モーション・グリーン

ブログ開設13年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。400冊読破を目指して今日も読んでます。

〈「勝」と呼ばれたくて〉読書感想:『信長さまはもういない』

 

信長さまはもういない

 

誰かの言うとおり行動して、結果が出たら楽だよなあ。

 

それって、生きているって言えるのか、という声が聞こえてきそうだけど、じゃあ、相手が自分の言うとおりに動いてくれたら楽だ、って思いません?

 

そう思った方、それって、相手を生かしてない、ってことになるの、わかってる?

 

群雄割拠の戦国時代

合理的判断と絶対的権力で天下取りまで、あと一歩と迫った織田信長。

最後は、その“言うことを聞くと思っていた”明智光秀に殺されるとは、思わなかったのだろう。

 

が、その一方で、信長は“その人らしさ”を求めていた、という見方をする人がいる。

実際、信長の人材活用術は、(その人のヤル気を前提にして)特性を活かした配置がなされていることは、史実を見ると決して外れてはいない。

 

失敗してもいい。挽回すれば。

大事なのは、自分らしく行動すること。

 

人間としての“本来の”生き様があるがゆえに、事業も思いも受け継がれていく。

その人が輝くこと、それを、信長は望んでいた、のかもしれない。

少なくても、本作 信長さまはもういないを読むと、そんな気がしてくる。

 

 

本作の主人公・池田恒興は、敬愛する主君・織田信長に全てを委ねている困ったちゃん(笑)

本能寺の変後、困ったら信長の言語録(通称:信長秘伝帳)にお伺いをたてて、書かれているものの中から、良さげな言葉の通りに、自分の行動を決めてしまう。

なんともヒドいバカ殿様(爆)

 

しかも、その決断が目の前の状況をなーんとなく解決してくれる(苦笑)

それが歴史動かすことにつながっていく。

イイ風に解釈するみんな、いい加減。

 

終始どーしよーもない中年武将のあたふたに呆れるやら笑えるやら。

 

しかし、時代が動き、恒興の前の人たちはそれぞれの思惑でどんどん動き出す。

 

大義のため、己が決めたことのために苦悩する秀吉や小六。

ツキがある(と思われている)恒興についていこうとする婿殿や息子達。

自分が積み重ねてきた武術を越えようとする、若き武将たち。

 

どんどんわからないことが増えていく。

信長さまに何度もお伺いをたててしまう。

でも、脳裏に浮かぶ我が主君は、かつての「勝」ではなく、「池田」としか呼んでくれない。

 

恒興の悩みは、秀吉VS家康 「小牧・長久手の戦い」で頂点へ。

 

奇策・中入りに隠された恒興・小六の真意とは?

そして、強敵・家康と対峙した恒興によぎる、信長の本当のメッセージとは?

 

この作品、ライトノベルっぽい軽さが、もしかしたら受け付けない方もいるかもしれないが、取り上げられている出来事については、一次史料などである程度史実として認知されているものばかり。

見方を変えれば、その史実の中で遊びまくれる谷津さんのストーリーテリングはすばらしく、そして見えないところでの人物理解が深い。

 

さすがに小牧長久手の戦いの「中入り」裏幕については、史実にあわせすぎた感があって、展開にリアリティ感じきれなかったけど、歴史の楽しみを存分に堪能できる。

 

信長は、誰よりも自分を見てくれていた。きっと恒興は、うれしかっただろうなあ。

 

信長さまはもういない

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信長さまはもういない

信長さまはもういない

 

 

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