「センゴク」シリーズ
民を導くことは出来ん 一歩ずつ成長を見守るしかねェ 天下分け目の山崎の合戦、完結編。 織田信長亡き後の世界を民の意志に委ねる。 ここだけきくと非常に違和感の残る方向性だけど、『天下布武』は武士だけではなく民衆をも巻き込んだ社会改革だった。 それ…
ここまで山崎の合戦及び山崎の街にフォーカスした作品があっただろうか、と今さらながら瞠目の第六巻。 秀吉と光秀 信長の跡を巡る戦いでもあり、次の天下を握る者を決める戦いでもあるのだけど、より大きなテーマが背景に現れてきた。 民の意識変革の是非で…
本能寺の変は間違いなく光秀の単独犯。 だけど、それを受け入れてしまうだけの恐怖が信長にはあり、いなくなったからこそ、重荷から解き放たれ、理解と嫉妬を光秀に向けてしまう・・・ 信長暗殺の黒幕が秀吉、という説に灰色対応するこの作品。 そう見られて…
センゴク版・本能寺の変。ついに・・・ これまで漠然と(映像などで)イメージしていた本能寺の構図。 研究と発見から割り出されたものから浮かび上がったのは、平城に近い、堅固で広大な防御施設。 それに対する明智軍の動きは、兵力を用いた力業ではなく、…
センゴク版光秀創世の巻。 どう光秀を描くのか、と思ったらまさかの求道者設定。 確かに史料要素以外で分析すれば、狂気と理性が常人以上のレベルで同居してる、って思わなきゃ、信長について行けない。 本能寺の変を成功させられる才覚とその後の段取り不足…
前半の信長の構想語り 後半の秀吉の毛利&信長対策 どちらも、ここまでのセンゴクシリーズ読んできた身からすると、一つの総まとめとして、非常に読み応えあった。 信長の方がきちんと現象分析が明確で壮大だけど理解者は少ない。 秀吉はボトムアップ&チー…
ついに第三部へ。 どうやら群雄割拠の時代から統一へ向かう中でのセンゴクの活躍を描く、という流れらしい。 前作から言われている 「仙石秀久という、大失敗(挫折)からの奇説の復活劇を成し遂げた男の一生」 の、大失敗(挫折)の前に、ようやく進んだ、…
多数の勢力が入り乱れた戦国が終わろうとしている。 雑賀が選び、そして武田が滅ぶ。 信長の天下が、目前となってきた。 よくよく考えてみると、(浅井や朝倉という先例はあるが)明確に大名が滅んだのは初か。 天正記最終巻ということもあるだろうけど、“大…
「かの山県昌景を撃ったのは誰ですか?その者は出世しましたか?」 時代の変化を見せつけられる三成のセリフから、幕を上げる14巻。 “信”を根幹に置きながら、全てを背負ったが故にやってしまった吉川経家。 欲を否定せず、欲に左右されながらも、どこかでき…
いよいよ対毛利戦。 そしてここにきて毛利家創世編やるとは! 「・・・よいのです」で全てをのみ込む元就が怖すぎる。 後年の大謀略家はこういう風にして抗わずエネルギーを溜め続けていたのか・・・ この作品は(最終的な)敗者であろうときっちりとした描写を…
本当の勝者は誰か。 この12巻を読むと、その問いを突きつけられた気がする。 センゴクに自らの領土安寧を委ねた井上 苦しき中で仁義を貫いた別所長治 そして、シンプルな視点で退去という決断を下す顕如。 結果としてはどれも織田の勝ち。 軍門に降る、死ぬ…
竹中半兵衛逝く。 数巻前に、信長が望む世界をきっちり看破し、実現に力を注ぐ一面が意外だったけど、今巻で氷解。 信長の理想に、この乱世の終着の可能性を見出していたんだな。 しかも、相当早い時期に。 張良のような戦略に長けた軍師と、戦術に長けた軍…
荒木村重謀反。 おそらく、織田家にとっては最大の衝撃だったに違いない。 下手をすれば、羽柴軍と明智軍は本願寺・荒木・毛利に包囲され、消滅していたかもしれないのだから。 それだけの位置とタイミングで村重は反旗を翻した。 小説などで語られる村重小…
手取川の合戦完結。 通説で言われている秀吉ー勝家の関係図を一掃する、深掘りと愛着を感じる構成だった。 思い起こせば、勝家は初期から登場していて、センゴクにとってもゆかりの深い人だもんなあ。後年の賤ヶ岳が段々怖くなってきたよ・・・ そして舞台は…
苦しいときこそ、前へ! 戦略は織田が上 でも、 戦術なら軍神・上杉謙信が上 という状況で始まった手取川の戦い。 結局、織田のもくろみは崩れ、謙信の思惑通りに動かされた織田軍は、上杉の猛攻と川の増水に阻まれ、絶対絶命の危機に。 通説で言われている…
上杉謙信の顔が未だに慣れない(涙) ただ、このおっかない軍神の本格的な出番は次巻以降。 本巻の内容は、 雑賀VS織田 センゴクVS妙算 そして 下克上VS非統一主義という、大きな要素を示唆した戦いへ。 織田軍団が史実上、唯一制圧できなかった雑賀。…
瓦解を怖れるより先に 未知なる夢を欲し 度重なる失敗に心折れかけても それでも猶 挽回を期す者 共に進まんっ 雑貨衆との攻防 センゴク嫡子誕生 いろいろあったはずなのに、この言葉が頭から離れない 「未だ、下克上である」 このセリフに、織田信長の本質…
馬場美濃を初めとした、渋い方々の壮絶な死が描かれた前半 センゴク嫁取りのすったもんだが描かれた後半 なんだかものすごいアップダウンの1冊になっているが、常に死闘・殺し合いってなるほど、今の織田家は貧乏暇無し、ということではないはずなので、こ…
新説・長篠合戦。 「織田徳川連合軍が、鉄砲で武田軍団を壊滅させた」 こんな簡潔な文章で終わらせられない修羅場が、全編を通じて広がっていた。 信長が見せた冷酷さ、 数多の命と引き替えに得るべき勝利が見えた、だからこその決断。 戦国時代、織田信長が…
前作もそうだったけど、表紙・光秀怖すぎる。 作品読まなきゃラスボスだと思うわ(まあ、今後を考えると遠からずなんだけど) 本編は新説・長篠の戦いへ。 新説自体はそれほど目新しくはないものの、勝頼の“神・信玄化”は従来の勝頼と武田軍団に対するイメージ…
センゴクの軍作りがいよいよスタート。 身一つで働いているセンゴクが、いかにして組織を作っていくか。 前作のような派手で迫力のある絵ではないけれど、プレイヤーがマネジャーになるのは世の常。時代が変わっても、立ちはだかる要素は同じだなあ。 まあ、…
いよいよ第二章開幕。 が、 第一章から読んでいる読者からすると拍子抜けかも? まだ駆け出しの武芸者・センゴク 泥臭い、小さな集団・木下軍。 信長という稀代の英傑を主君にもったこの妙な?集団が、苦しみ、悲しみ、喜び、高めあって、戦国時代を走ってい…
第一部、堂々の完結。 センゴクたちだけじゃなく、秀吉も覚悟を決める。 その姿が、言葉では表現できない重みを感じさせる。こうやってみんな一つずつ強く大きくなるんだなあ。 まさに登りゆく木下隊と、最期の最期に輝いて散っていく浅井家が同じように生き…
「生きようや」 「いつでも いつまでも 明るい生きれ」 「大丈夫 みんなが見守ってくれとる」 「帰って来い!センゴク」 もはや言葉はいらない。 生きて生きて、生ききった、と思ったその先に、自分だけの命じゃないことに気付いた。 センゴクが死と生との狭…
朝倉滅亡。 まあ、前巻で実質滅んでいたけど。 それでも、朝倉と斎藤の想いを託された最後の魂・鳥居との決着をきちんと終えなければ、信長にとってもセンゴクにとっても終わりとは言えなかった。 鳥居の騎士道話しは、この作品の中で「あ、ちょっと寄せたな…
朝倉殲滅戦 やってくれると思っていたらここまで細かく、ドラマティックに描いてくれるとは! 通説ではこのあとの長篠の合戦に焦点が集まり、 浅井朝倉を滅ぼした、 くらいしか記載されないことが多い。 しかし 第2次朝倉攻め(今巻の内容)は桶狭間の戦いと…
信長包囲網が生み出した、最大の危機。 追い詰められたかに見えた信長。 あの三方ヶ原の戦いを経て、信玄との“見えない”戦いを経て、彼は大きく広くなった。 普通であれば信玄死す、で終わるところを、信玄が墜ちるまでの短い期間を濃厚に描くこの作品は、こ…
新説・三方ヶ原の合戦。 次から次へとエース級が出てくる武田軍。 歴史知らない読者でも、「なんかすごそう」が感じ取れる書き方は流石だなあ。 そして、通説とは異なるとはいえ、完全に手玉にとられる徳川軍。 上空から、足元から、様々な視点を駆使して、…
脱走した罪で秀吉軍を離れることになったセンゴク。 そして、行った先が佐久間隊! 著者の粋な構成のおかげで、物語は三方ヶ原合戦編へ。 センゴク、戦国最強の神算・武田信玄に挑むことに・・・ 三方ヶ原の戦い これも通説はいろいろ謎(疑問)が多い。 家康…
比叡山焼き討ち編、完結。 鳥居が思わぬ形で物語に存在感を出してきた。 美形の優等生から一転して、狂気の漢へ。 こりゃ、今後の浅井浅倉側の主役級キャラに躍り出るなあ。 そして、鳥居のおかげで(涙)ゴンベエ・お蝶・お鹿の運命はあらぬ形へ。 正直ここで…