伊達政宗、最期の日々 (講談社現代新書) | |
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小林 千草 |
人間、長く生きていれば老いは避けられない。「あの人が、としとると・・・」なんていう衝撃もあることでしょう。
‘生まれるのが遅かった独眼竜’伊達政宗。あふれる才気と野心を持ち、天下人を狙い続けた男も、江戸時代安定期を迎えた後、往生を遂げる。彼の知られざる晩年の様子を、政宗に使えた小姓の文書から探っていく一冊。戦国時代を伊達政宗という若々しいイメージが崩れるほどの、穏やかで病弱な晩年の姿が思い浮かんでくる。政宗のイメージを保ちたい方は読まない方がいいかも(笑)
ただ、老いて後も、自藩の行く末を案じ、憂い、心配しながらも次世代のために全てをなげうつ姿は、最期までできることをやろうとする漢の生き様として、忘れてはいけないあり方だと思う。
人の一生の正しい閉じ方を教えてくれているような気がした。