モーション・グリーン

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BLACK CAT 未公開EP(#15)「遠ざかる猫」感想

 アニマックスで放送していた未公開EP。#14と15の間のお話なのですが、なんで?なんで放送されなかったんだーーーと思わせるほどの名作でした。アクション・演出もさることながら、トレイン×セフィリアの決着や#12後のナイザー達の生死・ベルーガの壮絶な最期や原作でも描かれなかったシャルデンの心情など重要な要素満載の30分。これを見た後だと、終盤のEPの見方が変わりますね、間違いなく(熱弁)

 ○散る男達  原作とは異なり、クリードによって散ったナイザー。ベルーガは生き残ったものの、まるで死に場所を求めるかのように奮戦し、立ったまま、ジェノスの前で往生してしまいます。この2人の死を象徴するかのように、世界においてクロノスは星の使徒に押されはじめ、クロノスの内情がクリードによって暴露。クロノス上層部はナンバーズ再編成と事態の収拾を厳命し、新たなメンバー選抜と??、つまりトレインの抹殺に向けて、セフィリアが動き始めます。  ○雨の日に  夜、セフィリアと対峙するトレイン。体が元に戻り、リハビリをしていたようですが問題ないようです。が、セフィリアは、今回こそ迷いなくクライストを振るいます。    この刀は何のためにあるのか、この銃は誰のためにあるのか  かつて、ナンバーズに入隊する前、撃つことで震えが止まらなかったトレインに、この力を振るうことに間違いはない、しかし、振るうことで痛む心や震える身の感覚を忘れてはならない、と力を持つ者の心構えを説いたセフィリア。そして今、殺すつもりも力を振るうつもりもないならハーディスを返せと迫るセフィリア。そこには、組織の犬に成り下がったわけではない、文字通り信念を持った剣士の姿があるように感じました。  原作では深く触れられなかったセフィリアの心情。それは組織に忠実であると同時に、傷つける事への決意と痛みを背負う道を選んだ、強い信念の持ち主。惜しむらくはその信念を持つ者が、実はクロノスの中に多くはいないこと。これが後のクロノスの、そしてセフィリアの悲劇(危機)につながるのですが・・・  ○雨の日の決闘  セフィリアとトレイン。譲れない者同士の戦いは、表面上にも心情的にも平行線をたどり続けます。そこに1人、亡霊に取り憑かれた男・シャルデンが急襲をかけてきます。同士を・組織を捨てた男は、その残り火を燃やし、セフィリアを暗殺しようともくろみます。そして自分はブラックキャットと同じだ、と叫びます。クロノスが不満で、世界を変えたくて組織を抜けた彼と同じだと。  ここにスヴェンらがいたら、おそらくため息をついてこういうでしょう「何にもわかっちゃいねえ」  トレインにも否定され、荒れ狂うシャルデンは2人に襲いかかります。が、最強クラスの2人に敵うはずもなく、セフィリアはシャルデンを追いつめます。  この戦闘シーンがすごくよい演出です。雨を効果的に使って動きをよりダイナミックに見せるカットは脱帽もの、さらにセフィリアの高速移動がとっても鮮やか!シャルデンのブラッド攻撃をすり抜けるように移動する様は剣聖の見切りを連想させます。  シャルデンはブラッドでシールドを作りますが、それすらセフィリアの高速突きで破壊され、不意を突いたブラッド攻撃は残像でかわされます。そしてセフィリアのクライストがシャルデンに迫り・・・  ○雨、晴れて  クライストをハーディスで受け止めたトレイン。かつて震える銃でクライストを受け止めようとしたトレイン。もうその手は震えることはなく「もうだれも殺させはしねえ!!」  トレインは引かない。今なら、セフィリアの言ったことが理解できるから。  サヤと会うまでは、彼は傷つけることにためらいを感じてはいなかった。それは、やらなきゃやられる、そういう世界に生きてきたから、そう教えられてきたから。  でも、人を傷つけない使い方がある。銃にも。そう親友が教えてくれた。  ここで彼が持ち続けるハーディス。これが、実は一度サヤに渡し、サヤから再び渡されているハーディスだというのが、隠された演出のような気がして興奮しております。つまり、トレインはセフィリアに言われたとおり、ハーディスを一度手放しているんですよね。でもサヤはトレインに返した、傷つけることだけが銃じゃない、何かを守るためにコレは必要なものなのだ、と。トレインもまた、譲れぬ思いを背負っている男なんですね、セフィリアと並び立てるほどの。だから、セフィリアもトレインを認めたのでしょう(ここで渡されるオリハルコンの銃弾が、後の一発への布石になるのですね)  また、この回を見ると、終盤、絶望的な状況のセフィリアの元へトレインが訪れるシーンもまた見方が変わってきそうです。どう変わったのかは後日UPしたいと思いますが、ともかく#6では、主張がありながらも不安定で危なっかしかった2人の立ち位置が確立したことが、今後にとって重要なのでは、と思った次第です。  そして、敗北したシャルデン。もはや、復讐も怒りも消え失せ、彼の周りには何も残ってはいない、しかし、そこから彼ははい上がろうとします。どん底の中で彼が見たものとは・・・これもまた、終盤のEPで明かされますが、また見方が変わりそうです。  そしてそれぞれが信じる道へともどるのですが、新たなるナンバーズを任命するセフィリアと無邪気に微笑むシャオリー。トレインを認めながらもなお、輪廻のごとく、新たな戦士を選び、かつてのトレインと同じように歓迎し、痛みを感じぬ戦士を誕生させようとする、その矛盾と終わらぬワルツが、理想通りに行かない実情と、目の前の現実を象徴しているようで印象に残りました。  ともあれ冒頭でも言いましたが名作にして傑作だと思われる未公開EP。アニマックスが観られる方は「BLACK CAT#15」が放映される日をチェックして絶対見てくださいね。観られない方はBLACK CAT Vol.8 に収録予定なので、必ず見ることをオススメします!!!