モーション・グリーン

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〈転落と再生の物語〉読書感想:『誉れの赤』 (講談社文庫)

 

誉れの赤 (講談社文庫)

 

文庫版再び。

やっぱり名作だ。

 

 

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戦国時代、最強を唱われた武田家の中でもエリート集団だった「赤備え」

その武田家が滅んだことで味わった、徳川家での屈辱的な扱い。

 

だが、命を賭して示し続けた「赤」の系譜は、転落のその先に、再び輝きを取り戻す。

本書は、まさに「赤備え」の再生と復活の物語。

 

異なる思いを抱き、異なる先を夢見ながら「赤備えに配属された主人公二人。

環境が変わるにつれて、心情や行動、関係性が少しずつ変わっていき、最後は道を別つことに。

だが、お互いを思いやりながら、どこかに折り合うところを探していく日々がもどかしいほどに初々しく熱い。

 

最終的に別れる二人だが、全くマイナス要素として描かれていない。

むしろ、きちんと自分と恩師の思いを受け止めて、自分の道を決めていく。

道の先でも「赤備え」の日々は心の中に生きていて、逆境に屈しないその力強さで、道を切り開いていく。その姿こそ、実はこの作品の真骨頂だと、再読して思う。

 

そして、人は何を持って生きればいいのか、という根源的なところをこの作品は突きつけてくる。

 

ひととき墜ちていっても、そのまま堕ち続けることなく、夢を抱き続けること。

例え道を外れたとしても、決して無駄にならない過去の積み重ね。

 

そして、その先人と自分が歩み続けたその先に、“誉れ”の時はやってくる。

まさしく誉れとなったラストシーン。

褒められるべき人は、その場にはいなかったけれど、使い古された赤茶色の甲冑は、家康の目にきちんと留まったのだから。

 

誉れの赤

そのタイトルの本当の意味へ。

 

読んだ後、じわじわくるその感触を、是非味わって欲しい。

 

 

誉れの赤 (講談社文庫)

誉れの赤 (講談社文庫)

 
誉れの赤 (講談社文庫)

誉れの赤 (講談社文庫)

 

 

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