モーション・グリーン

ブログ開設14年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。

読書感想

2020年3月読んだ本のまとめ。~こんなときこそ、讃える歌を聴きながら読みますよ~

まあ、滅入る。 気がつけば、「長期戦」なんて言葉が当たり前のように使われるようになった。 日本人にとって盛り上がること間違い無しの2020年だったはずなのに 別の次元に来てしまったかのような、そんな光景が連日テレビで流れる。 ほそぼそと、でもした…

読書感想:『じんかん』(小説現代 2020年 4月号 [雑誌]) ~これぞ次代への挑戦状!松永弾正久秀を描いた傑作現る!~

5月に単行本として発売される作品が小説現代でまるまる掲載。 表紙にもどばーーーんと掲載されており、今号の目玉なことは間違いない。 題材は松永久秀 しかも描くのは今村翔吾さん 『戦国の教科書』でも久秀を描いており、その時点で松永久秀のスタンダード…

読書感想:『波紋』(小説現代 2020年 4月号 [雑誌]) ~夢を断った一太刀 中村半次郎“唯一”の人斬り~

史料上、実は一人しか人を斬っていない“人斬り”半次郎。 その唯一の存在・赤松小三郎暗殺を描いた短編。 “信濃の龍馬”と称された小三郎。 その開明的な知見は、龍馬より早く民主主義・大政奉還を提示したと言われている。 そんな幻の英雄のまっすぐな姿と、…

読書感想:『千年の松』(小説現代 2020年 4月号 [雑誌]) ~決断に必要なのは、感性か理性か。細川幽斎運命の一瞬~

本能寺の変前後、理性と感性との間で揺れ動く細川幽斎を描いた短編。 細川幽斎(藤孝)と言えば、戦国時代の中でも一級の文化人でありながら、数々の武勇伝が伝わる、著名な戦国武将。 まさに二物を与えられた漢だ。 彼の目の前に現れた“自分が滅ぼした名家”…

読書感想:『桔梗の旗 明智光秀と光慶』~本能寺の変に隠された光秀の願い、凡なる息子が決めた結末~

本能寺の変を光秀の子・光慶を主軸に描いた異色の歴史小説。 前半は光慶視点。後半は光秀視点で物語序盤へ巻戻り、もう一回同事件を追体験することで、二人のすれ違いと事件の真相が明らかになっていく。 全てが判ったとき、光慶が下した決断とは・・・ 四国…

読書感想:『はぐれ鴉 第一回』(小説すばる 2020年 4月号 [雑誌]) ~願うは敵討ち!青年剣客、故郷に帰る~

赤神さんの新作が連載開始! 舞台は江戸時代初期の竹田藩(大分県) 物語はミステリーとサスペンスが入り交じる青年剣客の復讐物語(今のところは) 序盤こそ一家惨殺という衝撃光景から幕を上げる緊張感満載のトラウマ展開。 しかし本編始まってみると竹田…

読書感想:『剛心 第六回』(小説すばる 2020年 4月号 [雑誌]) ~何もかもが足りません?! 広島への議事堂建設最前線~

前回に引き続き、広島に議事堂を作る悲喜こもごも回。 納期も予算も材料も人材もとにかく全てが枯渇していて、しかも急ぎと催促しながら予算承認に時間がかかり、縦割り行政で頼んだことに対してはノロノロ対応。 投げ出してもおかしくない状況の中、一人泰…

読書感想:『塞王の楯 第九回』(小説すばる 2020年 4月号 [雑誌]) ~大津城改修大詰めへ。その『先』を見据えて“絶対の楯”が生まれる~

水城・大津城の改修は大一番へ。 相変わらず城主と奥様が視察するお祭り騒ぎの大津(苦笑) そんな中、高次との会話で発覚したのだけど・・・ 匡介よ、数回前で大津城の改修はできると思う、と構想を提案しておきながら、実際は未知の領域だったのかよ(驚)…

読書感想:『チンギス紀 第三十六回』(小説すばる 2020年 4月号 [雑誌])~勝つべくして勝つ!テムジン、また一つ壁を壊す~

勝負は、あの瞬間に決まっていた。 トオリル・カンが欲を出したときに・・・ テムジンが気付いたときに・・・ 唯一の同盟国・ケレイト王国の裏切りにあい、敗走したテムジン。 が、それは偽装だった。 (わざとぶちまけられた)物資を戦利品と思って回収する…

読書感想:『三人孫市』 (中公文庫)~出会ってしまった生き甲斐。兄弟が駆け抜けた戦国~

戦国時代、鉄砲のプロとして信長を恐れさせた雑賀孫市(孫一という表記もみる) 実在する人物ではあるのだけど、実態はよくわかっていない。 そもそも、下の名前も重秀・重朝など諸説あり、時代も戦国時代中期から末期にまで生存史料があるためそれぞれ別人…

読書感想:『歴史其儘と歴史離れ(Kindle)』~史実とフィクション、その狭間にいた作家の結論~

作家・谷津矢車さんが年初に必ず読んでいる森鴎外のエッセイ。 実は原文が読みづらく(その時代のものとしては平易なんだと思うけど・・・) 、わがままと思いながらも読みやすいものを探していたのだが、kindleで発見。 それでも読みづらいところがあるが、大…

2020年2月読んだ本のまとめ。~落ち着かない日々の中で~

まさか、こんな事態になるとは・・・ みなさんおわかりの通り、コロナの影響で何やるにしても落ち着かない日々。 そして、不穏な状況だからこそ露わになる日本人の特性。 ここらへんは2011年から全く変わっていないなあ。 一応、ここ2週間くらいが瀬戸際、と…

読書感想:『世界の辺境とハードボイルド室町時代 (集英社文庫)』~整えられた定説通りに世界は動かない。二人が見出した世界と日本の歴史~

それは、すてきなツイートから始まったらしい。 【謎の独立国家ソマリランド/高野 秀行】氏族による庇護と報復のシステムを読んでいて思い出したのが『喧嘩両成敗の誕生』(清水克行)で描かれていた室町時代の日本社会である。このふたつ、まったく同じ。い…

読書感想:『布武の果て 第一回』(小説すばる 2020年 3月号 [雑誌]) ~ 時代が動くとき。商業都市・堺 生き残りへの道 ~

上田秀人さん新作が小説すばるでスタート。 舞台は戦国時代 堺。 鉄砲の材料や鉄砲をはじめとした重要品の取り扱いで飛躍的に発展した商業都市。 軍事力をも持ち合わせ、京都での争乱にも対抗できる勢力であり続けたこの地に訪れた転換期。 それは、足利義昭…

読書感想:『剛心 第五回』(小説すばる 2020年 3月号 [雑誌]) ~ 広島に議事堂を作れ!沼尻奮闘記(笑) ~

できる男・妻木に振り回される沼尻奮闘記の回(哀) 呼び出されて広島行ってみたら、日清戦争で一時的に首都機能移転されるから、臨時議会議事堂を作れ、というとんでもプロジェクトが始まることに。 しかも東京と同規模のものを半月でつくれ、だと! 現地では…

読書感想:『塞王の楯 第八回』(小説すばる 2020年 3月号 [雑誌]) ~ 不落の誓い。匡介の脳裏に浮かんだ墜ちない城の姿 ~

絶対に墜ちない城への思い。 二度も落城の憂き目を見たお初一行 つく相手を間違えて没落した京極家 だからこそ、願い続け、今なお求め続けている。 陽気で、どこか上下隔てない大津の雰囲気、けどその中に、失いたくないという恐怖が見え隠れ。 今の状態なら…

読書感想:『チンギス紀 第三十五回』(小説すばる 2020年 3月号 [雑誌]) ~ ケレイトのノラ息子がやらかした!混沌の草原にてテムジン×ジャムカ再会の時 ~

タルグダイ夫婦が草原を越えて金から南宋へ。 内実はともかく、見た目は老後の記念旅行(終末旅行にも見えてしまうが)。 ここまできたら小梁山行きそう。というか行って欲しい・・・ 彼らがいなくなった草原ではマルガーシが覚醒。 母を殺した相手を切り落と…

読書感想:『戦国大名と分国法』 (岩波新書) ~ 法から見える中世日本。戦国大名に求められたもの ~

応仁の乱終焉から、各地で有力者が自治に動き始めた戦国時代。 それまで領地をおさめていた大名の権威が失墜し、新たな存在がその地位につく。 戦国大名と後に呼ばれる実力者は、ときに周囲と同盟を結び、ときに領土を拡張し、わかっている者は内政にも力を…

読書感想:『今川氏研究の最前線』 (歴史新書y) ~ 日本で最も進んだ戦国大名、その実態 ~

「桶狭間で負けた名家」 「油断して首を取られたお歯黒大名」 織田信長飛躍の踏み台イメージから、今でも抜け出せない今川家。 だが、「海道一の弓取り」の名の通り、この家は当時の日本の中で間違いなくずば抜けた実力を持った大名だった。 検地や楽市制度…

読書感想:『幕末下級武士のリストラ戦記』 (文春新書) ~ とある武士の生ききった日々、苦難の新時代の乗り切り方を学ぶ ~

歴史の教科書に載らなくても、心に響く生き様を示した人はたくさんいる。 かつて『武士の家計簿』という本で、(その当時は軽視されていた)“そろばん術”で我が家を立て直し、その能力を買われ明治の時代に躍進した武士を知ったときの“嬉しさ”を今でも憶えてい…

読書感想:『ノルウェイの森 (上)』 (講談社文庫)~ 村上春樹代表作、不安定な青春の一ページ ~

「僕は三十七歳で、そのときボーイング747のシートに座っていた」 村上春樹の代表作と言われる『ノルウェイの森』は、タイトルから想起される風景とは(ある意味)真逆の場所から始まる。 一文で、主人公の状態と場所とが端的に示されている、として、傑作…

読書感想:『日々の考え』 (幻冬舎文庫) ~ 下ネタ・下品・そして小心ものの裏にある素直で自由な気持ち ~

よしもとばななさんの著書、久々に。 いきなり豪快な下ネタから始まり、まあ、普通の人ならしょうもない、と一蹴することがメインテーマ(笑) これ、ホントに『リトル・モア』に連載されていたんだよな(爆) が、読み進めていくと、表現って、発信者の肩の力の…

読書感想:『征夷大将軍研究の最前線』 (歴史新書y) ~ 歴史は後で整えられた。今なお進む過去の研究最前線 ~

武士の統領の証・征夷大将軍。 幕府を開く“条件”として歴史の教科書に載っていることが多く、鎌倉・室町・江戸の時代を象徴するひとつの“記号”でもあった。 その“常識”は、果たしてどこまでが実態だったのか。 本書を読むと、実は征夷大将軍という位、後にな…

2020年1月読んだ本のまとめ。とりあえず目標決めないで走り始めてます。

始まりました2020年(ブラタモリ風に) と思っていたらあっという間に1月修了。 はやいなあ、この勢いなら年末なんてすぐ来るんじゃないか、とヒヤヒヤ(汗) さて、昨年はギリギリながら目標の400冊読破達成。 今年はどうしましょ? 一応あるにはあるのだけど、…

【2019年読んだ本ランキング】5位~1位

読書メーターで毎年作成している、読んだ本の中で、最も良かった本ベスト20。 4回にわけて発表、これがラスト。 ベスト5です。 第5位『将軍の子』 将軍の子 作者:巖太郎, 佐藤 発売日: 2019/07/18 メディア: 単行本 今さらだが、僕たちは令和に生きてい…

読書感想:『廉太郎ノオト』 (単行本) ~ 無数の壁を越えて、思うがままに。その果てに聞こえたオト~

若くしてこの世を去った音楽の子・滝廉太郎の生涯を綴った作品。 もっと拡げてもいいだろうに、と思う日々の描写が一瞬で通りすぎ、 何気ないやりとりに生々しさや暖かさを凝縮させる。 きっと、廉太郎はこういう場面が好きで、こういう場面にたくさん出会う…

【2019年読んだ本ランキング】10位~6位

読書メーターで毎年作成している、読んだ本の中で、最も良かった本ベスト20。 4回にわけて発表、その3。 いよいよ、ベスト10です。 第10位『野の医者は笑う』 野の医者は笑う: 心の治療とは何か? 作者:東畑 開人 出版社/メーカー: 誠信書房 発売日: 20…

読書感想:『大人の人見知り』 (ワニブックスPLUS新書) ~ 意外と気にする「人から見た自分」ストレスから脱却しよう~

若干そうかな、という方から、深刻だと感じている方まで。 (千差万別あるだろうけど)なかなか克服できない“人見知り"。 社会人になってから自覚する、って方もおられるとか。 この本読むと、脳内における悪いイメージ先行(人から悪く思われているらしい、と…

【2019年読んだ本ランキング】15位~11位

読書メーターで毎年作成している、読んだ本の中で、最も良かった本ベスト20。 4回にわけて発表、その2。 第15位『虎の牙』 虎の牙 作者:武川 佑 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/10/18 メディア: 単行本 山の民・アケヨ。 彼は突如、武田信玄の父…

読書感想:『剛心』 第四回(小説すばる 2020年 2月号 [雑誌]) ~ 先行きが不安な今だからこそ、抗え、職人魂~

気がつけば、時間は進み、憲法発布。 そして議会が始まるなど、日本は着実に近代化へ。 が、国民目線になると、憲法の中身知らずに、発布めでたいめでたい、と騒ぐ奥様(爆) どこか大らかなな明治日本の姿はどの作品でも微笑ましいなあ。 といいつつも、前回…