モーション・グリーン

ブログ開設13年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。400冊読破を目指して今日も読んでます。

読書感想(歴史)

〈最強の矛、現る!〉読書感想:『塞王の楯』第五回(小説すばる 2019年 12月号 [雑誌])

ついに現れた、最強鉄砲集団・国友衆。 そしてその鬼才・国友彦九郎。 現時点における“最強の矛”。 実績も知名度も匡介よりはるかに上。 そして、先々への需要も、目指す先も・・・ 絶対の戦力があるから戦いは起きづらくなる VS 絶対に落ちない城があるか…

〈よく、眼を開け〉読書感想:『チンギス紀 第三十二回』(小説すばる 2019年 12月号 [雑誌])

草原の覇者をかけた壮絶な戦い、いったんの完結。 丸々合戦パートという、息抜きが全く出来ない回。 しかも、岳飛伝ラストを彷彿とさせる全軍入り乱れての激闘。 第二部(仮)の終わりを告げるにふさわしい戦いの数々だった。 武力で若干勝るジャムカに対し、…

〈始めたなら、終わらせろ〉読書感想:『三木城合戦記 餓鬼と修羅 第6回』(小説すばる 2019年 9月号 [雑誌])

戦国時代、数多ある籠城戦の中でも特に凄惨なものとして取り上げられる三木城攻防戦。 秀吉による、犠牲の少ない戦い方として、一時は勝算の声すら上がっていたこの戦いも、最近では籠城側からの視点も意識されるようになり、その地獄絵図が、完全包囲の残酷…

〈なにゆえわしが、街造りを先導せにゃいかんのじゃ〉読書感想:『剛心』 第一回(小説すばる 2019年 11月号 [雑誌])

新連載。 明治十八年東京、官庁集中計画のため、東京の街作りプロジェクトリーダーを勤めた井上馨の物語。 一流と思って頼んでいた外国人建築家が本国ではさほど著名じゃなかった事実とか メンバーが好き勝手言って収拾が付かないとか やるきのなさそーなメ…

〈やれる。三の石垣を守りつつ、甲賀衆を撥ね除けられる〉読書感想:『塞王の楯』 第四回(小説すばる 2019年 11月号 [雑誌])

日野城攻防戦。 戦闘が繰り広げられるなか、防備固める(石垣積む)って、いざその状態になると怖すぎる。 どう考えても無理そうなこの状況。 でも窮地の発想転換シーンは、どの作品でも燃えるな! 石垣(石積み)に関する知識、コツ、実態など、とにかく石垣作…

〈戦に在りて沸滾る命、死して尚駆け廻る〉読書感想:『チンギス紀』 第三十一回(小説すばる 2019年 11月号 [雑誌])

ついに始まった、草原の覇者を決める戦い。 ジャムカのなりふり構わない戦いが緒戦から意外な形でテムジンを襲う。 これまでモンゴル民族が持たなかった"拠点"の存在。 危なくなったらすぐ移動できる、という利点からの脱却を図ったことが足かせになるかも、…

〈大御所様の身はわたしが守りますのでご安心を〉読書感想:『将軍家康の女影武者』

実在した家康の側室・御奈津(清雲院)を描いた歴史小説。 家康を女性目線で見つめたその目線が新鮮。 9割考えているのだけど、最後の一押しを御奈津に委ねてしまうところが、小心なのか茶目っ気があるのか・・・ 男目線で読むと、御奈津でしゃばりすぎ!と随…

〈天災を歴史から見る〉読書感想:『秀吉を襲った大地震』 (平凡社新書)

近年の歴史研究は多角的だ。 天候・地形・文化などなど、あらゆる方向からその原因を見つけ出す。 偉人が起こした業績が、想定された出来事だった、で片付けることはなくなってきているのだ。 そして意外と知られていないのが、地震や災害と当時の日本人がど…

〈俺は・・・・・・あの日の花代を守る〉読書感想:『塞王の楯 第三回』(小説すばる 2019年 10月号 [雑誌])

過去編。 信長を殺した光秀への賞賛の思いで胸がいっぱいの匡介。 やはり当時は憎しみが強かったんだな。 そしてそこに本当の使命を改めて叩き込む源斎が熱い。 雇われればどこにでもつくリアリスト でも胸の底に秘めたのは「お前は何を守る」に応えられる、…

〈奥方様は、大事なものを失われるかもしれません〉読書感想:『チンギス紀 第三十回』(小説すばる 2019年 10月号 [雑誌])

ついに、医師に薬師まで合流したテムジン軍。 前回の法律家に続き、着実に国づくりに必要なメンバーが続々登場。 ホント梁山泊みたいになってきた。 ベルグティの病が気になるところだけど・・・ 決戦まで組織としての充実が増していくテムジン軍。 先を見据…

〈見事に、生きたのだ〉読書感想:『史記 武帝紀 3』 (ハルキ文庫 き代小説文庫)

霍去病という英傑を得て、武帝の匈奴討伐は最終段階へ。 ただ、ここでも小さな判断が命運を左右する。 意地と命の終え方にこだわった李広の思い 偶然の一瞬で勝利を手にした衛青 そしてとどめの一手が届かなかった霍去病 届かなかった。それでも新たな時代の…

〈気持の中に切れ目ができ、そこから重たいものがすべて流れ出していくような気がした〉読書感想:『水滸伝 6 風塵の章』 (集英社文庫 き 3-49)

感覚的には第二部のはじまりの巻。 楊志達の死や、二竜山壊滅の危機などがあったせいか、読者も梁山泊にも緊張感が漂っている気がする。 初めての大きな犠牲。 それでも止まることを許されない梁山泊は新たな同志を迎え、さらに先を目指す。 変化を遂げた魯…

〈行きます、おじ上〉読書感想:『史記 武帝紀 2』 (ハルキ文庫 き代小説文庫)

漢と武帝、飛躍の第二巻。 いいときは何やってもきちんとハマる。 でも一端悪い目が出ると途端にいやーな方向へ流れていく。 衛青が戦場に出て行くようになって連戦連勝。 勝つことが当たり前になり、明確な目標が一時的に見えなくなってしまう。 「とりあえ…

〈帝が望む戦をするのが軍人だ〉読書感想:『史記 武帝紀 1 』(時代小説文庫)

北方史記、再読へ。 自らの境遇に屈せず、大いなる夢のために衛青を見出す武帝。 そしてそれに応える衛青。 衛青に(しごきのような)難題を与え、少しずつ実績を積ませる。 そして、地位を高めさせる"育成"要素が、武帝という男のすごさを物語る。 何かを変え…

〈父を見ておけ。その眼に、刻みつけておけ〉読書感想:『水滸伝 5 玄武の章』 (集英社文庫 き 3-48)

最後まで計画通りにいくことなど、そうそうあるものではない。 万余の兵との戦いから生還できた幸運。 片腕を犠牲にしたことで生き延びることができた幸運。 いや、そもそも宋という大国相手に抗えることを証明し続ける梁山泊という存在が、この時代の人々に…

〈どんなに堅牢でも、破られれば意味が無い〉読書感想:『塞王の楯 第二回』(小説すばる 2019年 9月号 [雑誌])

一つのことを極めなければいけない職人の世界。 でも、知っておかなくちゃいけないこともある。 その道の頂点にたつ(跡を継ぐ)ということの難しさと厳しさ。 それを理屈じゃなく、走ることで感じ取るなんて、男臭い展開だ(笑) 匡介が石と共に走り続ける…

〈俺は、地の果てに行ってみたい〉読書感想:『チンギス紀』 第二十九回(小説すばる 2019年 9月号 [雑誌])

ここ数回は、テムジンVS大連合の予感を漂わせた話しが続いている。 今回は、文字通り決戦前。 両陣営より、年明けの開戦が示唆された。その前の溜めの回だ。 決戦前だからこそ、その先のことを考えていたい。 破壊への渇望から、極めたことがないことを突…

〈俺は、心のままに生き、戦うと決めたんだ〉読書感想:『水滸伝 4 道蛇の章』 (集英社文庫 き 3-47)

宋江、民の声を聞く。 変革の志を持つ者がたくさんいる喜びと すぐに強い方へ、楽な方へ流れてしまう人の心を感じたことで、民の力をあてにしてもいいのか懐疑的になるっていうのが皮肉と言えば皮肉。 替天行道の思いをどこへ導けばいいのか、という今後出て…

〈おまえがこれから歩くのは、道のない荒野だ〉読書感想;『水滸伝 3 輪舞の章』 (集英社文庫)

本拠地を確保したことで、梁山泊が本格始動。 闇の部隊、補給部隊、そして闇塩の道など、ただの一反乱ではない、明確な革命の姿勢が鮮明になってきた。 そしてさんざんな目にあってきた(涙)楊志が魅せた二竜山奪取! さらには桃花山も開山することで、一気に…

〈「演義」だけではなく「正史」も〉読書感想:『三国志人物外伝 亡国は男の意地の見せ所』 (平凡社新書)

」 再読。 我々が知っている三国志のほとんどは「演義」であるといっても過言ではない。 『正史』(史実版)は意識して目を通さないとなかなかお目にかからない。 だからこそ、本書で紹介された話しがどれも新鮮。 それだけ、『演義』は吟味された内容である…

〈なにやら、心がふるえるな〉読書感想:『水滸伝 2 替天の章』 (集英社文庫)

志を宿した者たちのために、拠ってたつ場所をつくる。 知恵と戦略と人の縁でつかみ取る本拠地奪取計画が「24」のようなドキドキ展開の第二巻 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 梁山塞を王倫から奪取せよ。…

〈私は、あなたが何者になるかを見たい〉読書感想:『落梅の賦』

再読。 やはり取り上げた要素を上下巻くらいかけて昇華してほしかったなあ。 特に信友関連のシーン(文量)多いから、梅雪の積み重ねがどうしても薄く感じられてしまう。 なので、終盤登場したときの、彼の謀反に至らしめる心情に、感情移入しきれないんだよ…

〈なにか、心の底から血が燃えてきました〉読書感想:『水滸伝 1 曙光の章』 (集英社文庫 き 3-44)

久々に、全五十一巻 我が青春のバイブル 漢たちの数世代にわたる、志の物語へ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 時は、中国・宋の時代末期。 腐敗した政府を打ち倒すため、志士は集い始める。 全国各地を…

〈命ある限り、歩みを止めてはならない〉読書感想:『もののふの国 (単行本)』

再読。 やはりおもしろい。 歴史上の著名人物が、大いなる意志によって、生き様どころか役割すら定められ、翻弄されていく。 これ、落ち着いて考えてみると、歴史小説家にとって、しんどいコンセプトではなかったか。 極端な話し、どうがんばっても変わらな…

〈そんで、俺が日本一の商人になる男や〉読書感想:『日本一の商人 茜屋清兵衛、危機一髪』 (角川文庫)

清兵衛の実家立て直し奮闘劇、続編。 今回も強奪騒動やら、安く叩かれる辛さ、そして借金返済への新たな難題など、終盤まで押されっぱなしの苦しい展開。 その中でも"基本"を守り続けるその姿勢が清兵衛を支え続ける。 目立たないけど、そのおかげで目の前の…

〈草原を底から掻き回す戦が続く、ということだ〉読書感想:『チンギス紀 五 絶影』

玄翁との最終決戦。 それを通じて明かされるテムジン出生の秘密。 そして玄翁の足跡を辿ってたどり着いた、梁山泊の物語。 これで、テムジンと本格的にリンクしていくのかな、と思ったけど、そこまでではなかったな(これからかもしれないけど) この巻の感想…

〈そうだ。それでいい〉読書感想:『燕雀の夢』

俊才は生まれた時から、人と違っていた。 天才は、早い段階からその才能を開花させていた。 そういう人もいるだろう。 だが、少なくても日本の歴史において、英雄と言われている人物たちを、そんな言葉一つで、その特異性を表現することは出来ない。 彼らは…

〈生きろ。己の命を守るのだ〉読書感想:『塞王の楯 第一回』(小説すばる 2019年 8月号 [雑誌])

今注目の今村さんの作品初読。 しびれるタイトルから始まり、情景が浮かぶキレキレの描写ですぐに読み終えてしまった。 守ってくれなかったものを取り戻すのではなく、奪われない”楯”を創る物語。 ラストの匡介が刀を持っていること そして石を割るシーンが…

〈虹が、見えます〉読書感想:『チンギス紀 第二十八回』(小説すばる 2019年 8月号 [雑誌])

ついに始まってしまったテムジンVSジャムカ。 その戦いで訪れたチルギタイの死。 そして同盟国・ケレイト王国トオリルの劣化が、テムジンの前途に暗雲を漂わせる。 テムジン陣営は主要メンバー脱落は、初めてではなかろうか。 これからどんどんこういうこと…

〈俺は必ず生きて、いま一度、お前を迎えに参る〉読書感想:『神遊の城』 (講談社文庫)

当たり前の話しではあるが、”忍び”が歴史の表舞台で名を残すことはほとんど無い。 “忍び”が歴史の事件に、その存在を明らかになる実績を残すことはない。 ところが(直接的ではないにしろ)歴史に大きく関与した、ということなら、いくつかの記録がある。 古…