モーション・グリーン

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岳飛伝 第三回(小説すばる 2012年2月号)感想

 いや~、若いってすばらしい!

小説すばる 2012年 02月号 [雑誌]
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◆躍動

 王貴・張朔の若手コンビの熱意に胸が熱くなる。梁山泊が抱える課題を、自分たちが考えて解決しようとする姿勢も、実際に現地に赴く一途さも、能動的でワクワクしてくる。

 実際は見えるモノを解決することで往年の梁山泊が蘇るのではないのだけど(呉用・李俊たちはそのことを感じている)、それぞれがそれぞれで動いていくことでのプラス波及はアリだと思う。むしろ首脳陣は思うようにやらせているのが、若手にはありがたくもあり、不安と不満を抱えていてもいたり・・・

◆見えない影

 若手とは裏腹に、金軍と激突した梁山泊メンバーは、それぞれが動くことで違和感を感じ続けていて、非常にぎこちないなあ。楊令という無敵の指揮官の指示になれすぎている、といったところだろうか。個々の判断はそれで一流なのだろうけど、全体の方向性や目的成就のための行動がもう一歩足りない(例えば、○○を打ち倒すために、全体の方向性を統一するとか、誰かに我慢させるとか)やるとすれば呼延稜か秦容なんだろうけど、二人ともその任だと思えていないからなあ。最後の最後にキレや鋭さが出てこない・・・

◆宿命の対決

 岳飛とウジュ。共に楊令によって体の一部を失った者どうしの、戦い。

 軍人として傑出しているだけではなく、どこか所属元と一体化していないスタンスも似てきている二人。

 南宋に所属していながら、南宋を己の国と定められない岳飛と、金国に所属していながら、軍人としてのポジションに集中し、目の前の岳飛との戦いに己を注ぎ込んでくるウジュ。最終的な決着はまだ先になりそうだけど、国同士の戦いが本格化しそうな時代の中で、個々の戦いで勝敗を決することのできる‘美しい’最後の時代になるのかもなあ。

 

◆その他

・楊令の遺児、あらわる。が、金軍へ入隊の予感。血涙の悲劇再び・・・

・子午山も終わりの予感。