モーション・グリーン

読破本・特撮(仮面ライダー)・アニメを取り上げるブログです。

【2011年読破本171】武田信繁

武田信繁 (PHP文庫)
武田信繁 (PHP文庫) 小川 由秋

Amazonで詳しく見る by AZlink

 本書を読みながら、 「豊臣秀長」(堺屋太一著)を思い出した。

豊臣秀長―ある補佐役の生涯〈上〉 (文春文庫)

豊臣秀長―ある補佐役の生涯〈下〉 (文春文庫)

 NHK大河ドラマの原作本になったことのある名著である。兄・秀吉のような華やかさはないものの、堅実な切り口と、兄を立て続ける無私の精神は、「秀吉の功績に秀長の働きあり」として、現在まで高い評価を受け続けている。

 本書はその秀長を思いだたせるほど、本人よりも父信虎や兄信玄、甲斐国に関する描写がほとんどで信繁本人のエピソードが出てこない、にも関わらず信繁の人となりが柔らかく伝わってくる、という不思議な展開。果敢な兄信玄を支える姿は武や知謀よりも、和の人柄が窺い知れる内容となっている。

 終盤の家訓制作話しは、今の政治家に聞かせてやりたいくらいの名エピソード。大事なのは文字にして残すことではなく、人の心に宿り受け継がれていくこと。「伝える」ことの本質を学んだ気がした。川中島の戦いで武田家が負った最大の痛手は信繁を失ったことかもしれない。秀長を失った豊臣家同様、信繁を失った信玄は、膨張を続けながらも身内に火種を抱え、崩壊への道を歩んでいく・・・

 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


本・書籍 ブログランキングへ