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〈父を見ておけ。その眼に、刻みつけておけ〉読書感想:『水滸伝 5 玄武の章』 (集英社文庫 き 3-48)

水滸伝 五 玄武の章 (集英社文庫)

 

 

最後まで計画通りにいくことなど、そうそうあるものではない。

 

万余の兵との戦いから生還できた幸運。

片腕を犠牲にしたことで生き延びることができた幸運。

 

いや、そもそも宋という大国相手に抗えることを証明し続ける梁山泊という存在が、この時代の人々にとって幸運なのだろう。

そしてそれは、運という言葉で片付けちゃいけない緻密な計画によって成り立っている。

幸運は、ただ、その進行を後押ししているだけ。

 

宋江と出会えたことで目覚める異能と、心の焰。

宋地方軍を相手に穆弘・李俊らが大奮戦。そして致死軍・林沖騎馬隊の大活躍。

国は腐っていても、人は腐っていないことを、彼らは証明する。

 

順調に進み、このままいけるのではないか、という甘美な思いは、楊志暗殺という衝撃によって壊される。

 

やはり、そう簡単には進まない。

 

呼応して二竜山が、桃花山が包囲され、想いをつなぎながら漢たちが散っていく。

楊志の生き様が楊令に引き継がれ、石秀や周通の輝きが次の漢たちを生み出していく。 そう思える希望がありながら、こういう光景がこれからも続くのだ、という覚悟を読者は持たなきゃいけないんだよなあ。

 

風が、頬を打つ。

 

二竜山から撤退する李富が感じたこの感覚。

敵方ではあるが、何となく自分も同じような温度を感じたような気がした。

 

水滸伝 五 玄武の章 (集英社文庫)

水滸伝 五 玄武の章 (集英社文庫)

 

 

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