モーション・グリーン

気がつけばブログ始めてから10年を突破!たぶんこれからも本の感想とか特撮(仮面ライダー)とか映画とかアニメとかドラマとか。

【読書感想】でれすけ (文芸書)。これは、きっとこの先の貴方の物語。

 

「残り時間は減っていく。しかしそれでも、過去のためではなく、将来のために生きている限り、人の時間が止まることはない。」

でれすけ (文芸書)

でれすけ (文芸書)

 

 名門・佐竹氏中興の祖・「鬼義重」こと佐竹義重生涯を描いた歴史小説。ただ、“隠居”直前から最期までを描く、という切り取り方が珍しい作品だ。

 

 著者は毎回驚きの題材を出してくる新進気鋭の作家・箕輪諒さん。

 最初、箕輪さんにしては、割とおとなしめだなあ(失礼)と思わせる出だし。

 豊臣秀吉の小田原征伐、秀吉の天下太平への道のり。統一へ大きく進む中で、佐竹はどう生きるべきか。息子・義宣に舵取りを任せつつも、どこか自分を持てあます義重。という位置関係で、中盤までは割とさくさく進む。

 が、中盤以降、とある女性の死から、一気に物語は動く。

 時代も秀吉の死から関ヶ原へ、悲壮な決意で佐竹を動かしていく義宣と、己の選択を迫られる義重。

 誇り・老い・恐怖・意地・・・様々なものがないまぜになるなか、本当の己と向かい合い、答えを出す義重の姿は、長く生きられる現代の私たちに、命の燃やし方を迫ってくる。

 私たちは、どこまで己と向き合い、吐き出し、答えを出しているのか?

 私たちは、いつ、何をやるのか?

 

 例え老いても、例え遅れていても、命がまだ燃えているのなら、その本質が見えているのなら、私たちこそ、歩み続けるべきだろう。

 目立たない表紙、あまりワクワクしない(笑)タイトル。だが、生きる事の本質を泥臭く問いかける、骨太の1冊だ。

 

 

でれすけ (文芸書)

でれすけ (文芸書)

 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 


読書感想ランキング