モーション・グリーン

ブログ開設13年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。400冊読破を目指して今日も読んでます。

【旧き誓いを守れないことだけが、わずかな心残りではあるけれど】読書感想:『虎の牙』

 

虎の牙

 

 

この切なさとやるせなさを、どう昇華したらいいんだろう。

 

自然と文明は交わりあえない、と言うことなのか。

変わっていくことが幸せとは言えないということなのか。

 

山の民たる“信友”が愛する兄のために、友たる虎胤はその牙となるためにその生涯を捧げた物語。

 

自然と人知のハイブリットという希有な存在として、兄のために力を注ぐ“信友”の前にたちはだかるのが、北条氏綱というのが渋い。

しかも、人界の象徴として。

願っても届かない壁として。

(しかも憎めないんだよなあ。腹立つほど)

 

武田信玄の父の時代という馴染みのない時代

山の民、人界の穢れに対する不気味さ

随所で盛り込まれる、覆ることのない運命への予言

 

物語序盤で言い渡されていた結末を、自らの命であがなう主人公。

なんとも理不尽な裁定が胸を突く。

 

演劇の神髄は観客の心をさび付かせることだ、という話があったが、この作品はさびをつけて去っていった。

 

絶対読んで欲しい作品。

だけど、軽い気持ちで読んで欲しくない。

 

なんだか不思議な気分なんだよなあ。

 

 

虎の牙

虎の牙

 
虎の牙

虎の牙

 

 

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