モーション・グリーン

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【2010年読破本52】楊令伝 第十二巻 感想

 よくよく考えてみれば、楊令伝 十一 傾暉の章読んでないのに、こっちを先読んでしまったえっ  ま、連載読んでるからいっか、ということで、楊令伝十二巻の感想です。  

 とはいっても、このブログでは楊令伝を連載時点のものを追いかけているので、細かい感想は連載時のものを参照いただくとして、今回はその中でも気になるところをピックアップしたいと思います。 ※今回収録の連載  楊令伝 第三十四回感想  楊令伝 第三十五回感想  (未投稿)  楊令伝 第三十六回感想 (未投稿) ◆杜興の死ーずれていた宋打倒と新国家建設ー  杜興の死という、悲しい事実とは裏腹に、託してくれたラストメッセージに、心のもやもやが少し晴れたのが、この十二巻最大の内容。  童貫を撃破、宋の崩壊。夢にまで見た革命が成就されて、これで待ち望んだ世界が造れる。  と思っていたのに、楊令が打ち出した施策は、梁山泊メンバーが描いた形とは違っていた。  そこで各メンバーは、はたと立ち止まる。自分はどんな国を目指していたのか、いや、そもそも何を夢見ていたのか、と。  そのメンバーの試行錯誤が童貫撃破後の九巻から続いていたわけですが、不思議と楊令と他のメンバーの思惑はすれ違うばかり。  当初は戸惑っていただけかもしれない。しかし次第に異を唱える(といっても極端な批判をしたわけではないけれど)者が現れた。それは「替天行道」が示していた宋の打倒と、その先にある新たな国の創成という、二つの志が、メンバーの中での昇華されていないから。だから、彼らの燃えたぎる志(宋の打倒)がちゅうぶらりんになっている、と、杜興は指摘しているのです。    すでに腐敗しきっていた宋は、梁山泊と金の(事実上の共同戦線で)崩壊した。自壊していく宋を滅ぼすことをせずに、楊令は己の考える志(国の創成)を始めてしまった。それは、宋の打倒という志の順序(童貫を倒す→北京大名府を落とす→開封府を落とす)をオミットしてしまったことを意味していた。彼らが描いた、国家を自らの手で打倒する瞬間は訪れなかった。  目の前の巨大な権力を打倒することが大きな壁であればあるほど、彼らは奮い立ち、そして大きな犠牲を払ってまで実現させようとしていた。童貫を打ち破って、その壁を乗り越えてこそ、多くの死んだ同志の夢が実現するのではないか。  国家の権力という、1人じゃ崩せない壁を乗り越えるために、梁山泊は人と人とがつながりあって戦ってきた。そのつながり故に、今回のような齟齬が起きてしまっているのでしょう。そしてそれだけ彼らが相手にしてきた国家とは、重い存在だったのです。  この後、宣賛が楊令にくってかかるなど、少しずつ楊令と他メンバーが意見をぶつける場面が増えてくるのはいい傾向だと思います。それは反面、かつての一〇八星がどんどん消えていくことを意味しているのですが・・・   ◆南宋と斉の成立ー岳家・張家、そして梁山泊・金ー  南宋と斉が成立して、いよいよ乱立状態に突入してきました。  ややこしいのは、斉が金国の傀儡政権であるということ。軍事力は金国のものなので、斉と戦う時は金・斉連合軍と銘打ちながらも実質は金軍ということであるということ(次巻で状況が変わりますが、とりあえずこの十二巻では)  斉の成立に関しても、金国内で権力争いが起きるなど、状況は未だ不透明。  そして斉へ急接近する張俊  兵士を厳選したかと思えば、増税して大兵力を組み立てる岳飛。国とは何か、何を持って何を守るのか。先頭に関しては随一の実力を見せながら、未だ政(まつりごと)に関しては迷走する岳家軍。  そしてその中超然と存在する梁山泊。  ややこしいといえばややこしい。もしかしたら、そんな梁山泊に関して快い感情をみんな持っていないのではないか、と思わせる事件が商隊襲撃事件。  結果として秦容のたぐいまれに見る実力と、王定六の死亡に関わる重大事件へと発展しましたが、これが崩壊の序曲に感じられたのはワタシだけではないはず。 ◆鮑旭散る  また、子午山卒業生が散ってしまった(涙)  本当は、もっと穏やかな最期を期待してたのですが、最期の超人的な戦いを読んでいると、彼の中に喪門神と呼ばれた、生きるためには何でもしてきた彼の‘命’の炎が燃えさかっていたのだろうなあ、としんみり。  双頭山という、梁山泊には思い入れの強い場所とはいえ、局地戦で死なせるとは本当に北方サンは殺す時には容赦ないな(涙) ◆その他 ・楊林の鎖鎌、確か青連寺軍団との戦いで楊林は使っていたはず(その戦いで楊林は戦死)。孟康はそのことを知らないのだろうか。鎖鎌はおそらく部下が回収してどこかに埋めたのだろうけど・・・  
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