モーション・グリーン

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【2010年読破本49】楊令伝 第四十二回(小説すばる2010年4月号) 感想

 ・・・このブログでは、楊令伝を全十五巻構成と思い、「あと~回」とコールしてましたけど、今回の連載を読んで、
 「十五 → 十九巻に変更?」
と思ってしまいました。残り三回で終了するのだろうか?と思わせるほど、快進撃を続ける梁山泊。そして大敗北してしまう南宋
 図らずも、梁山泊に対抗できる勢力は、金だけとなってしまい・・・
 

小説すばる 2010年 04月号 [雑誌]
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◆まだ見ぬ‘何か’のために
 別にワタクシは梁山泊の崩壊を待ち望んでいるわけではないのですが(笑)ここまで上手くいけばいくほど、後のどんでん返しが凄絶なことになりそうで、それが怖い叫び
 激戦だった(乱雲に郭盛と、懐かしい顔ぶれがまたいなくなる・・・)とはいえ、南宋の総力軍を撃破したことで、相当優位な立場になった梁山泊。経済立国となったことで、国境すら必要なくなるような国づくりは、本当にできるのか?
 前回のラストから考えて、金国が梁山泊の前に立ちふさがるのかと思いきや、託された兀朮は、(遺言=勅命を重く受けとめながらも)対立姿勢を鮮明にはしていませんし、このまま梁山泊が経済を通して、新たな国の形を作ってしまうのでは・・・?
 とはいえ、梁山泊(楊令)の描く形は、これまでの中央集権国家を否定する思想を帯びているだけに、南宋と金が結ぶことはありうりそう(実際に秦檜は気付いていたけど)。楊令からすれば、これまでの国家感を否定する思想が「替天行道」に内包されていると考えているので矛盾はしていないのだけれど・・・
 
 一方、改めて、梁山泊が目指すものを語る楊令。
「なんのために、戦をするか。それはもう、梁山泊を守るため、ということではなくなっている」
「新しく、現れてくるものを守る。新しいものを、ただの夢に終わらせない。そのために、戦をする。俺は、そう思っている」
 杜興が示した、「替天行道」に潜む要素の矛盾を受けとめた上で(?)、楊令が表明した志の先。それは、まだ見ぬ可能性を拡げられる世界を作ること、ということのようです。一見すると純粋でピュアな話しなのだけれど、どんどん理想論に進んでいっている気がするのはワタシだけ?楊令伝当初、綺麗事では童貫には勝てない、と語っていた楊令とは別人のような気がするなあ。
 交易や自由市場、そして童貫すら打ち破った最強の軍勢など、現実に存在する梁山泊の‘武器’があるからこそ、‘理想論’は現実味を帯びてくる。そういった意味では、ただ思想を唱うより、実際にできることを行い、実証し、実感してもらいながらでないと‘理想論’は聞き入れてもらえないということなのだろうか。そう思った時、楊令の孤独さが少し感じ取れた気がしました。
 何はともあれ、予定ではあと三回。なのだけれど長くなっても全く不思議ではないボリューム。こう二巻→四巻分くらい延長しませんか?北方先生( ̄▽+ ̄*)

◆その他
・王貴、宣凱、張朔と、梁山泊の次世代組が揃って登場。王貴と張朔はともかく、宣凱が臆病さを自覚していたとは・・・確か昔はやんちゃだったと思うのだけれど、そこは宣賛の血を引いているのかな?ただ、阮小二の死を見て、何か変わるかも?
・足を折っていた白勝、病に伏せっている蔡福、そして気が付けば妻帯していた韓成。何だか久しく出てこないうちに、みんな変わっていくなあ。
・そういえば、前回荀響は秦容隊に配属させる、という話が出ていたけど、実際に配属されたのだろうか?名前は出てきてはいないけど・・・
・「志がどうと言われりゃ困るが、凌辰殿のあの姿を忘れられねえ俺が、間違いなくここにいる」呂皖のこの言葉こそ、同士達をつなぐ絆。久し振りに胸を打たれる言葉がきたのはうれしいなあ。
 
 

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楊令伝 九
楊令伝 十 坡陀の章
楊令伝 十一 傾暉の章
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