率先して金国と連携して、タタル族を…

〈生き様を変える惨劇〉読書感想:『チンギス紀 四 遠雷』

前半はテムジン・ジャムカの英傑乱舞と国家間闘争 後半はテムジンの父・イエスゲイの死の謎と玄翁との決戦前夜がメイン。 www.motiongreen.net www.motiongreen.net www.motiongreen.net www.motiongreen.net www.motiongreen.net 看破できない存在となって…

〈「十年」で紡がれた作品達〉読書感想:『十年交差点』 (新潮文庫nex)

解説によると「十年」という共通テーマで、各作家が作り上げた物語。 その短編集、ということで、「十年」以外の設定はかなりバラバラ。正直「十年」ちょっと後付けじゃない?と思う作品もあるが、そこらへんも含めて、まさにアンソロジーという感じだ。 後…

〈改めて問う、ニュータイプとは何だったのか?〉読書感想『機動戦士ガンダムUC (11) 不死鳥狩り』 (角川コミックス・エース 189-13)

再読。 ガンダムNT(ナラティブ)を観て、読んだら、やはりもう一度読まなければ。 この“語り直し”を終えることが出来ない。 (終えられるかどうか、そもそも分からないけど) 【早期購入特典あり】機動戦士ガンダムNT (特装限定版) (アニメーションキャラクタ…

〈動乱の予感〉読書感想:『チンギス紀 第二十四回』(小説すばる 2019年 4月号 [雑誌])

金国とタタル族との闘争が表面化。 こっちもついに火が付いたか。 中華と北の異民族との関係は争い→懐柔→争いという円舞がずっと続いている。 北方大水滸伝における大きな歴史の変換点は北から始まっていた。 現段階の中華(北半分)・金国も元は北の異民族だ…

『真実の航跡』本日発売!

今回は一昨日(3日)くらいから販売されていたらしい。 なんで、今回に限って(苦笑) 小説すばるで連載を読んでいた『真実の航跡』が単行本化して、本日発売。 連載 → 読書会 →単行本 小説が世の中に出ていく中で、読者として最も多くのタッチポイントに立ち会…

〈転落と再生の物語〉読書感想:『誉れの赤』 (講談社文庫)

文庫版再び。 やっぱり名作だ。 www.motiongreen.net 戦国時代、最強を唱われた武田家の中でもエリート集団だった「赤備え」 その武田家が滅んだことで味わった、徳川家での屈辱的な扱い。 だが、命を賭して示し続けた「赤」の系譜は、転落のその先に、再び…

〈リアルか、夢の中か。不思議な世界の物語〉読書感想:『水晶萬年筆』 (中公文庫)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 水が笑う 水に出会う リアルか、夢の中か。 なんだか不思議な作品に出くわしたものだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

〈目の前の選択肢を選んだが故に〉読書感想:『三木城合戦記  第四回 別所長治の悔恨』

いよいよこの戦いも終盤戦。 これまで、この物語は劣勢になりながらも希望を残して終わってきた。 だが、今回は絶望がちらつくラストになってしまった。 勇猛で義理堅い播磨武士の気質と、名門・別所家のプライドが、当主・長治をがんじがらめに縛り付ける様…

〈梁山泊のかけらを求めて〉読書感想:『チンギス紀 第二十三回』(小説すばる 2019年 3月号 [雑誌])

統括・宣凱再び。 北方御大久々の大増量回(150枚掲載!とある) 実は枚数だけみると、大水滸伝連載時と同じ枚数。 チンギス紀が大水滸伝よりも1号当たりの枚数が少ないことが改めて浮き彫りに。 御大、やはり往年のペースで書くのは難しいんだろうな。 まあ、…

〈こんなんじゃなかった、となる前に・・・〉読書感想:『あるじは信長』 (PHP文芸文庫)

文庫版再読。 信長をあるじに持ったことで人生狂った方々の短編集。 ちゃんと読むと信長のせいじゃないことがほとんどなんだけど(苦笑) 尾張の一領主でしかなかった信長が飛躍していく過程において、その流れに乗っていったように見えた家臣たち。 でも欲望…

〈全ては、あの銀杏のように〉読書感想:『千家分流』

千家三部作の完結編。 3つの千家誕生につながる、宋旦と5人の子供たちの生涯。 ここまで来ると、創始者?の利休の姿はもはや伝説化して、はるか彼方の存在だなあ。 時代は既に江戸時代、太平の世が到来している。 宋旦はともかく、その子たちの世代になると…

〈変質した理想の果て〉読書感想:『走狗』

伊東さんの西郷三部作、その二作目。 実はこの作品が他の二作品をつなぐ、超重要な一作となっている。 『飛ぶが如く』で、その特質すべき性格と役割で、知名度を一気に上げた川路利良。 征韓論で対立する西郷と大久保、どちらにも組することなく、また西郷に…

〈千家と “侘び” 大成の道〉読書感想:『千家奔流』

千家奔流 作者: 井ノ部康之 出版社/メーカー: 読売新聞社 発売日: 1995/06/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (1件) を見る 千家再興 (中公文庫)の続編。 実は前作の中で、利休死後の千家についての結末は既に描かれている…

〈今・語り直しの刻〉読書感想:『小説 機動戦士ガンダムNT』 (角川コミックス・エース)

映画のノベライズ版。 福井小説とは違い、どうしてもなぞっている感があるので臨場感に欠けるのが残念。 また、ユニコーンラストで示唆されたその後の世界と、元々の宇宙世紀の流れと少し風潮が違う気もするなあ。 ちなみに文面ではユニコーンは残っていると…

〈「勝」と呼ばれたくて〉読書感想:『信長さまはもういない』

誰かの言うとおり行動して、結果が出たら楽だよなあ。 それって、生きているって言えるのか、という声が聞こえてきそうだけど、じゃあ、相手が自分の言うとおりに動いてくれたら楽だ、って思いません? そう思った方、それって、相手を生かしてない、ってこ…

〈利休を継ぐ者〉読書感想:『千家再興』(中公文庫)

茶の湯の大成者・千利休。 彼には二人の息子と娘がいた。 偉大な父の跡を継ぐことは並大抵のことではない。 継ぐものは目に見えるものではなく、“心”なのだから・・・ 稀代の父の生涯は波乱に満ちたものだった。 残された者たちには、その跡を背負う人生が待…

〈「贈られるというのとは、少し違います。テムジン様が受け継がれる。そういうことなのです」〉読書感想:『チンギス紀 第二十一回(小説すばる 2019年 2月号 [雑誌])』

「俺の父は、天。俺の母は、地」 声に出して、呟いてみた。 テムジンVS玄翁 最終決戦。 少しずつ、少しずつ削られていく玄翁隊。 まるで死兵のように、死ぬまで戦い続けていく・・・ 名が出ることも無く散っていく弟子たち。 あっ、あっ、と声が出てしまう・…

〈紡がれた“幻の”名将〉読書感想:『某には策があり申す 島左近の野望』

近年の、読者における歴史小説の位置は大きく変化した。 これまでの要素を大枠で項目化すると 「歴史を知る」+「物語を楽しむ」+「人生に活かす」 というところだった。 歴史小説はある種のフィクションでありながら史実も学べる、と思われており、今なお…

【利休とは、何だったのか?】読書感想:『天下人の茶』 (文春文庫 い)

「いつの日か、わしは、そなたを殺すことになるかもしれぬ。それでもよいのか」 「構いませぬ。その時は、殿下も豊臣家も破滅することになりますから」 文庫版再読。 やはり、秀吉と利休との関係の崩壊は、予期していたとはいえ驚きと冷たさが同時に来たなあ…

【決戦!テムジンVSタルグダイ】読書感想:『チンギス紀 第二十回』(小説すばる 2019年 1月号 [雑誌])

一話まるまる合戦という、チンギス紀始まって以来?のすさまじい展開へ。 なんだけど・・・ おいおい、そこで終わるのかよ御大! ここまでの展開からすると、勝敗ははじめから見えていた気がする戦い。 ところがどっこい ここ数回でタルグダイが、領主として…

【終わるその時まで】読書感想:『三木城合戦記 第三回』(小説すばる 2018年 12月号 [雑誌])

約3ヶ月に一回の連載が続くこの作品。 次第にテイストが大好きになってきて、連載が楽しみ。 少しずつ滅びに進む三木城と、過ちや暗い過去をひきずりながらも懸命に生きる人々の姿。 そのコントラストが胸に染み渡るなあ。 1話からは想像も付かないほど、別…

【研ぎ起こす刃とつながる縁】読書感想:『チンギス紀 第二十回』(小説すばる 2018年 12月号 [雑誌])

「俺は玄翁を倒さないと、前に進めないんだ!」 みたいなテムジンの声が聞こえてきそうな展開(笑) 以前、玄翁軍の偽装部隊に、テムジン軍全軍がそこへ向かい突進して、殲滅した、ということがあったが、あれ、本心だったのか・・・ テムジンの心が、大きな…

【たまにはこんな1冊も】読書感想:タイムスリップ信長vs三国志 (講談社ノベルス)

ふと、仮面ライダージオウを思い起こしたよ(笑) それだけ、歴史を変えたらどうなるか、という展開において、想起させる要素が多かったからかな。 信長が三国志の時代に行き しかも孫権になって 魏の曹操や、劉備になりすました未来人と闘う、というぶっ飛…

【無情の先にあった私らしさ】読書感想:『日本史10人の女たち』

独特の文章だ。 試しに音読してみると、妙に耳障りがいい。 そして、文そのものより、文が生み出したその光景や人物の絵が、浮かび上がってくる。 なんとも 不思議な体験だったなあ。 日本史の中で独特の輝きを残した10人の女性達を取り上げた短編集。 なの…

【その目に見えた、価値と勝ち】読書感想:『かちがらす: 幕末を読みきった男』

薩長土肥 幕末の雄藩を指す言葉。 その中で末尾に名前が載りながら、その実力は四藩の中で最も高い水準を秘めておきながら、表に出てこなかった藩・肥前佐賀。 当時、日本で最も進んだ国でありながら、変革の先導を歩まなかったのはなぜか。 その佐賀藩の藩…

【魔人降臨】読書感想:『チンギス紀 三: 虹暈』 (単行本)

テムジンとジャムカの前にそびえ立つ不倒の魔人。 たった五十騎で戦況を一変させる強さ。 この三巻はこれに尽きる 北方大水滸伝読んできた方なら、林沖騎馬隊や幻王隊を想起したのではなかろうか。 www.motiongreen.net www.motiongreen.net www.motiongreen…