モーション・グリーン

ブログ開設13年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。400冊読破を目指して今日も読んでます。

〈大御所様の身はわたしが守りますのでご安心を〉読書感想:『将軍家康の女影武者』

将軍家康の女影武者

 

 

実在した家康の側室・御奈津(清雲院)を描いた歴史小説。

 

家康を女性目線で見つめたその目線が新鮮。

9割考えているのだけど、最後の一押しを御奈津に委ねてしまうところが、小心なのか茶目っ気があるのか・・・

 

男目線で読むと、御奈津でしゃばりすぎ!と随所で思ってしまう(笑)

家康が楽しんでいるから、まあいいか(苦笑)

 

作品は関ヶ原に移動中の家康を島津が奇襲したことや(結構危機一髪だったみたい)、あの"のぼうの城"甲斐姫を登場させたり、など、あまり取り上げられていないエピソードを取り入れたその抽出力と着眼点が秀逸。

そして秀吉の側室になっても勝ち気な甲斐姫VS口が悪い御奈津、という女の戦いが、結構面白い(苦笑)

最後は女の友情につながっていくのだから、女ってわからない(爆)

 

大坂の陣の章、豊臣をなめてかかる家康を半分見下す御奈津に溜飲が下がる思い(笑)

そして逃げ惑う家康に「そらみたことか~」と言い放ってしまいたい思いに駆られる(苦笑)

 

物語自体は単調。

だけど、この題材の作品を読み尽くした、という方でも色んな角度からみる楽しさがあることを再発見できる1冊だ。

 
 
将軍家康の女影武者

将軍家康の女影武者

 
 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 


読書感想ランキング

〈俺は・・・・・・あの日の花代を守る〉読書感想:『塞王の楯 第三回』(小説すばる 2019年 10月号 [雑誌])

小説すばる 2019年 10 月号 [雑誌]

 

 

過去編。

 

信長を殺した光秀への賞賛の思いで胸がいっぱいの匡介。

やはり当時は憎しみが強かったんだな。

 

そしてそこに本当の使命を改めて叩き込む源斎が熱い。

 

雇われればどこにでもつくリアリスト

でも胸の底に秘めたのは「お前は何を守る」に応えられる、誇りと使命感。

ここでも職人魂が火を噴いていく。

 

なんだかんだ言いながら、請け負う限りは、ちゃんと相手を見定めて、納得できる相手を選ぶ。

安売りしない、誇りを曲げない。ちょっと前時代的じゃん?と思ってしまうけど、それが信頼となって積み重なっていくことを思うと、カッコいいなあ、と思えてくる。

 

今回はどうやら命を懸けるに足りる現場のようだ。

 

ミッションは明智来襲の前に落ちない城をつくること。

日野城突貫工事の行方は?

 

それにしても、どの作品でも蒲生氏郷は男前だなあ(笑)

 

 

小説すばる 2019年 10 月号 [雑誌]

小説すばる 2019年 10 月号 [雑誌]

 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 


読書感想ランキング

〈奥方様は、大事なものを失われるかもしれません〉読書感想:『チンギス紀 第三十回』(小説すばる 2019年 10月号 [雑誌])

小説すばる 2019年 10 月号 [雑誌]

 

 

 

ついに、医師に薬師まで合流したテムジン軍。

前回の法律家に続き、着実に国づくりに必要なメンバーが続々登場。

 

ホント梁山泊みたいになってきた。

ベルグティの病が気になるところだけど・・・

 

 

 

決戦まで組織としての充実が増していくテムジン軍。

先を見据えすぎて「今やることがない」と頭領が言ってしまうほど(笑)

それに対し、テムジン側・対テムジン側と、草原の色は鮮明にわかれてきた。

 

 

ちなみに、珍しいな、と思ったのが対テムジン側の大同盟締結のシーン。

北方作品でこういう光景を描くのは、あんまり読んだことがないかも。

まあ、誰が盟主になるか、というのはすごく重要だからなあ。

ジャムカはどこまで腹をくくったのだろうか。

つくづく損な役割を担うな(苦笑)

 

そして、いやーな予言を受け取ったラシャーン。

当初は夫に依存されていたけど、今や夫は立ち直り、気がつけば自分が依存している。

どこか、女性として甘えたい存在を探しているのでは?という気配もあった気がする。

トクトアとの出会いは何をもたらすのか・・・

 

小説すばる 2019年 10 月号 [雑誌]

小説すばる 2019年 10 月号 [雑誌]

 

 

チンギス紀 五 絶影

チンギス紀 五 絶影

 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 


読書感想ランキング

〈行きます、おじ上〉読書感想:『史記 武帝紀 2』 (ハルキ文庫 き代小説文庫)

史記 武帝紀 2 (ハルキ文庫 き 3-17 時代小説文庫)

 

 

漢と武帝、飛躍の第二巻。

 

いいときは何やってもきちんとハマる。

でも一端悪い目が出ると途端にいやーな方向へ流れていく。

 

衛青が戦場に出て行くようになって連戦連勝。

勝つことが当たり前になり、明確な目標が一時的に見えなくなってしまう。

 

「とりあえず勝て」と言ってしまった武帝と、何となく戦ってしまった衛青。

そこを突く匈奴。

一歩間違えれば、これまでの勝ちが無駄になりかねない危機。

 

でも、武帝の願いを命じられる前に構築して提示できる天才・霍去病が現れたことで、漢・武帝の黄金時代到来か。

 

一方、気まぐれに翻弄された張騫や群臣人事など不安も山積。

さらに、匈奴側も組織改編で変革の予感。

 

今巻読むと、つくづく物事と組織はバランスだと痛感するなあ。

 

史記 武帝紀 2 (ハルキ文庫 き 3-17 時代小説文庫)

史記 武帝紀 2 (ハルキ文庫 き 3-17 時代小説文庫)

 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 


読書感想ランキング

〈帝が望む戦をするのが軍人だ〉読書感想:『史記 武帝紀 1 』(時代小説文庫)

史記 武帝紀 1 (時代小説文庫)

 

 

北方史記、再読へ。

 

自らの境遇に屈せず、大いなる夢のために衛青を見出す武帝。

そしてそれに応える衛青。

 

衛青に(しごきのような)難題を与え、少しずつ実績を積ませる。

そして、地位を高めさせる"育成"要素が、武帝という男のすごさを物語る。

 

 

何かを変えたい、というリーダーはこうあるべき、というような勇壮な姿。

カッコいいなあ。

 

 

そして既成概念に囚われない発想で軍を整えていく衛青と、実績は抜群だけどそれ以上という発想が出ない李広との対比がシビれる。

組織が変わる黎明期だからこそ鮮明になる光と影。

ここからは組織の人事も重要になりそうだ。

 

北の異民族との戦いは、西への使者の運命をも巻き込んでいく。

構想のなかの"夢のかけら"張騫の執念は、果たして実るのか。

 

北方御大が書きたいと思い続けた"権力の輪廻と男の生き様"の一つの到達点、

何度読んでも濃厚だ。

 

史記 武帝紀 1 (時代小説文庫)

史記 武帝紀 1 (時代小説文庫)

 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 


読書感想ランキング

〈どんなに堅牢でも、破られれば意味が無い〉読書感想:『塞王の楯 第二回』(小説すばる 2019年 9月号 [雑誌])

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

 

 

一つのことを極めなければいけない職人の世界。

でも、知っておかなくちゃいけないこともある。

 

その道の頂点にたつ(跡を継ぐ)ということの難しさと厳しさ。

それを理屈じゃなく、走ることで感じ取るなんて、男臭い展開だ(笑)

 

匡介が石と共に走り続けることで得られた"つながり"。

一緒に何かを成し遂げたからこそ話し合える本音。

今の仕事にも通じるなあ。

 

匡介が河原で石を積み上げる回想。

いかにも石垣を組み上げる職人ならではの光景だけど、匡介の心の内を顕在化した、すてきなシーン。

 

「塞王になってみせる!」は、よくぞ入れてくれました、と言いたい(笑)

 

それにしても石垣作りの行程や作業に関する描写が詳細で臨場感がある。

常に一級のクオリティを提供し続けてきたおかげで、天下が平定した後も仕事が絶えない、という説明には、納得の一言。

 

そして、「人が造ったものは、人の力で必ず崩せる」という現実が、匡介の過去をくすぐる。

絶対に落ちない城=石垣作りが、今のところ彼の心を前向きにしているけど、「人」というファクターで故郷を、家族を失っているもんなあ。

 

匡介の内に秘めた黒さはまだ消えていないだけに、出来事一つでどう転ぶか、まだ見えない。

 

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

 

 

八本目の槍

八本目の槍

 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 


読書感想ランキング

〈俺は、地の果てに行ってみたい〉読書感想:『チンギス紀』 第二十九回(小説すばる 2019年 9月号 [雑誌])

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

 

ここ数回は、テムジンVS大連合の予感を漂わせた話しが続いている。

今回は、文字通り決戦前。

両陣営より、年明けの開戦が示唆された。その前の溜めの回だ。

 

決戦前だからこそ、その先のことを考えていたい。

 

破壊への渇望から、極めたことがないことを突き詰めていきたい、という思いを率直に語る。

テムジンが楊令や岳飛のような"夢"を語るリーダーになってきたなあ。

これも、武力一辺倒ではなく、後方の補給や物資、交易の充実に充ててきた成果、ということか。

 

そして、ついに語られたシルクロード構想。

これが、物資の道を守り、かつ人(軍事)の道を作るというテムジンの答え。

まだまだ先の話だけど、どう拡がっていくのか、楽しみだ。

 

一方、対テムジン大同盟は、当主が他陣営と接触しはじめたことで、一気に進みそう。

 

回を増すごとに"充実"してきているタルグダイとラシャーン。

でもその"急所"を見抜いているトクトア。

 

テムジンの予想通り、同盟の枠組み作りや段取りは、思った以上に腹の探り合いになりそうだ。

そうなると一番苦しいのはジャムカなのだが・・・

 

あれ、彼はそんな風に生きたかったんだっけ?

序盤の快男子っぷりから、段々がんじ絡みの状態になってきている気がするなあ。

 

 

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

 

 

 

チンギス紀 五 絶影

チンギス紀 五 絶影

 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 


読書感想ランキング

〈おまえがこれから歩くのは、道のない荒野だ〉読書感想;『水滸伝 3 輪舞の章』 (集英社文庫)

 

水滸伝 3 輪舞の章 (集英社文庫)

 

 

本拠地を確保したことで、梁山泊が本格始動。

闇の部隊、補給部隊、そして闇塩の道など、ただの一反乱ではない、明確な革命の姿勢が鮮明になってきた。

 

そしてさんざんな目にあってきた(涙)楊志が魅せた二竜山奪取!

さらには桃花山も開山することで、一気に世直しの風が伝播していく。

世にある世直しの思いにきちんと応えられる道しるべが必要なのは、今も昔も変わらないなあ。

 

この作品は志の物語でありと同時に、人間の再生物語であることを改めて実感。

 

戻ってきた武松

立ち直るために子午山へ入る史進

変化に戸惑い、晁蓋にその思いを吐露する呉用

そして、非常になりきれない石秀

 

人間だから。未完成だから。

次に会える時を楽しみにしたい。

 

 

その一方で、小さな齟齬の積み重ねから宋江の正体がバレる事態に。

いよいよその実力をみせる青蓮寺、革命の道はやはりすんなりとはいかない模様・・・ 宋江、逃げ切れるか・・・

 

 

水滸伝 三 輪舞の章 (集英社文庫)

水滸伝 三 輪舞の章 (集英社文庫)

 
水滸伝 3 輪舞の章 (集英社文庫)

水滸伝 3 輪舞の章 (集英社文庫)

 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 


読書感想ランキング