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〈始めたなら、終わらせろ〉読書感想:『三木城合戦記 餓鬼と修羅 第6回』(小説すばる 2019年 9月号 [雑誌])

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

 

 

戦国時代、数多ある籠城戦の中でも特に凄惨なものとして取り上げられる三木城攻防戦。

秀吉による、犠牲の少ない戦い方として、一時は勝算の声すら上がっていたこの戦いも、最近では籠城側からの視点も意識されるようになり、その地獄絵図が、完全包囲の残酷さを物語る。

著者・天野さんが陰惨な雰囲気をなるべく出し過ぎないよう気を遣ったであろうこの作品。

それでも、籠城終盤ともなると、越えてはいけない一線のその先へ、光景は行き着いてしまう。

 

血の涙を流しながらも、生きるため、人の肉を喰らって生き延びるという選択。

飛び越えてしまったとき、加代の目にみえたものは何だったのだろう。

 

身分や勝敗や支配層の言い訳なんかどうでもいい。

もっと大きな(悲痛な)叫びがこだまする。

 

始めたなら、終わらせろ

 

民が領主に突きつけた三行半。

負け戦がみえたとき、民を守る領主が取れる責任って、これくらいしかないのだから。

 

最期を自覚したから、いや、最期と定めたからこそ、生き延びようとする者たち。

その想いは酬われるのだろうか。

 

短編集形式で描かれたこの作品、結末まであと二回。

ここまで来たら主要キャラには生き延びて欲しいのだけど、生き延びてもそれはそれで地獄が待っているんだよなあ。

 

読みたいような、読みたくないような・・・

 

 

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

小説すばる 2019年 09 月号 [雑誌]

 

 

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