モーション・グリーン

ブログ開設13年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。400冊読破を目指して今日も読んでます。

読書感想(歴史)

〈わかっている・・・〉読書感想:『チンギス紀 第二十七回』(小説すばる 2019年 7月号 [雑誌])

ここ数回続いていた勢力間の揺れ動きが一つの頂点へ。 ついにタタル族領主へ登り詰めたテムジン。 が、それは外交上の孤立を意味していた。 金との関係も絶対的(一心同体となって戦ってくれる)関係ではなく、むしろ漢民族との連携を図ったことが、周辺民族の…

〈長き約定に幕を引きまする〉読書感想:『虎の牙』

再読。 5月に勝沼氏館跡や大膳寺行ったときに、この作品の光景が目に浮かんだ。 勝沼氏館跡では、アケヨ(信友)が立てこもったときの様子が。 大膳寺では、かすかに泣く理慶尼の顔が。 お寺では、理慶尼は心優しく勝頼たちを出迎え、一緒の部屋で布団を並べて…

〈お前はこれより、朝倉家を守る酔象たれ〉読書感想:『酔象の流儀 朝倉盛衰記』

大友三部作+戦神を一端脇に置き(苦笑)読み始めたら一気読みしてしまった1冊。 なぜ、大友家作品からいきなり朝倉?と思っていたのだけれど、読んで見ると色々発見が。 一番の発見は大友二階崩れと構図がほぼ同じ、ということ。 愚かな主君 賢しい親族 佞…

〈俺の命は、ここまででよい〉読書感想:『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』

決戦シリーズ最新作は、新進気鋭の著者が一堂に介し、題材が設楽原(長篠)の戦い! これ、賤ヶ岳以上に被りそうだな、被ったら完成度の差が・・・と思っていたのだけど、みなさまそれぞれの世界観で真正面から被りにきていて驚く(笑) だからといってつなげ…

〈われらが生きて生きて生き抜くことこそ、信玄に勝つことなのだ〉読書感想:『吹けよ風 呼べよ嵐』 (祥伝社文庫)

文庫版読了。 武田・上杉の対決構図と史実での展開に満親・信正の戦いを重ね合わせるストーリーテリングの妙は、再読しても色あせることがないなあ。 単行本では、価値観の相違と後の時代の変化を先取りした題材作りが絶妙、という感想だった。 今回はそれに…

〈絶対に、みんな揃って生き延びてやる〉読書感想:『三木城合戦記 罪の在処は 第五回』(小説すばる 2019年 6月号 [雑誌])

震えた。 まさか、兵糧攻めで苦しみ続けている少女から、力をもらうとは・・・ 兵糧攻めで地獄と化している三木城。 恨み辛みが蔓延し、人間の醜さが露わになるなかで、虫を食ってでも、自分の涙を舐めてでも、生きようとする少女。 「どれほど重い積みを背…

〈戦うことになるのかな、俺たちは〉読書感想:『チンギス紀 第二十六回』(小説すばる 2019年 6月号 [雑誌])

金との連携を経て、テムジンはモンゴル民族統一への意思を鮮明にする。 対外勢力を国内統一に活用する。 かつて楊令(呉用)が宋を滅ぼす際に用いた手法でもあるが、今回は民族統一という要素が色濃くなるので、すんなりこのまま領主、ということになりそうも…

〈山県が目指したのは・・・〉読書感想:『山県有朋の「奇兵隊戦記」』 (歴史新書y)

後に日本陸軍の帝王として君臨。 司馬遼太郎をして「日本陸軍暴走の構造を創り上げた男」として、未だに戦犯扱いされている山県有朋。 そのイメージが強いからか、彼が幕末を振り返った記録集があることは意外に知られていない。 その幕末での行動(活躍)で…

〈蜀・三国統一!〉読書感想:『反三国志(下)』 (講談社文庫)

反三国志(下) (講談社文庫) 作者: 周大荒,渡辺精一 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1994/12/07 メディア: 文庫 クリック: 5回 この商品を含むブログ (3件) を見る 蜀が三国を統一する仮想三国志の完結編。 さすがに蜀が強すぎると思ったのか、劉禅を暗殺…

〈これぞ真の三国志?〉読書感想:『反三国志(上)』 (講談社文庫)

反三国志(上) (講談社文庫) 作者: 周大荒,渡辺精一 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1994/12/07 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (7件) を見る 三国志で語るとよく出る話題。 劉備が(蜀が)中華統一をするために、何が必要だ…

〈今もゆれ動き続ける関係〉読書感想:『同時にわかる! 日本・中国・朝鮮の歴史』 (PHP文庫)

日本の歴史は、中国と朝鮮との関係から積み上げられてきたもの。 とある本に書かれてあった文言だが、重要な視点だ。 どうしても日本史だと日本の歴史のみに目が行きがちだが、古代より中国を見習い、中国を真似てきたのが、日本の歩んできた道。 そこを知ら…

〈これから生まれるはずの、未知の日本のために〉読書感想:『麒麟児』

「おれも律儀だねえ」 働きがいの無い主君のために奔走するなんて 「おれも両面宿儺だね。」 相反する軸を持ち合わせながら、人間として成立させているなんて。 -----------------------------------------------------------------------------------------…

〈古代食は読者のお口にあうでしょうか?〉読書感想:『卑弥呼は何を食べていたか』 (新潮新書)

経済的な充足よりも、人生を充実させる豊かさを。 まもなく平成が終わろうとしている中、改めて、「生きる」という本質にフォーカスされた論調が広まっている今の日本。 そうなるとでてくるのが、昔はよかった、みたいな話し。 江戸時代が理想的な時代だった…

〈新しき世界を駆けよ〉読書感想:『チンギス紀 第二十五回』(小説すばる 2019年 5月号 [雑誌])

ついに金VSタタル族との戦いが勃発。 前回、前々回の様子を考えると、金国単独での思惑ではなく謀略の匂いも感じ取れる。 草原の覇者を決める戦いは、金や西遼を巻き込んだ争いへ広がってきたということか。 テムジンは率先して金国と連携して、タタル族を…

〈生き様を変える惨劇〉読書感想:『チンギス紀 四 遠雷』

前半はテムジン・ジャムカの英傑乱舞と国家間闘争 後半はテムジンの父・イエスゲイの死の謎と玄翁との決戦前夜がメイン。 www.motiongreen.net www.motiongreen.net www.motiongreen.net www.motiongreen.net www.motiongreen.net 看破できない存在となって…

〈接待は辛いよ?〉読書感想:『秀吉の接待―毛利輝元上洛日記を読み解く』 (学研新書)

織田信長から豊臣秀吉へ。 ときは戦国時代末期、戦乱の世はまもなく終わろうとしていた。 そして、それは大名の役割が変わることを意味していた。 統一の権力者が現れたとき、各地の大名の役割は領地を拡げることではなく、その権力者との関係を作ることへと…

〈動乱の予感〉読書感想:『チンギス紀 第二十四回』(小説すばる 2019年 4月号 [雑誌])

金国とタタル族との闘争が表面化。 こっちもついに火が付いたか。 中華と北の異民族との関係は争い→懐柔→争いという円舞がずっと続いている。 北方大水滸伝における大きな歴史の変換点は北から始まっていた。 現段階の中華(北半分)・金国も元は北の異民族だ…

〈紐解かれる事件の実態〉読書感想:『池田屋事件の研究』 (講談社現代新書)

池田屋事件。 幕末の中で知名度抜群のこの事件、実は相当わかっていないことが多い。 本書の中で明らかになった、ということ自体が衝撃だった。 (正確には特化した研究がされてない) 明治になって、長州の中で「総理大臣になれる器を持った人物は?」と聞か…

〈最強の理由は、陣形にあり!〉読書感想:『戦う大名行列』 (ベスト新書)

乃至さんの本にハズレなし‼️ 今作も歴史(戦国時代)ファンを唸らせる1冊だ。 現実味がない、と言われていながらも、その存在がファンの脳裏を占め続けている(当社比)戦国大名の陣(備)。 その実態について、超マニアック、かつわかりやすい解説が展開されてい…

『真実の航跡』本日発売!

今回は一昨日(3日)くらいから販売されていたらしい。 なんで、今回に限って(苦笑) 小説すばるで連載を読んでいた『真実の航跡』が単行本化して、本日発売。 連載 → 読書会 →単行本 小説が世の中に出ていく中で、読者として最も多くのタッチポイントに立ち会…

〈転落と再生の物語〉読書感想:『誉れの赤』 (講談社文庫)

文庫版再び。 やっぱり名作だ。 www.motiongreen.net 戦国時代、最強を唱われた武田家の中でもエリート集団だった「赤備え」 その武田家が滅んだことで味わった、徳川家での屈辱的な扱い。 だが、命を賭して示し続けた「赤」の系譜は、転落のその先に、再び…

〈きっと、アナタの身近にも、いるはず〉読書感想:『コンビニ人間』

思い出してみたら、いつぞやの目標の一つに「文学作品も読む」とあった。 昨日、水晶萬年筆 (中公文庫)読んだ。 この流れで、文学作品にも手を出していきたいところ・ www.motiongreen.net 来月初めていく読書会課題も、ちょうど文学作品。 というわけで、読…

〈目の前の選択肢を選んだが故に〉読書感想:『三木城合戦記  第四回 別所長治の悔恨』

いよいよこの戦いも終盤戦。 これまで、この物語は劣勢になりながらも希望を残して終わってきた。 だが、今回は絶望がちらつくラストになってしまった。 勇猛で義理堅い播磨武士の気質と、名門・別所家のプライドが、当主・長治をがんじがらめに縛り付ける様…

〈梁山泊のかけらを求めて〉読書感想:『チンギス紀 第二十三回』(小説すばる 2019年 3月号 [雑誌])

統括・宣凱再び。 北方御大久々の大増量回(150枚掲載!とある) 実は枚数だけみると、大水滸伝連載時と同じ枚数。 チンギス紀が大水滸伝よりも1号当たりの枚数が少ないことが改めて浮き彫りに。 御大、やはり往年のペースで書くのは難しいんだろうな。 まあ、…

〈こんなんじゃなかった、となる前に・・・〉読書感想:『あるじは信長』 (PHP文芸文庫)

文庫版再読。 信長をあるじに持ったことで人生狂った方々の短編集。 ちゃんと読むと信長のせいじゃないことがほとんどなんだけど(苦笑) 尾張の一領主でしかなかった信長が飛躍していく過程において、その流れに乗っていったように見えた家臣たち。 でも欲望…

〈全ては、あの銀杏のように〉読書感想:『千家分流』

千家三部作の完結編。 3つの千家誕生につながる、宋旦と5人の子供たちの生涯。 ここまで来ると、創始者?の利休の姿はもはや伝説化して、はるか彼方の存在だなあ。 時代は既に江戸時代、太平の世が到来している。 宋旦はともかく、その子たちの世代になると…

〈変質した理想の果て〉読書感想:『走狗』

伊東さんの西郷三部作、その二作目。 実はこの作品が他の二作品をつなぐ、超重要な一作となっている。 『飛ぶが如く』で、その特質すべき性格と役割で、知名度を一気に上げた川路利良。 征韓論で対立する西郷と大久保、どちらにも組することなく、また西郷に…

〈事実を追いかけると、もう歴史は変わっていた〉読書感想:『関ヶ原前夜 西軍大名たちの戦い』 (角川ソフィア文庫)

日本史の通説の書き換えが飛躍的に進んでいる。 もはや義務教育で教わった“日本史”が過去のものになる日は遠くない気がする。 しかもそれは、“説”どころか、“事実”にも及んでいる。 (正確に言えば、“事実”と思っていたこと、ではあるが) 本書の原書は10年前…

〈千家と “侘び” 大成の道〉読書感想:『千家奔流』

千家奔流 作者: 井ノ部康之 出版社/メーカー: 読売新聞社 発売日: 1995/06/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (1件) を見る 千家再興 (中公文庫)の続編。 実は前作の中で、利休死後の千家についての結末は既に描かれている…

〈「勝」と呼ばれたくて〉読書感想:『信長さまはもういない』

誰かの言うとおり行動して、結果が出たら楽だよなあ。 それって、生きているって言えるのか、という声が聞こえてきそうだけど、じゃあ、相手が自分の言うとおりに動いてくれたら楽だ、って思いません? そう思った方、それって、相手を生かしてない、ってこ…