モーション・グリーン

ブログ開設13年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。400冊読破を目指して今日も読んでます。

読書感想(歴史)

〈どんなに堅牢でも、破られれば意味が無い〉読書感想:『塞王の楯 第二回』(小説すばる 2019年 9月号 [雑誌])

一つのことを極めなければいけない職人の世界。 でも、知っておかなくちゃいけないこともある。 その道の頂点にたつ(跡を継ぐ)ということの難しさと厳しさ。 それを理屈じゃなく、走ることで感じ取るなんて、男臭い展開だ(笑) 匡介が石と共に走り続ける…

〈俺は、地の果てに行ってみたい〉読書感想:『チンギス紀』 第二十九回(小説すばる 2019年 9月号 [雑誌])

ここ数回は、テムジンVS大連合の予感を漂わせた話しが続いている。 今回は、文字通り決戦前。 両陣営より、年明けの開戦が示唆された。その前の溜めの回だ。 決戦前だからこそ、その先のことを考えていたい。 破壊への渇望から、極めたことがないことを突…

〈「演義」だけではなく「正史」も〉読書感想:『三国志人物外伝 亡国は男の意地の見せ所』 (平凡社新書)

」 再読。 我々が知っている三国志のほとんどは「演義」であるといっても過言ではない。 『正史』(史実版)は意識して目を通さないとなかなかお目にかからない。 だからこそ、本書で紹介された話しがどれも新鮮。 それだけ、『演義』は吟味された内容である…

〈私は、あなたが何者になるかを見たい〉読書感想:『落梅の賦』

再読。 やはり取り上げた要素を上下巻くらいかけて昇華してほしかったなあ。 特に信友関連のシーン(文量)多いから、梅雪の積み重ねがどうしても薄く感じられてしまう。 なので、終盤登場したときの、彼の謀反に至らしめる心情に、感情移入しきれないんだよ…

〈命ある限り、歩みを止めてはならない〉読書感想:『もののふの国 (単行本)』

再読。 やはりおもしろい。 歴史上の著名人物が、大いなる意志によって、生き様どころか役割すら定められ、翻弄されていく。 これ、落ち着いて考えてみると、歴史小説家にとって、しんどいコンセプトではなかったか。 極端な話し、どうがんばっても変わらな…

〈そんで、俺が日本一の商人になる男や〉読書感想:『日本一の商人 茜屋清兵衛、危機一髪』 (角川文庫)

清兵衛の実家立て直し奮闘劇、続編。 今回も強奪騒動やら、安く叩かれる辛さ、そして借金返済への新たな難題など、終盤まで押されっぱなしの苦しい展開。 その中でも"基本"を守り続けるその姿勢が清兵衛を支え続ける。 目立たないけど、そのおかげで目の前の…

〈そうだ。それでいい〉読書感想:『燕雀の夢』

俊才は生まれた時から、人と違っていた。 天才は、早い段階からその才能を開花させていた。 そういう人もいるだろう。 だが、少なくても日本の歴史において、英雄と言われている人物たちを、そんな言葉一つで、その特異性を表現することは出来ない。 彼らは…

〈生きろ。己の命を守るのだ〉読書感想:『塞王の楯 第一回』(小説すばる 2019年 8月号 [雑誌])

今注目の今村さんの作品初読。 しびれるタイトルから始まり、情景が浮かぶキレキレの描写ですぐに読み終えてしまった。 守ってくれなかったものを取り戻すのではなく、奪われない”楯”を創る物語。 ラストの匡介が刀を持っていること そして石を割るシーンが…

〈虹が、見えます〉読書感想:『チンギス紀 第二十八回』(小説すばる 2019年 8月号 [雑誌])

ついに始まってしまったテムジンVSジャムカ。 その戦いで訪れたチルギタイの死。 そして同盟国・ケレイト王国トオリルの劣化が、テムジンの前途に暗雲を漂わせる。 テムジン陣営は主要メンバー脱落は、初めてではなかろうか。 これからどんどんこういうこと…

〈俺は必ず生きて、いま一度、お前を迎えに参る〉読書感想:『神遊の城』 (講談社文庫)

当たり前の話しではあるが、”忍び”が歴史の表舞台で名を残すことはほとんど無い。 “忍び”が歴史の事件に、その存在を明らかになる実績を残すことはない。 ところが(直接的ではないにしろ)歴史に大きく関与した、ということなら、いくつかの記録がある。 古…

〈お主をへだてる境を越えてゆけ〉読書感想:落梅の賦

前作『虎の牙』後年の武田家を描いた武川さんの新作。 今回は別の地域で育った”武田”の二人が、武田家を滅ぼす物語。 一人は穴山梅雪、そしてもう一人が、これまた「信友」(苦笑)ややこしい・・・ 二人の境遇から生まれる紆余曲折 随所で描かれる美しい背…

〈佐賀藩の真の価値を描く〉読書感想:『幕末維新と佐賀藩―日本西洋化の原点』 (中公新書)

前半が鍋島直正(閑叟) 後半が江藤新平 うーん、タイトルからもっとオール佐賀藩な話しを期待しただけに、ちょっと絞りすぎ。 本の内容自体は示唆に富んでいる。 佐賀藩飛躍の立役者・直正は藩政改革こそ成功させたという意味では名君中の名君。 だけど、こ…

〈コノ先ニアルモノヲ、見タクハナイカ?〉読書感想:『もののふの国 (単行本) 』

すごい本を読んでしまった。 まさに天野さん渾身の通史作品。 作家として一つ上のステージに登った感じしらしてしまう。 他の作品書きづらくならないか、心配になってきた(笑) 平将門から始まり、頼朝や尊氏らを経て、西郷隆盛までの"もののふの時代"を、…

〈わかっている・・・〉読書感想:『チンギス紀 第二十七回』(小説すばる 2019年 7月号 [雑誌])

ここ数回続いていた勢力間の揺れ動きが一つの頂点へ。 ついにタタル族領主へ登り詰めたテムジン。 が、それは外交上の孤立を意味していた。 金との関係も絶対的(一心同体となって戦ってくれる)関係ではなく、むしろ漢民族との連携を図ったことが、周辺民族の…

〈俺は、この堺から、日本一の商売人になるよって〉読書感想:『日本一の商人 茜屋清兵衛奮闘記』 (角川文庫)

ひょんなことから店を継ぎ守ることになった主人公・清兵衛と家族、従業員の奮闘物語。 時代小説、かつ事業再生モノではあるのだけど、ノリがとにかく軽い。 小説の中でボケとツッコミが随所で繰り広げられ、こんなことやってるから潰れる寸前までいってるん…

〈銅像は悲しい存在だ〉読書感想:『銅像歴史散歩』 (ちくま新書)

先月、山梨へ行った際に「武田信虎の銅像が、甲府駅にできた」という情報を入手。 急いでその場所へ向かい、写真をパシャリ♪ まさか、甲冑ではなく僧体とは思わず、探すのに時間がかかった(苦笑) 昔から著名な歴史人物の銅像をみると拝んでしまう習性がで…

〈長き約定に幕を引きまする〉読書感想:『虎の牙』

再読。 5月に勝沼氏館跡や大膳寺行ったときに、この作品の光景が目に浮かんだ。 勝沼氏館跡では、アケヨ(信友)が立てこもったときの様子が。 大膳寺では、かすかに泣く理慶尼の顔が。 お寺では、理慶尼は心優しく勝頼たちを出迎え、一緒の部屋で布団を並べて…

〈お前はこれより、朝倉家を守る酔象たれ〉読書感想:『酔象の流儀 朝倉盛衰記』

大友三部作+戦神を一端脇に置き(苦笑)読み始めたら一気読みしてしまった1冊。 なぜ、大友家作品からいきなり朝倉?と思っていたのだけれど、読んで見ると色々発見が。 一番の発見は大友二階崩れと構図がほぼ同じ、ということ。 愚かな主君 賢しい親族 佞…

〈俺の命は、ここまででよい〉読書感想:『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』

決戦シリーズ最新作は、新進気鋭の著者が一堂に介し、題材が設楽原(長篠)の戦い! これ、賤ヶ岳以上に被りそうだな、被ったら完成度の差が・・・と思っていたのだけど、みなさまそれぞれの世界観で真正面から被りにきていて驚く(笑) だからといってつなげ…

〈われらが生きて生きて生き抜くことこそ、信玄に勝つことなのだ〉読書感想:『吹けよ風 呼べよ嵐』 (祥伝社文庫)

文庫版読了。 武田・上杉の対決構図と史実での展開に満親・信正の戦いを重ね合わせるストーリーテリングの妙は、再読しても色あせることがないなあ。 単行本では、価値観の相違と後の時代の変化を先取りした題材作りが絶妙、という感想だった。 今回はそれに…

〈絶対に、みんな揃って生き延びてやる〉読書感想:『三木城合戦記 罪の在処は 第五回』(小説すばる 2019年 6月号 [雑誌])

震えた。 まさか、兵糧攻めで苦しみ続けている少女から、力をもらうとは・・・ 兵糧攻めで地獄と化している三木城。 恨み辛みが蔓延し、人間の醜さが露わになるなかで、虫を食ってでも、自分の涙を舐めてでも、生きようとする少女。 「どれほど重い積みを背…

〈戦うことになるのかな、俺たちは〉読書感想:『チンギス紀 第二十六回』(小説すばる 2019年 6月号 [雑誌])

金との連携を経て、テムジンはモンゴル民族統一への意思を鮮明にする。 対外勢力を国内統一に活用する。 かつて楊令(呉用)が宋を滅ぼす際に用いた手法でもあるが、今回は民族統一という要素が色濃くなるので、すんなりこのまま領主、ということになりそうも…

〈山県が目指したのは・・・〉読書感想:『山県有朋の「奇兵隊戦記」』 (歴史新書y)

後に日本陸軍の帝王として君臨。 司馬遼太郎をして「日本陸軍暴走の構造を創り上げた男」として、未だに戦犯扱いされている山県有朋。 そのイメージが強いからか、彼が幕末を振り返った記録集があることは意外に知られていない。 その幕末での行動(活躍)で…

〈蜀・三国統一!〉読書感想:『反三国志(下)』 (講談社文庫)

反三国志(下) (講談社文庫) 作者: 周大荒,渡辺精一 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1994/12/07 メディア: 文庫 クリック: 5回 この商品を含むブログ (3件) を見る 蜀が三国を統一する仮想三国志の完結編。 さすがに蜀が強すぎると思ったのか、劉禅を暗殺…

〈これぞ真の三国志?〉読書感想:『反三国志(上)』 (講談社文庫)

反三国志(上) (講談社文庫) 作者: 周大荒,渡辺精一 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1994/12/07 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (7件) を見る 三国志で語るとよく出る話題。 劉備が(蜀が)中華統一をするために、何が必要だ…

〈今もゆれ動き続ける関係〉読書感想:『同時にわかる! 日本・中国・朝鮮の歴史』 (PHP文庫)

日本の歴史は、中国と朝鮮との関係から積み上げられてきたもの。 とある本に書かれてあった文言だが、重要な視点だ。 どうしても日本史だと日本の歴史のみに目が行きがちだが、古代より中国を見習い、中国を真似てきたのが、日本の歩んできた道。 そこを知ら…

〈これから生まれるはずの、未知の日本のために〉読書感想:『麒麟児』

「おれも律儀だねえ」 働きがいの無い主君のために奔走するなんて 「おれも両面宿儺だね。」 相反する軸を持ち合わせながら、人間として成立させているなんて。 -----------------------------------------------------------------------------------------…

〈古代食は読者のお口にあうでしょうか?〉読書感想:『卑弥呼は何を食べていたか』 (新潮新書)

経済的な充足よりも、人生を充実させる豊かさを。 まもなく平成が終わろうとしている中、改めて、「生きる」という本質にフォーカスされた論調が広まっている今の日本。 そうなるとでてくるのが、昔はよかった、みたいな話し。 江戸時代が理想的な時代だった…

〈新しき世界を駆けよ〉読書感想:『チンギス紀 第二十五回』(小説すばる 2019年 5月号 [雑誌])

ついに金VSタタル族との戦いが勃発。 前回、前々回の様子を考えると、金国単独での思惑ではなく謀略の匂いも感じ取れる。 草原の覇者を決める戦いは、金や西遼を巻き込んだ争いへ広がってきたということか。 テムジンは率先して金国と連携して、タタル族を…

〈生き様を変える惨劇〉読書感想:『チンギス紀 四 遠雷』

前半はテムジン・ジャムカの英傑乱舞と国家間闘争 後半はテムジンの父・イエスゲイの死の謎と玄翁との決戦前夜がメイン。 www.motiongreen.net www.motiongreen.net www.motiongreen.net www.motiongreen.net www.motiongreen.net 看破できない存在となって…