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【騙されてはいけない】読書感想:『「できる人」という幻想 4つの強迫観念を乗り越える』 (NHK出版新書)に隠された“劇薬”

若者を脅迫する社会、「できる人にならなくては」という幻想に、少しでもブレーキをかけることができたらと思っている。

 『はじめに』に書かれたこの一文に、この本の意義が詰まっている。

苦しんできた方々には、勇気が高まる1冊だろう。

 

でも、この本を読んで安心しちゃいけない。

 

幻想の先にあるのは、何にも守ってももらえない“自分”

 

“自分”は果たして社会に価値があるのか、存在できるのか。

根本的な、そして(もしかしたら)幻想に包まれた社会よりも厳しい現実が、目の前に現れる。

 

ごまかせないリアルに打ち砕かれるかもしれない。

そんな“劇薬”が配合された本であることを、貴方は気付いているだろうか?

 

「できる人」という幻想 4つの強迫観念を乗り越える (NHK出版新書)

 

本書自体は、日本社会が提唱している「あるべき姿」の実態を分析検証している。

正直、その結果は、衝撃を受けたなあ。

 

巷で言われている「今の日本」や「これからの日本」を、言葉だけで納得しちゃいけない。

 

「グローバル化」って、何のこと?

「起業」するって、そんなに偉いこと?

 

実は、言葉やイメージが先行していて、実態が言うほどではなかった、ということも紹介されている。

良く言えばこれからの日本に必要なこと、ってことなんだろうけど、もうすでに進んでいるよ、ということについての是非は、数値を見れば明らか。

 

目指せ、って空気に引っ張られ、勉強したり調べたりしていた自分たちは何だったのか?

そんな声が聞こえてきそうな内容だ。

 

実際、著者は『あとがき』で、若者のせいにしないで、中高年がもっと日本を引っ張っていくことを強く主張している。

(「若者への説教離れ」という表現は、個人的に結構好きだ)

 

「できる人」という幻想 4つの強迫観念を乗り越える (NHK出版新書)

 

 

実態が色々書かれている本書だが、やる気を無くしてもいけない。

社会のメッセージとその実態が見えた今、その空気に従う必要はないのだ。

むしろ、未だ定まっていないのだから、自分はどうするか見つめ直すきっかけにしなければ。

 

そんな内なるエネルギーが湧く1冊だ。

 

 

 

と言いたいところだが

 

実は

隠されているのは「じゃあ、君はどうする?」という一番厳しいメッセージではないか、というのが読み終えた感想。

この本、結構スパルタだ。

 

 

一見すると、若者を無根拠の内容で持ち上げている中高年への強烈な批判で、本書は幕を閉じている。

 

でも、(ある意味)擁護された若者は、どうしたら良いのだろうか?

部分部分でその解答になりそうな言葉は挟まれているが、それほど響く内容はなかった。

「自分で考えろ」くらいの突き放しすら感じさせる。

 

中高年はあてにならない(極端な言い方になるが)

社会のメッセージも怪しい

 

じゃあ、そんな中で自分は何をして生きていく?

 

いや、そもそも、自分は何ができるのか?何がしたいのか?

教えてくれそうな“他者”は、どこにいる?

 

 

丸裸にされた若者の行く先に、日本の将来がかかっているのかもしれない。

 

 

 

「できる人」という幻想 4つの強迫観念を乗り越える (NHK出版新書)

「できる人」という幻想 4つの強迫観念を乗り越える (NHK出版新書)

 

 

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