タイトルからすれば、少しずつ、CBが滅亡への道を歩んでゆく、というニュアンスですが、ところがどっこい、まだ希望があるぞ、というところを存分に見せてくれた30分でした。トリニティ登場から進められていた、ヴェーダからの独立。
より完全な存在であったはずのヴェーダが脆くも操作され
より不完全なはずだった人間の手により、神=ガンダムが甦る。
この対比とガンダムへのスタンドアローンシステムが立ち上がったときは、純粋に燃えたガンダム00がここまで王道な展開を用意してくれるとは思いませんでしたよ。もっともラストでのデュナメス=ロックオン負傷で、目の前が(ティエリアみたいに)真っ青になりましたが
○脱却
ヴェーダからの脱却を図るための、最大の難関。それはクリスティナとフェルトによるガンダムの独立稼働システムの構築。フェルトはともかく、クリスにシステム構築技術、あったのか(驚)
トリニティのデータをヴェーダに送らず、ラッセにGNアームズを取りに行かせ、そしてガンダムの解脱。ヴェーダからの独立のため、不完全な存在のはずのCBトレミーチームがひとつになっていく。ある意味、この話がその集大成。
皮肉にも、ヴェーダを介しての読み合いになったことで、ヴェーダではなく、ヴェーダを操る‘不完全な存在’人間との戦いが始まっています。つまり、人間同士のぶつかり合いであり、ヴェーダの存在は少し脇に置いた形になりました(現に、今回のガンダムの解脱はアレハンドロの予測外、当然ヴェーダの推測内にも入っていない。修正範囲内なのでしょうけど)ここから先、トレミーチームはもちろんのこと、トリニティが、そしてジンクスに乗らなかったグラハムが、自らの行動で創っていく、という展開になりそうでいっそう燃える。
脱却といえば、それができた者とできなかった者がいました。
できた者は刹那。
夢の世界(?)でマリナが「もう良いのよ、ソラン」と言う。
捨てることを許されなかった‘神’と武器。捨てれば楽になる。
願いを叶えるのは自分じゃなくてもいい。ガンダムは自分だけではなく、自分のみでは無くなった。世界が‘ガンダム’を手にした今、自分はなぜ戦うのか。
さらに、敵を前にして動きを止めるガンダム。手足のように動かしていたガンダムは、さらに大きな存在によって動かされる人形だった。
「僕らは裁きを受けようとしている…」
「冗談じゃねえ、まだ何もしてねえぞ!!」
「僕は…ヴェーダに見捨てられたのか?」
「同じだ、あの時と…。エクシアに乗っているのにガンダムになれず、俺は…」
神の啓示が、この刻だというのか。ここが、終わりなのか。
でも
「俺はまだ生きている、
生きているんだ!!
動け、エクシア!!
動いてくれ、ガンダァァム!!」
ここで、刹那が全てをかなぐり捨てた。執念・気迫・叫び、いろんなものが感じられたけど、“誰かが”戦うのではなく“俺が”ガンダムとして戦いたいんだ、という意志と想いを出した、そんな瞬間だったと思いました。皮肉にも、刹那らマイスターを救ったのは、神でも偶然でもなく、人の力だったのですが。
できなかった者、ティエリア。
心の支えを失った不安と、不完全なはずのスメラギらトレミーチームに対する不安。少しずつ心を開いていくのか、と思いきや、まさかのヴァーチェ稼働せず
それがデュナメス&ロックオンの退場につながったのかと思うと、ティエリアは無事だったとはいえ、第1部で戦える状態まで行くのかどうか不安になってきました。このまま行くと、戦いきれないまま戦って退場するのか、リボーンズとのヴェーダ争奪戦に敗れそうで(泣)ちょっとティエリアの筋道先が見えてこないのが気がかりです・・・
気がかりといえば、マイスター最初の脱落者となりそうなロックオン兄貴。ジンクス(しかもコーラサワー機)に貫かれているシーンは、正直言って涙が出そうになった。00の世界でガンダムが刺し貫かれるなんて想像できなかったですし・・・声が一緒なだけにフルメタのクルツとがっつりかぶってしまった(爆)右目をやられてしまったように見えたけど、ルイスの左手手術が(疑似GNドライブでは)できない、という伏線があっただけに復帰は絶望的(号泣)でも死んでいないはずなので、必ず帰ってきてくれることを待ってます。
○その他
・絹江さん(涙)アバンからいきなり切ないシーンで涙腺が(。>0<。)
・フラッグにこだわるグラハムとは対照的に、即席の力を求める3連合軍。その一方で連合しておきながら自国の飛躍を狙っている辺りが波乱の予感を増長させます。ガンダムの力を手に入れたことで他の2国を喰らおうという気が満々なんですけど。。。
機動戦士ガンダム00 #21「滅びの道」感想
発売日:2008-03-25