モーション・グリーン

ブログ開設14年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。

読書感想(歴史)

読書感想:『[新釈]講孟余話 吉田松陰、かく語りき』 〜今こそ振り切るとき。松蔭に学ぶ信念の育て方〜

幕末日本の若者に大きな影響を与えた吉田松陰。 その狂気すら感じさせる行動力や極端な思考、そしてまっすぐすぎる心根は、今なお多くの人を惹きつける。 そして、彼が育てた弟子の中から、多くの志士が生まれ、多くの総理大臣が生まれた。 教育者として、松…

読書感想:『はぐれ鴉』 第五回(小説すばる 2020年 9月号 [雑誌]) 〜拒絶の先に仇敵の姿、才次郎の振り上げる思いの行方〜

おいしい役どころを得た(苦笑)才次郎だったが、結局この役目は彼に何をもたらしたのか・・・ 嫁入りの時期を遅らせることはできた。 しかも、流れのなかとはいえ才次郎は英里に告白することもできた。 しかし、その結果は撃沈(涙) 引っかかるのは英里の…

読書感想:『布武の果て』第六回(小説すばる 2020年 9月号 [雑誌]) 〜信長の躍進と堺衆の暗躍、その陰で蠢く三河の遠謀〜

来ても対応できるだろう、という見込みはあった。 だが、足利義昭ら信長包囲網側からすると、信玄の死はやはり大きかった。 信長はすかさず足利義昭討伐へ動き出す。 そして今井たち堺衆もこの期を逃さず、荒木村重を突き動かし、信長へ帰順させる。 そもそ…

読書感想:『剛心』 第十回(小説すばる 2020年 9月号 [雑誌]) 〜明かされる妻木の過去。何者かになろうとした若き日々の姿〜

原口の回想から明かされる、妻木の過去。 言葉はあてにならない。見るべきはその人の行動だ 自分は何者でもない。だから結果が欲しい 時代は江戸から明治へ。 みんな、新時代で生き残るために、何者かになろうとしていた。 武士が商売を始めて笑われたり 武…

読書感想:『塞王の楯』第十三回(小説すばる 2020年 9月号 [雑誌]) 〜大津再び!穴太衆、西国無双から城を守れ〜

塞王の死、という衝撃と伏見城陥落。 匡介たちの悲しみをよそに、西軍は一気に近畿一帯を制圧していき、舞台は岐阜や尾張、伊勢に移っていく。 もう、出番はないのか。 源斎が体を張って得た情報を活かせる場は、ないのか。 依頼がないと動けない。 苛立つ穴…

"私は面白かったよ。おまえが死ぬのではないかと、はらはらしながら待つ人生が" 読書感想:『チンギス紀』第四十回(小説すばる 2020年 9月号 [雑誌])

母・ホエルン逝く。 チンギスからまた一人、大切な存在が去っていく。 ジャムカ死後、目に見えた強敵は無い。 当初は数百機だったモンゴル帝国は、今や数十万の軍勢を動員できるほど、その規模は拡張している。 (将来のライバルとなりそうなマルガーシが着…

読書感想:『豪快茶人伝 下巻』 (大活字本シリーズ)〜こだわりが繋いだ茶の道。現代に続く茶の湯物語〜

※本書は文庫版の大活字本verを読んだ感想です。 内容は文庫版と同じなので、文庫本表紙も一緒にあげておきます。 茶の湯を繋いだ人たちの物語。 後編は江戸時代以降の茶人を追っていく。 パトロンが付いたことで、茶の湯は幕府御用達の流派だけではなく地方…

読書感想:『愚か者の城』〜行き方を知らない天下人への道。秀吉、生まれ変わる〜

令和の秀吉像を作り出した矢野隆さんの傑作『大ぼら吹きの城』の続編。 www.motiongreen.net 今作は"天下人"という目指すべき姿を見出したものの、現実や未熟な自分とのギャップに苦しむ秀吉が描かれる。 お市の方に惚れてしまい、おねにバレて家庭は不穏な…

読書感想:『ヘタな人生論より中国の故事寓話』 (河出文庫)〜やっぱり困ったら先人に訊け!気付きがある古来中国の話〜

再読。 やはり故事成語は面白い。 人間関係、就職、ストレス、お金のこと・・・ コロナ渦の中にいると、些細なことですら時間と手間を費やすことが増えてきた。 会って話をすればすぐにわかるのに 自分のことがわかってくれれば、誤解されるようなことなんて…

読書感想:『滅亡から読みとく日本史』 (KAWADE夢文庫) 〜定説と最新説 見比べて学ぶ滅びの原因〜

日本史の中で滅んでいった数々の家。 もちろん必然ともいえる流れや出来事が原因だったところもあるが、偶然や悲運に見舞われたところも結構ある。 勝者の歴史はとかく必然性を前提にした論建てになりがちなので、その視点一択ではなく、より色々な情報や視…

読書感想:『はぐれ鴉』第四回(小説すばる 2020年 8月号 [雑誌]) 〜思いの炎が消えていく。彷徨いの才次郎、始めたのが疑似恋愛?〜

ようやく仇敵と再会した才次郎。 ところが現れた"はぐれ鴉"は彼の憎悪を掻き立てる存在ではなかった。 (只者ではなさそうだけど) 作品スタートから奇妙な雰囲気に包まれている竹田藩。 その雰囲気に溶け込むかのように、彼は存在感を消していた。 この爺さ…

読書感想:『布武の果て』第五回(小説すばる 2020年 8月号 [雑誌]) 〜堺が見た戦国大名の結末。積み重ねた先にあるもの〜

石山本願寺蜂起。 後々振り返れば、ここから10年にわたる抵抗勢力との戦いが始まる。 天下布武最大の強敵が動き出したことで、その他の勢力も反信長を掲げる。 そして、堺にとっても、孤立無援のなかで生き残りをかけた争いが勃発する。 織田軍絶体絶命のピ…

読書感想:『剛心』 第九回(小説すばる 2020年 8月号 [雑誌]) 〜目指すは和洋の調和。武田、内装を任されるってよ〜

妻木、国会議事堂建築を目指す。 小林が推測する、妻木の目標。 『剛心』は妻木とその仲間たちによる群像劇の様相を一層強めてきた。 今回スポットライトがあたった武田も、必要な人材の一人となるのだろうか。 武田五一。 人付き合いが苦手そう、仕事に対す…

読書感想:『塞王の楯』 第十二回(小説すばる 2020年 8月号 [雑誌]) 〜塞王散る?伏見城攻防戦〜

伏見城攻防戦といえば、関ヶ原の戦いの前哨戦として知られている。 西軍にとっては、決起後初めての戦い。 最終的に西軍が勝つものの、当初はやる気がなかったのか、なかなか堕ちる気配がなく、東軍は善戦した、ということになっている。 その戦いに隠された…

「さらば、わが友」読書感想:『チンギス紀』 第三十九回(小説すばる 2020年 8月号 [雑誌]) 〜鮮やかな黒の軌跡、ジャムカ草原に散る〜

このときが、来てしまった。 月日が経てば立つほど、このときは確実なものとして、読み手のページめくりに影を指していただろう。 ジャムカ、散る。 もはや無理だろ、死に場所探しだろ。 そう思うほど、チンギスとジャムカの力は開いていった。 お互いが願っ…

読書感想:『火天の城』 (文春文庫) ~無二の城がみんなを一つにした 城作り作品の決定版!~

元々は「伊東潤の読書会」『もっこすの城』関連で読もうとしたのがきっかけ。 久しぶりに手に取って、読み始めた。 そしたら、面白すぎて1週間に3回も読んでしまった。 職人モノの作品を手掛けたら天下一品の山本兼一作品、その中でもチームワークとプロフェ…

読書感想:『将棋の駒はなぜ40枚か』 (集英社新書) 〜意外に謎だらけ 相手の駒を使ってよいルールはどこからきた?〜

若い逸材が登場して話題の将棋界。 古臭い、ルールがわからない、などと言われ、距離が遠い文化だったのは昔の話。 今後さらに注目が集まりそうな予感がする。 実は将棋を題材にした作品は結構ある。 リアルな将棋界を描いた作品ともなると、将棋に命を賭け…

読書感想:『はぐれ鴉』 第三回(小説すばる 2020年 6・7月合併号 [雑誌]) ~仇敵の娘は美麗小町!使命か恋か、迷いの才次郎~

前回思わぬ裏切りによりボロボロのままの才次郎。 傷をひた隠しにしたまま臨むは仇敵・はぐれ鴉の娘、英里との戦い。 道場での一騎打ち、相手が女性とはいえ、ご近所じゃそれなりの腕前、とのことだっただけに片足がほとんど使い物にならない状況で勝てるの…

《この気持ちをわかってくれるのは、たった一人でいいのだから》読書感想:『夕風の桔梗』(小説すばる 2020年 6・7月号 [雑誌])

『言の葉は、残りて』佐藤雫さんの新作が読み切り短編で登場。 www.motiongreen.net 生真面目で人と接するのが苦手な武士・晴光。 想いを寄せた女性から放たれた態度や言葉に、その心は傷ついた。 そんな中、であったのは、なんと娘に化けた狐(!) 狐との…

読書感想:『布武の果て』 第四回(小説すばる 2020年 6・7月号 [雑誌]) ~取るべき道は魔王と相乗り! 御用商人の目利きの行方~

信長が畿内を安定させたことで、商いの賭けに勝った今井ら堺商人三人衆。 彼らは御用商人となり、信長の依頼に基づいて物資の調達に走り回る。 ちなみに、魚屋(千宗易)は茶道を通じて光秀と関係を深めていく。これ今後の大きなポイントになりそう。 しかし、…

読書感想:『剛心』 第八回(小説すばる 2020年 6・7月号 [雑誌]) ~その哀しみは希望になるか? ミナが見た妻木の日々~

広島臨時議事堂建設を経て、妻木は相変わらず新旧メンバーと共に忙しそう。 どうやら新しい役職・大蔵省建築掛長に就いたらしい(臨時でとっつけたようなネーミングに見えるのは僕だけか?) 舞台は再び東京へ。 今回は妻木の妻・ミナ視点がメイン。 育児も…

読書感想:『塞王の楯 第十一回』(小説すばる 2020年 6・7月号 [雑誌]) ~矛と楯の決戦へ “矛”彦九郎は描く 抗える未来のために~

新たなる戦乱の匂い それは、理不尽な悲しみがない未来のための戦い。 民の涙をぬぐうのは 矛か、楯か。 ―――――――――――――――――――――――― 伏見城での戦いから始まる、矛と楯の最終決戦。 攻める気持ちを喪失させる絶対の楯か 苦境に抗える力を民に与える至高の矛か…

チンギス・ハン誕生! 読書感想:『チンギス紀 第三十八回』(小説すばる 2020年 6・7月合併号 [雑誌])

民族統一どころか、当初はバラバラで本人は弟殺しで逃亡していたんだよな。 隔世の思い。 思えば遠くまできたもんだ(涙) 儀式のシーンはおごそかな雰囲気。 テムジンは人に推され、神によって認められて、ハンを名乗る。 認められるから、みんなから祝福さ…

読書感想:『空海の風景〈上〉』 (中公文庫) ~イノベーター・空海とは何者だったのか?空海を探る司馬さんの脳内追体験~

平安時代初期。 日本の宗教史において(日本史そのものにおいて)得がたき二人のリーダーが現れた。 厳しい修行と懐深き学びの場をつくることで日本宗教界の母なる地を生みだした最澄 人智を越えたその明晰さと異次元の発想であらゆる事項のイノベーターとな…

読書感想:『戦国武将の叡智-人事・教養・リーダーシップ』 (中公新書 (2593)) ~今さらだが戦国時代はおもしろい! 温故知新のエピソード~

『麒麟がくる』時代考証・小和田先生の新作。 なんと御本人は最近youtubeチャンネルを開設し、週3前後とかなり精力的に更新。 この本もそこで紹介されていたので、思わず購入。 動画の力はスゴイわ(笑) youtu.be 本書はタイトル通り、戦国時代に生きた人々…

読書感想:『戦国武将の精神分析』 (宝島社新書) ~歴史研究の新しいアプローチ 歴史×脳科学!~

人間はウソをつく。 それは昔も今もおそらく変わらない。 今ですら、事実(真実)が正確に記録されておらず、問題になるケースがあるのだから、歴史上の書状や日記、書籍や記録の信憑性は根本的な所で担保されているとは言えないのだ。 しかも、それらの史料…

読書感想:『30ポイントで読み解く 吉田松陰『留魂録』』 (PHP文庫) ~受け継がれた狂気と熱狂 松蔭魂の叫びを知る1冊~

幕末長州の火付け役・吉田松陰。 彼は高杉晋作・久坂玄瑞ら多くの弟子を育てた教育者として名前が挙がることが多いが、思想家であり、行動の人であり、読書家でもあった。 そして何より彼が残した膨大な著書こそが、僕たちが吉田松陰という人物を知る大きな…

読書感想:『「関ヶ原」の決算書』 (新潮新書) ~関ヶ原で本当に損したのは?山本博文さんの遺作にしてタメになる必読本~

『決算!忠臣蔵』という映画を覚えているだろうか。 忠臣蔵をお金の面から描いた異色の作品。 赤穂城明け渡しにかかるお金、家臣に渡すお金、生活費、武具維持費、さらには討ち入りの費用などなど、武士の使命感と現実の家計問題との間で揺れ動く赤穂浪士た…

佐々木作品にハズレなし!読書感想:『家康の猛き者たち 三方ヶ原合戦録』 (時代小説文庫)

戦国最強の武田信玄がついに攻めてくる。 頼みの織田信長は四方に敵を抱えていてアテにできない。 迎撃か、降伏か。 徳川家は揺れに揺れていた。 しかし徳川家康はこの逆境を機に徳川家の構造改革に乗り出す。 従属ではなく独立を 分裂を起こさない結束を そ…

読書感想:『信長が見た戦国京都 ~城塞に囲まれた異貌の都』 (歴史新書y) ~応仁の乱から進まない京都 信長上洛によって起きた変化と対立~

桶狭間前年、信長が訪れた京都は戦火で規模を縮小した、衰亡の都だった。 応仁の乱から政争の渦中にあった京都。 どんな時を経て、信長にその姿を見せていたのか。 本書によると、実は僕たちが知る京都の枠組みは秀吉(豊臣政権)以降に出来たもので、それ以…