モーション・グリーン

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【2009年読破本54】楊令伝 第三十一回(小説すばる2009年5月号)感想

 話しの流れもさることながら、要所要所のセリフが光った三十一回。  梁山泊にとっての正念場となる交易開始と、一皮むけた岳飛。  やっぱり戦うのは、この両雄になりそうですねえ。

 ○梁山泊  ・前回からかなり楽しみな韓成・秦容・郤灼の旅。傷ついていた韓成が少しずつ外交という己の使命に情熱を傾け始めたこともいい兆候なのですが、若手二人の爽やかさが眩しくて良い。二人の視点を入れず韓成視点でこの二人を描いているので、一層二人が際立つ。北方三国志馬超のように、韓成は梁山泊から身を引くのかな、と思っていただけに、さらに大きくなって帰還することを祈願(笑)  ・葉敬、完全にキャラ立ち。身体的特徴も大事ですが、特殊な武器を所持したという辺りがインパクト高し。日本刀かあ、実戦が楽しみ。  ・前回今回と、梁山泊メンバーの心地よいシーンが目立つ。国づくりという大きなテーマと、そこに暮らすメンバーの明るい雰囲気が良い意味でミスマッチしていておもしろい。ただ、内情見れば紙一重とも言える交易が整わなければ崩壊しかねない状況。楊令&黒騎兵、張平&青騎兵の護衛で通すことはできるのか?    ○岳飛  リーダーは、最後の最後は自分で決めなければならない。リーダーはその判断に自分と護るべき者の命運がかかっていることを自覚しなければならない。故にリーダーは孤独である。という北方軍記物ではおなじみとなっている“上に立つ者の苦悩”を、岳飛が真正面から取り組む様が、三十一回のメインポイント。それまでどこか寄り合い所帯だった岳飛陣営が、ようやく1つの運命共同体としてのまとまりを帯びてきましたねえ。  民のため、と口で言うのは簡単なれど、実際に行うことは、綺麗事だけとは限らない  「紙はどう作ろうと、本物の花にはなりませんわ」  でも、その行いの中に、その行いの先に目指すべきモノがあるならば、過程は報われる。  「本物の花は、それを捜す人の、心の中にあるはずですから」  一皮むけた岳飛。これで、本当に梁山泊と戦う体制ができあがった、のかな?  ○その他  ようやく韓世忠の心の内、そして彼の歪みが見えてきた気がします。国を創るって、平和をもたらすって綺麗事じゃないだろ、と現実論を持ちながらその反面、波乱が起きなければ身の置き所を失いかねない己の不安定さが露呈した形に。  これって、残虐な行いで金統一の手伝いをしながら、次第に綺麗事を用いた理想郷を作ろうとしている楊令の変転と、どこか重なる気がする。この差はどこから来るのか、そしてこの差が、楊令と韓世忠のどちらに+に作用するのだろうか・・・  ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック! 素晴らしい すごい とても良い 良い  

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