モーション・グリーン

2018年、目標は読書300冊読破!のはずが、ここにきて400冊に変更?!進捗は当ブログで随時更新中。他には特撮(仮面ライダー)・ドラマ・アニメの感想などなど。

【2010年読破本180】楊令伝 第十三巻 感想

 全体的に、岳飛視点(というか岳飛主軸の)話しが展開する十三巻。  とはいえ、裏では青蓮寺と梁山泊(致死軍)との暗闘が繰り広げられていたり、斉(張俊)軍と激突したり、そして少しずつ梁山泊外へ進出したり、と確実に変化してきてはいるけれど・・・

楊令伝 13 青冥の章
楊令伝 13 青冥の章
posted with amazlet at 10.10.30
北方 謙三 集英社 売り上げランキング: 6643

岳飛の道  冒頭でも触れましたが、この巻に関しては、岳飛の活躍が目立ちました。  思えば、童貫が破れた時から、各地に散った禁軍。その中で岳飛軍は軍勢を持って、地域を制圧し、小さいながらも国を創設した(正確に言うと軍閥、なのだけど)その時から、国づくりを、ゼロから始めた岳飛。  人材はあれど、コンセプトがない。だから兵数を絞って精強にしたかと思えば、馬泥棒をきっかけにして梁山泊とぶつかるなど、国を創る難しさを体現した集団はいないんじゃないかと思わせる迷走ぶり(涙)  今巻では、蕭珪材軍を撃破するなど、個々のポテンシャルが上がっていることを証明した反面、民を搾り取って軍備増強したことで民の反乱を招くなどゴタゴタ続き。うーん、現代で言えば、マーケティングが足りない、とどこかから声が飛んできそうです(笑)  ただ、何が正しくて、何が必要なのか。誰も教えてくれず、ただ自分たちで判断していくしかない現実。たった1人で、岳飛軍を背負った岳飛の苦悩は、もしかしたら‘創る’点に置いては、まだ荷が重かったのだろうか・・・    仲間達と手探りで作り上げた国の形。  その一方で ‘ありえない理想郷’が現実に存在しているこの状況。  最後には、楊令との会話にて、南宋に身を置くことを宣言した岳飛。見方によっては、国を創る重圧を背負い続ける決意をした楊令に比べ、見劣りしてしまう決断をした岳飛なのだけれど、それがかえって、新しい国の形の創設への道が険しいことを象徴しているかのようだった。  国を創ること、その過酷さを楊令と共有できるはずの岳飛が、受けとめられなくなり『体制』側に立つ悲しさ。  やはり、梁山泊は、誰からも熱望されながら、誰とも歩む道を敷けていない、それを感じてしまう場面でした。 その一方で梁山泊の理想郷ぶりが語られ、そしてそれが故の危うさが少しずつ顔を覗かせる・・・うーん、おっかない(怖)ちなみに影の主役は完顔成、退役した後のシーンは、涙が出そうになるくらい穏やかだった。 ◆‘理想郷’梁山泊  岳飛が、というか中華全体が、その存在を(ある意味)熱望し、(ある意味)不気味がっている梁山泊。  理想郷という一つの象徴が現実のものとなろうとしていて、さあ、ここからは、この理想郷を、残すための戦い。そして、周囲を梁山泊(理想郷)にするための戦いが始まる。  今巻では青蓮寺・李富の発想は、楊令と非常に良く似ていたことが、改めて判明(今までは明言されていなかったはず)武力よりも経済力・産業力・そして貿易に比重を置くところも似ているけれど、梁山泊を理想の国とすることで、周辺国が同じような豊かさを求めようとし、そして今の基準(領土拡大・武力による制圧・税の搾取など)を変えていってくれるということであり、最後に中心に立とうとする李富とはそこが異なる点、でしょうか。  後々、南宋が日本との貿易を行うなどの経済立国になっていくことを思うと、非常に興味深い展開にはなってきた。 ◆その他 ・蕭珪材散る。もう少し上手い生き方ができなかったものだろうか、と読むたび思うこの御方。ある意味、自分の形を決めてしまった楊令、という一つのifの印象が強いなあ。ともあれ、また一人楊業から続く楊家の人間がいなくなってしまった(涙)息子は商人とのことなので、いつか梁山泊と絡む機会があるのだろうか。。。 ・さりげなーく散ってしまった張敬。もう少し活躍して欲しかったなあ(水軍自体が出番少ないけど)

楊令伝 13 青冥の章
楊令伝 13 青冥の章
posted with amazlet at 10.10.30
北方 謙三 集英社 売り上げランキング: 6643

楊令伝 14 星歳の章楊令伝 15 天穹の章 ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogram投票ボタン ↑投票受付中です。