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ブログ開設13年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。400冊読破を目指して今日も読んでます。

〈どんなに堅牢でも、破られれば意味が無い〉読書感想:『塞王の楯 第二回』(小説すばる 2019年 9月号 [雑誌])

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

 

 

一つのことを極めなければいけない職人の世界。

でも、知っておかなくちゃいけないこともある。

 

その道の頂点にたつ(跡を継ぐ)ということの難しさと厳しさ。

それを理屈じゃなく、走ることで感じ取るなんて、男臭い展開だ(笑)

 

匡介が石と共に走り続けることで得られた"つながり"。

一緒に何かを成し遂げたからこそ話し合える本音。

今の仕事にも通じるなあ。

 

匡介が河原で石を積み上げる回想。

いかにも石垣を組み上げる職人ならではの光景だけど、匡介の心の内を顕在化した、すてきなシーン。

 

「塞王になってみせる!」は、よくぞ入れてくれました、と言いたい(笑)

 

それにしても石垣作りの行程や作業に関する描写が詳細で臨場感がある。

常に一級のクオリティを提供し続けてきたおかげで、天下が平定した後も仕事が絶えない、という説明には、納得の一言。

 

そして、「人が造ったものは、人の力で必ず崩せる」という現実が、匡介の過去をくすぐる。

絶対に落ちない城=石垣作りが、今のところ彼の心を前向きにしているけど、「人」というファクターで故郷を、家族を失っているもんなあ。

 

匡介の内に秘めた黒さはまだ消えていないだけに、出来事一つでどう転ぶか、まだ見えない。

 

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

 

 

八本目の槍

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