モーション・グリーン

2018年、目標は読書300冊読破!のはずが、ここにきて400冊に変更?!進捗は当ブログで随時更新中。他には特撮(仮面ライダー)・ドラマ・アニメの感想などなど。

北方水滸伝 名言集1

「私が農夫ならば、ひと粒の麦を立派に実らせるために力を尽くすだろう。人は、それぞれにそうやって生きていけばよいと思う」                                                                                        

                                   ー王進ー  時は中国宋末期。乱れきったこの世の中で、禁軍(朝廷直属部隊)武術師範の王進は、ある日、1人の坊主(魯智深)と出会う。腐敗している禁軍を改革しようとする王進に対し、禁軍よりもこの国を変えようとはしないのか、と問う魯智深。それに対し王進が答えた言葉が、上記の言葉だ。  人間は、誰もが、生まれた場所を選ぶことはできず、与えられた環境の中で過ごさねばならない。ましてや身分の差があるこの時代。できないことの方が多かったに違いない。  でもそこで腐らず、今自分ができることを、今いる環境の中でやっていく。例えそれがどんなに小さな事であっても、それらが集まって世界を形成しているのだから。  王進のすごいところは、禁軍の改革と農夫の働きに差を設けていないところだ。どれも必要で欠かすことのできないことだ、と王進は本気で思っているに違いない。それが王進の誠実さであり、汚れのない想いなのだろう。  社会に生きる人間として、ぼくたちはこの意志を忘れてはならない。小さな仕事、些細な仕事、つまらない仕事。例えどんなことであろうとも、己のいる場所でできることを精一杯行うことで、世界に貢献していけるということを。その重要さ、分け隔て無く物事を見つめる視点の重さを。  時代が時代ならば、王進はすばらしい探求者になれたかもしれない。しかし、時代はまじめな人間が馬鹿を見る不条理が満ちあふれていた。もっと大きなもの、つまり「国」を変えなければ、王進の想いは成就されない、そんな状況であることに王進はまだ目を向けられてはいない。  王進の言葉をすばらしいと賞賛しながらも「いまは、ひと粒の麦に心を傾ける民が、むなしく麦と共に踏み潰されていく時代ではありませんか」と語る魯智深の言葉が、重くのしかかる。

水滸伝(1(曙光の章))