モーション・グリーン

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楊令伝 三巻感想

 ようやく三巻を読破しました。いやー度人、度人ドクロ  三巻は、まさに複雑怪奇。宋VS梁山泊、という単純明快な構図ではなく、北に金国と遼国、南に方蝋軍と、(帯には三つ巴と書いてありますが)1つの勢力の中でも思惑が交錯する、いくつもの群雄割拠状態を描いています。五巻まで、この状態が続くので(むしろこれから、より複雑になるので)ここで押さえておいたほうが良いと思いました。ここからは静かに、でも確実な変化の時が続きます。  

 ○南に、死を恐れぬ軍団あり  三巻から、梁山泊や楊令を喰うほどの印象度の高さを見せつける方蝋。その豪快さ、その不気味さ、その底知れぬ魅力は、まさしく狂気のごとく南を覆います。  特に圧巻なのは度人。念仏のように度人、とつぶやくことで、わき出るように出てくる信者たち。その信者たちを人壁として宋軍に差し出し、紛れ込ませた組織軍で撃破するという、戦と言うより虐殺を連想させる攻撃と発想は、淡々と書かれる北方謙三の文章の中でも異様な光を発しています。その圧倒差は、三巻を読み終えた時、「梁山泊より先に方蝋軍が宋を滅ぼすのではないか」と思ってしまったほど。一部では「五巻までは楊令伝じゃなくて方蝋伝でいいのでは?」という声が挙がるほど(爆)  そして、方蝋同様、キーマンとなる呉用にも変化が生じます。北方謙三曰く「呉用は一巻で殺すつもりだった」呉用が、後悔を・灯火を紡ぎながら己と向かい合っていきます。そして少しずつ方蝋のカリスマ性に魅せられていく呉用。童貫の力を少しでも削いでいこうとする彼の狙いは果たせるのか?  土台を固めた方蝋軍は、南方の地方軍を一掃。禁軍・童貫を待ちかまえます。  ○北に、祖国を守る護剣あり  一巻から触れられてきた宋・金・遼の関係。ついに宋金同盟が発動し、金国は遼へと攻めかかります。無論幻王楊令も出陣し、攻城部隊と共に制圧に乗り出します。広大な遼の国をいかにして制圧していくのか。神懸かり的な黒騎兵の強さにも注目です。  その一方で、外交の甘さから、遼最大の部隊を戦わざるを得なくなった宋国。禁軍が遼首都目指して進軍を開始します。その遼の精鋭部隊の中には、どこかで聴いたことのあるような名字の者がいたような・・・    燕雲一六州。  宋国誕生、いやそれ以前から宋遼の争奪戦の引き金になってきた領土。宋にとっては悲願とも言えるこの土地の奪取の裏で、ある陰謀がささやかれます。宋と遼の間をさらに引き裂く新国家の野望。その形が見えてきます。聞ちゃんの心に新たな炎が燃え上がります。  ○その他  ・ついに掲げられる「替天行道」の旗印。これを、この時を待っていたあああああああああ。  ・花飛麟、そして張平の下山。第二世代がいよいよ梁山泊のメンバーに参入してくるぞ。  ・牧場に、王進の元にと、忙しく動く楊令。この後の展開を考えるとこの時しか動くことができなかったのか、と感嘆してしまう。  ・第四部隊、馬麟隊誕生。寡黙なイメージが強い馬麟が将校らとどう接するのか見てみたい。