モーション・グリーン

読破本・特撮(仮面ライダー)・アニメを取り上げるブログです。

【2009年読破本180】楊令伝 第三十七回(小説すばる2009年11月号) 感想

 割と今回は、各陣営の動きがそれぞれ描かれていたので全体像が掴みやすくなりましたね。。
 斉が開封府に拠点を移したり、と史実上の動きと符合するものも多々ありました。いよいよ決断の時でしょうか・・・
 

小説すばる 2009年 11月号 [雑誌]
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◆共鳴しない思い
 うーん、やはり楊令の思いは通じないかあ。
 というより、楊令が理想に走りすぎているのかな、と韓伯竜との会話を読んでいて思います。
 韓伯竜が裏切るかどうかはさておき、楊令自身が頭領としての立場と発言を続けていく限り、トップダウンの形はできてもボトムアップは生まれない。
 そして楊令が望んでいるモノとは、みんなが己の望み・夢を声や形にしようとすること。
 つまり、ボトムアップ=楊令が生み出せていないモノ、ではないだろうか。
 
 実際、前々回あたりから、梁山泊メンバーの中にも、目線や視点・考えの相違がでてきていますし。
 今回に至っては「なぜ、楊令が頭領なのか」という今更な話も出てきたり(さすがにこの手の話が出てきたのには引きましたが)
 そろそろ、ボトムアップを始めていかないと、みんなで国の運営を決めていかないと・・・
 
 もっとも、現状が楊令の責任と言うことだけではないのが現実。
 楊令の言う通り、「国の話しになると、これまで考えてこなかった、と誰もが言う。そしていきなり、天下の話しになったりする」のが、考え方としても当然であり、限界であるはずなのだから。
 ただ目の前に越えるべき目標があり、そこを乗り越えることで、替天行道は達成される。
 それだけ、宋という国の壁は高かったのだから。
 目に見える目標がないと、己の矛先を決められないのも人間。それを変えていかなければ、形はできても、心はできあがらないし、1つにならない。その現実が浮き彫りになってる気はします・・・
 そうは言いましても、目の前にある目標ではなく、目に見えない(これから生み出していく)もののために動ける人間を理想論者と切り捨てる社会も、どうかと思いますけど・・・
 

◆思わぬ符合
 自身の国を固めることで、周辺との国々を引き込んでいく。
 青蓮寺・李富の発想は、楊令と非常に良く似ていたことが、改めて判明(今までは明言されていなかったはず)
 両者とも、地固めを第一とすることはほぼ同じ。
 そして、武力よりも経済力・産業力・そして貿易に比重を置くところも似ていますね。
 ただ、楊令の構想は、梁山泊を理想の国とすることで、周辺国が同じような豊かさを求めようとし、そして今の基準(領土拡大・武力による制圧・税の搾取など)を変えていってくれるということ。
 あくまでモデルケースであろうとする楊令と・最後に中心に立とうとする李富とはそこが異なる点、でしょうか。
 後々、南宋が日本との貿易を行うなどの経済立国になっていくことを思うと興味深い展開です。
 
 ◆その他
 ・秦容がカワイイ(笑)こういうほのぼのした光景があるのもいいですね。
 ・岳飛は迷走しているなあ。ここから自分の国家像を構築していくのか、それとも己の考えを他者に預けるのか・・・
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