モーション・グリーン

ブログ開設14年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。

歴史(日本史)

読書感想:『塞王の楯』第十四回(小説すばる 2020年 10月号 [雑誌]) 〜西国無双・立花宗茂登場!矛と楯の未来を決める戦いが始まる〜

大津城攻城戦、ついに開始。 今回は矛側・彦九郎の視点で、伏見城の戦いを振り返り。 当初は(そもそも)攻め手の意欲が薄く、また、塞王の巧みな防御術で一向に堕ちる気配のなかった伏見城。攻め手の都合や苦悩が垣間見えた。 最終的には内部からの裏切りで…

読書感想:『[新釈]講孟余話 吉田松陰、かく語りき』 〜今こそ振り切るとき。松蔭に学ぶ信念の育て方〜

幕末日本の若者に大きな影響を与えた吉田松陰。 その狂気すら感じさせる行動力や極端な思考、そしてまっすぐすぎる心根は、今なお多くの人を惹きつける。 そして、彼が育てた弟子の中から、多くの志士が生まれ、多くの総理大臣が生まれた。 教育者として、松…

読書感想:『布武の果て』第六回(小説すばる 2020年 9月号 [雑誌]) 〜信長の躍進と堺衆の暗躍、その陰で蠢く三河の遠謀〜

来ても対応できるだろう、という見込みはあった。 だが、足利義昭ら信長包囲網側からすると、信玄の死はやはり大きかった。 信長はすかさず足利義昭討伐へ動き出す。 そして今井たち堺衆もこの期を逃さず、荒木村重を突き動かし、信長へ帰順させる。 そもそ…

読書感想:『塞王の楯』第十三回(小説すばる 2020年 9月号 [雑誌]) 〜大津再び!穴太衆、西国無双から城を守れ〜

塞王の死、という衝撃と伏見城陥落。 匡介たちの悲しみをよそに、西軍は一気に近畿一帯を制圧していき、舞台は岐阜や尾張、伊勢に移っていく。 もう、出番はないのか。 源斎が体を張って得た情報を活かせる場は、ないのか。 依頼がないと動けない。 苛立つ穴…

読書感想:『豪快茶人伝 下巻』 (大活字本シリーズ)〜こだわりが繋いだ茶の道。現代に続く茶の湯物語〜

※本書は文庫版の大活字本verを読んだ感想です。 内容は文庫版と同じなので、文庫本表紙も一緒にあげておきます。 茶の湯を繋いだ人たちの物語。 後編は江戸時代以降の茶人を追っていく。 パトロンが付いたことで、茶の湯は幕府御用達の流派だけではなく地方…

読書感想:『愚か者の城』〜行き方を知らない天下人への道。秀吉、生まれ変わる〜

令和の秀吉像を作り出した矢野隆さんの傑作『大ぼら吹きの城』の続編。 www.motiongreen.net 今作は"天下人"という目指すべき姿を見出したものの、現実や未熟な自分とのギャップに苦しむ秀吉が描かれる。 お市の方に惚れてしまい、おねにバレて家庭は不穏な…

読書感想:『滅亡から読みとく日本史』 (KAWADE夢文庫) 〜定説と最新説 見比べて学ぶ滅びの原因〜

日本史の中で滅んでいった数々の家。 もちろん必然ともいえる流れや出来事が原因だったところもあるが、偶然や悲運に見舞われたところも結構ある。 勝者の歴史はとかく必然性を前提にした論建てになりがちなので、その視点一択ではなく、より色々な情報や視…

読書感想:『はぐれ鴉』第四回(小説すばる 2020年 8月号 [雑誌]) 〜思いの炎が消えていく。彷徨いの才次郎、始めたのが疑似恋愛?〜

ようやく仇敵と再会した才次郎。 ところが現れた"はぐれ鴉"は彼の憎悪を掻き立てる存在ではなかった。 (只者ではなさそうだけど) 作品スタートから奇妙な雰囲気に包まれている竹田藩。 その雰囲気に溶け込むかのように、彼は存在感を消していた。 この爺さ…

読書感想:『空海の風景〈上〉』 (中公文庫) ~イノベーター・空海とは何者だったのか?空海を探る司馬さんの脳内追体験~

平安時代初期。 日本の宗教史において(日本史そのものにおいて)得がたき二人のリーダーが現れた。 厳しい修行と懐深き学びの場をつくることで日本宗教界の母なる地を生みだした最澄 人智を越えたその明晰さと異次元の発想であらゆる事項のイノベーターとな…

読書感想:『戦国武将の叡智-人事・教養・リーダーシップ』 (中公新書 (2593)) ~今さらだが戦国時代はおもしろい! 温故知新のエピソード~

『麒麟がくる』時代考証・小和田先生の新作。 なんと御本人は最近youtubeチャンネルを開設し、週3前後とかなり精力的に更新。 この本もそこで紹介されていたので、思わず購入。 動画の力はスゴイわ(笑) youtu.be 本書はタイトル通り、戦国時代に生きた人々…

読書感想:『戦国武将の精神分析』 (宝島社新書) ~歴史研究の新しいアプローチ 歴史×脳科学!~

人間はウソをつく。 それは昔も今もおそらく変わらない。 今ですら、事実(真実)が正確に記録されておらず、問題になるケースがあるのだから、歴史上の書状や日記、書籍や記録の信憑性は根本的な所で担保されているとは言えないのだ。 しかも、それらの史料…

読書感想:『30ポイントで読み解く 吉田松陰『留魂録』』 (PHP文庫) ~受け継がれた狂気と熱狂 松蔭魂の叫びを知る1冊~

幕末長州の火付け役・吉田松陰。 彼は高杉晋作・久坂玄瑞ら多くの弟子を育てた教育者として名前が挙がることが多いが、思想家であり、行動の人であり、読書家でもあった。 そして何より彼が残した膨大な著書こそが、僕たちが吉田松陰という人物を知る大きな…

読書感想:『信長が見た戦国京都 ~城塞に囲まれた異貌の都』 (歴史新書y) ~応仁の乱から進まない京都 信長上洛によって起きた変化と対立~

桶狭間前年、信長が訪れた京都は戦火で規模を縮小した、衰亡の都だった。 応仁の乱から政争の渦中にあった京都。 どんな時を経て、信長にその姿を見せていたのか。 本書によると、実は僕たちが知る京都の枠組みは秀吉(豊臣政権)以降に出来たもので、それ以…

読書感想:『黒田官兵衛』 (平凡社新書)~才覚鬼謀は平坦では成らず。苦労と苦難の先にあった黒田家飛躍~

ちょいと調べたいことがあって再びこの本を手に取る。 で、この際だからと再読してしまった(苦笑) 改めて読むと、疑わしきところにはコメントを挟んだり、関ヶ原時の官兵衛(如水)野望説に否定的だったり、と、初読時じゃ気付かなかった小和田解釈の数々、結…

《2020年に絶対読んで欲しい1冊》読書感想:『言の葉は、残りて』~貴方はいつ、どこへその言葉を届けますか?~

もし、夢が現世で叶わないとわかったら、貴方はどうしますか? 貴方の願いが誰からも望まれていないとしたら、何をもって生きようと思いますか? これは、武力でも権力でもなく、“言の葉”でこの息苦しい世界へ抗おうとする若き将軍の物語。 遠く都から鎌倉へ…

〈無用の長物と化した城の行方〉読書感想:『天守台に観覧車が!? 城郭が野球場に!? 『その後』の廃城』 (じっぴコンパクト新書)

財政赤字で“城主になれる券”を販売する自治体。 自身の財産で城を復元する方が現れる。 周辺工事のために、天守閣を住民の手で移動させる取り組み。 何かと話題になるお城。 今では地域のシンボルや観光スポットとして欠かせない存在になりつつある。 が、つ…

〈世界を変えた愛されし“捨て子〉読書感想:『将軍の子』

江戸幕府を武断→文治へと変えた名宰相・保科正之。 その誕生から成長・円熟の日々に関わった人たちによる連作短編集。 保科正之と言えば、将軍・秀忠の隠し子、次代将軍・家光の異母兄弟という非常に特殊なポジション。 その生誕、成長、そして出世に至るま…

【これぞ新時代の秀吉像】読書感想:『大ぼら吹きの城』

秀吉題材の小説久しぶりに読んだ気がする。 しかも舞台が(史実ではないとされている)墨俣一夜城となれば、著者はなぜここに設定したのか、明確な意思があるはず。 そう思い、手にとった。 最近は偉人ランキングでも10位以下にいることの多い秀吉。 独創性…

【新しい歴史解釈の扉が開くかも】読書感想:『戦国武将の精神分析』 (宝島社新書)

歴史に名を残した人物、あの事件を起こした人物のことを脳科学視点から解読しようという対談集。 あとがきで本郷さんが語ったように、史料解読以外のアプローチで歴史の解明に迫る試み、信憑性はともかく、無視できない流れを感じる。 で、読んで見ると、歴…

2018年3月読んだ本ベスト & 1~3月読んだ本ベスト10

◆2018年3月読んだ本ベスト 3月は歴史小説たくさん読もうかな、と(密かに)思い読んでいたせいか、 いつも以上に歴史小説(そしてマンガ)の割合が多いな(汗) さあ、そんな中で、3月読んだ本ベストは 運は操れる (望みどおりの人生を実現する最強の法則) です! …

【大河ドラマ】西郷どん 1話「薩摩のやっせんぼ」大河ドラマ史上屈指の映像美が織りなす泥臭い物語(笑)

始まりました! 西郷どん1話。子役の上手さも手伝って、爽やかなスタートになった。立体的なカメラワークや、早送りを使ったコミカルシーン、重要な所は地元・鹿児島でのロケなどなど、今作もここ2年の大河ドラマ変革の流れを汲んだ演出が光ってた。 #西郷…

【2016年読破本9】『戦国武将の実力 - 111人の通信簿』 (中公新書 2343)

戦国武将を数字で評価するーーー ファンが集えば、一度はこの話題になるのではないかだろうか。 注目しながら、どこかで恐れ、どこか期待する。 自分の推し武将は何点か。 この人は誰をトップにしたのか。 (なぜか点数の付け方とトップの人選は、もめること…

【2013年読破本266】黒田官兵衛: 智謀の戦国軍師 (平凡社新書)

小和田先生による官兵衛の生涯に関する解説本。 普通なら単行本や学術本で読めるような内容。 それが新書で(しかも比較的薄めで)読めること自体がすごい!改めてすごい時代になったと思う。 内容に関しては総覧的要素が強く、良く言えば手堅く安定、悪く言え…

【2011年読破本186】江の生涯―徳川将軍家御台所の役割

徳川二代将軍の妻・江に関する研究本。 二度の結婚・死別と別れ、三度目の結婚は姉さん女房、などなどエピソードに事欠かない江だが、意外に史料上では、謎の部分が多いらしい。 本人直筆の書状が(この時点で)一通しか見つかっていない、というのは特に驚い…