モーション・グリーン

ブログ開設14年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。

読書感想(歴史)

読書感想:『火天の城』 (文春文庫) ~無二の城がみんなを一つにした 城作り作品の決定版!~

元々は「伊東潤の読書会」『もっこすの城』関連で読もうとしたのがきっかけ。 久しぶりに手に取って、読み始めた。 そしたら、面白すぎて1週間に3回も読んでしまった。 職人モノの作品を手掛けたら天下一品の山本兼一作品、その中でもチームワークとプロフェ…

読書感想:『はぐれ鴉』 第三回(小説すばる 2020年 6・7月合併号 [雑誌]) ~仇敵の娘は美麗小町!使命か恋か、迷いの才次郎~

前回思わぬ裏切りによりボロボロのままの才次郎。 傷をひた隠しにしたまま臨むは仇敵・はぐれ鴉の娘、英里との戦い。 道場での一騎打ち、相手が女性とはいえ、ご近所じゃそれなりの腕前、とのことだっただけに片足がほとんど使い物にならない状況で勝てるの…

《この気持ちをわかってくれるのは、たった一人でいいのだから》読書感想:『夕風の桔梗』(小説すばる 2020年 6・7月号 [雑誌])

『言の葉は、残りて』佐藤雫さんの新作が読み切り短編で登場。 www.motiongreen.net 生真面目で人と接するのが苦手な武士・晴光。 想いを寄せた女性から放たれた態度や言葉に、その心は傷ついた。 そんな中、であったのは、なんと娘に化けた狐(!) 狐との…

読書感想:『布武の果て』 第四回(小説すばる 2020年 6・7月号 [雑誌]) ~取るべき道は魔王と相乗り! 御用商人の目利きの行方~

信長が畿内を安定させたことで、商いの賭けに勝った今井ら堺商人三人衆。 彼らは御用商人となり、信長の依頼に基づいて物資の調達に走り回る。 ちなみに、魚屋(千宗易)は茶道を通じて光秀と関係を深めていく。これ今後の大きなポイントになりそう。 しかし、…

読書感想:『剛心』 第八回(小説すばる 2020年 6・7月号 [雑誌]) ~その哀しみは希望になるか? ミナが見た妻木の日々~

広島臨時議事堂建設を経て、妻木は相変わらず新旧メンバーと共に忙しそう。 どうやら新しい役職・大蔵省建築掛長に就いたらしい(臨時でとっつけたようなネーミングに見えるのは僕だけか?) 舞台は再び東京へ。 今回は妻木の妻・ミナ視点がメイン。 育児も…

読書感想:『塞王の楯 第十一回』(小説すばる 2020年 6・7月号 [雑誌]) ~矛と楯の決戦へ “矛”彦九郎は描く 抗える未来のために~

新たなる戦乱の匂い それは、理不尽な悲しみがない未来のための戦い。 民の涙をぬぐうのは 矛か、楯か。 ―――――――――――――――――――――――― 伏見城での戦いから始まる、矛と楯の最終決戦。 攻める気持ちを喪失させる絶対の楯か 苦境に抗える力を民に与える至高の矛か…

チンギス・ハン誕生! 読書感想:『チンギス紀 第三十八回』(小説すばる 2020年 6・7月合併号 [雑誌])

民族統一どころか、当初はバラバラで本人は弟殺しで逃亡していたんだよな。 隔世の思い。 思えば遠くまできたもんだ(涙) 儀式のシーンはおごそかな雰囲気。 テムジンは人に推され、神によって認められて、ハンを名乗る。 認められるから、みんなから祝福さ…

読書感想:『空海の風景〈上〉』 (中公文庫) ~イノベーター・空海とは何者だったのか?空海を探る司馬さんの脳内追体験~

平安時代初期。 日本の宗教史において(日本史そのものにおいて)得がたき二人のリーダーが現れた。 厳しい修行と懐深き学びの場をつくることで日本宗教界の母なる地を生みだした最澄 人智を越えたその明晰さと異次元の発想であらゆる事項のイノベーターとな…

読書感想:『戦国武将の叡智-人事・教養・リーダーシップ』 (中公新書 (2593)) ~今さらだが戦国時代はおもしろい! 温故知新のエピソード~

『麒麟がくる』時代考証・小和田先生の新作。 なんと御本人は最近youtubeチャンネルを開設し、週3前後とかなり精力的に更新。 この本もそこで紹介されていたので、思わず購入。 動画の力はスゴイわ(笑) youtu.be 本書はタイトル通り、戦国時代に生きた人々…

読書感想:『戦国武将の精神分析』 (宝島社新書) ~歴史研究の新しいアプローチ 歴史×脳科学!~

人間はウソをつく。 それは昔も今もおそらく変わらない。 今ですら、事実(真実)が正確に記録されておらず、問題になるケースがあるのだから、歴史上の書状や日記、書籍や記録の信憑性は根本的な所で担保されているとは言えないのだ。 しかも、それらの史料…

読書感想:『30ポイントで読み解く 吉田松陰『留魂録』』 (PHP文庫) ~受け継がれた狂気と熱狂 松蔭魂の叫びを知る1冊~

幕末長州の火付け役・吉田松陰。 彼は高杉晋作・久坂玄瑞ら多くの弟子を育てた教育者として名前が挙がることが多いが、思想家であり、行動の人であり、読書家でもあった。 そして何より彼が残した膨大な著書こそが、僕たちが吉田松陰という人物を知る大きな…

読書感想:『「関ヶ原」の決算書』 (新潮新書) ~関ヶ原で本当に損したのは?山本博文さんの遺作にしてタメになる必読本~

『決算!忠臣蔵』という映画を覚えているだろうか。 忠臣蔵をお金の面から描いた異色の作品。 赤穂城明け渡しにかかるお金、家臣に渡すお金、生活費、武具維持費、さらには討ち入りの費用などなど、武士の使命感と現実の家計問題との間で揺れ動く赤穂浪士た…

佐々木作品にハズレなし!読書感想:『家康の猛き者たち 三方ヶ原合戦録』 (時代小説文庫)

戦国最強の武田信玄がついに攻めてくる。 頼みの織田信長は四方に敵を抱えていてアテにできない。 迎撃か、降伏か。 徳川家は揺れに揺れていた。 しかし徳川家康はこの逆境を機に徳川家の構造改革に乗り出す。 従属ではなく独立を 分裂を起こさない結束を そ…

読書感想:『信長が見た戦国京都 ~城塞に囲まれた異貌の都』 (歴史新書y) ~応仁の乱から進まない京都 信長上洛によって起きた変化と対立~

桶狭間前年、信長が訪れた京都は戦火で規模を縮小した、衰亡の都だった。 応仁の乱から政争の渦中にあった京都。 どんな時を経て、信長にその姿を見せていたのか。 本書によると、実は僕たちが知る京都の枠組みは秀吉(豊臣政権)以降に出来たもので、それ以…

読書感想:『塞王の楯』 第十回(小説すばる 2020年 5月号 [雑誌]) ~秀吉が残した呪いの一言 天下争乱前夜~

天下人・太閤秀吉の死。 再び訪れそうな混乱を予期してか、世情は不穏な雰囲気に。 穴太衆はこれまで以上に仕事が減り、身の振り方を考え始める者が現れた。 他家の仕官。 それは独立不羈の姿勢からの脱却にして、穴太衆への裏切りを意味していた。 雇われに…

読書感想:『剛心』 第七回(小説すばる 2020年 5月号 [雑誌]) ~その志を失うな! 広島議事堂建築 完結編~

日清戦争のため、臨時で政府が広島へ移動。 そのために作られることになった臨時の議事堂、いよいよ完成間近。 が、ここにきてミスが発生。 突貫作業だからこそ起きてしまうヒューマンエラー。 現場の愕然とした雰囲気の中、職人達は口を揃える。 仕方がない…

読書感想:『布武の果て』 第三回(小説すばる 2020年 5月号 [雑誌]) ~一歩間違えれば消えてしまう? 若き三人の織田勤め始まる~

堺が信長に屈服し、彦八郎ら3人は織田勤めをすることに。 結局動きが見られない三好、アナザーエンドを象徴するかのように燃やされた尼崎を戒めにして、堺を守る戦いが始まった。 そして「茶」というキーワードに誘われるように、明智光秀が初登場。 将軍家…

読書感想:『はぐれ鴉』 第二回(小説すばる 2020年 5月号 [雑誌]) ~幕府隠密でも掴めない竹田藩の謎 鍵を握るのは姫ダルマ?~

見れば見るほど、聴けば聴くほど、引っかかることだらけ。 竹田の観光旅情作品として楽しみの反面、謎は深まっていく。 やっぱりなにかある竹田藩。 ホントに一部の人しか知らない謎があるのか、みんな口を閉ざしているのか・・・ 脳天気で、都会に憧れるム…

読書感想:『チンギス紀』 第三十七回(小説すばる 2020年 5月号 [雑誌]) ~一瞬の隙を突くジャムカ!鉄と刃こぼれと逝く命~

反金国連合軍VSテムジン。 かつてのジャムカ率いる連合軍撃破の後も、次々と現れる敵。 しかし、その時ほど切迫な雰囲気はない。 むしろテムジンが前面に出ずとも、打ち倒せる体制が整ってきた。 動員兵数はもちろん、分割行動する部隊すら万単位。 物語初…

読書感想:『政宗の遺言』~野望の火は消えていない?独眼竜政宗、最期の言葉~

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 江戸時代・三代将軍家光の時代。 老いた独眼竜・伊達政宗。は、未だ家督を譲らない中で自身が最期と銘打った江戸への参勤を行った。 ところが、病を押してまで行く理由につ…

読書感想:『黒田官兵衛』 (平凡社新書)~才覚鬼謀は平坦では成らず。苦労と苦難の先にあった黒田家飛躍~

ちょいと調べたいことがあって再びこの本を手に取る。 で、この際だからと再読してしまった(苦笑) 改めて読むと、疑わしきところにはコメントを挟んだり、関ヶ原時の官兵衛(如水)野望説に否定的だったり、と、初読時じゃ気付かなかった小和田解釈の数々、結…

読書感想:『じんかん』(小説現代 2020年 4月号 [雑誌]) ~これぞ次代への挑戦状!松永弾正久秀を描いた傑作現る!~

5月に単行本として発売される作品が『小説現代』でまるまる掲載。 表紙にもどばーーーんと掲載されており、今号の目玉なことは間違いない。 題材は松永久秀。 しかも描くのは今村翔吾さん。 『戦国の教科書』でも久秀を描いており、その時点で松永久秀のスタ…

読書感想:『波紋』(小説現代 2020年 4月号 [雑誌]) ~夢を断った一太刀 中村半次郎“唯一”の人斬り~

史料上、実は一人しか人を斬っていない“人斬り”半次郎。 その唯一の存在・赤松小三郎暗殺を描いた短編。 “信濃の龍馬”と称された小三郎。 その開明的な知見は、龍馬より早く民主主義・大政奉還を提示したと言われている。 そんな幻の英雄のまっすぐな姿と、…

読書感想:『千年の松』(小説現代 2020年 4月号 [雑誌]) ~決断に必要なのは、感性か理性か。細川幽斎運命の一瞬~

本能寺の変前後、理性と感性との間で揺れ動く細川幽斎を描いた短編。 細川幽斎(藤孝)と言えば、戦国時代の中でも一級の文化人でありながら、数々の武勇伝が伝わる、著名な戦国武将。 まさに二物を与えられた漢だ。 彼の目の前に現れた“自分が滅ぼした名家”…

読書感想:『桔梗の旗 明智光秀と光慶』~本能寺の変に隠された光秀の願い、凡なる息子が決めた結末~

本能寺の変を光秀の子・光慶を主軸に描いた異色の歴史小説。 前半は光慶視点。後半は光秀視点で物語序盤へ巻戻り、もう一回同事件を追体験することで、二人のすれ違いと事件の真相が明らかになっていく。 全てが判ったとき、光慶が下した決断とは・・・ 四国…

読書感想:『はぐれ鴉 第一回』(小説すばる 2020年 4月号 [雑誌]) ~願うは敵討ち!青年剣客、故郷に帰る~

赤神さんの新作が連載開始! 舞台は江戸時代初期の竹田藩(大分県) 物語はミステリーとサスペンスが入り交じる青年剣客の復讐物語(今のところは) 序盤こそ一家惨殺という衝撃光景から幕を上げる緊張感満載のトラウマ展開。 しかし本編始まってみると竹田…

読書感想:『剛心 第六回』(小説すばる 2020年 4月号 [雑誌]) ~何もかもが足りません?! 広島への議事堂建設最前線~

前回に引き続き、広島に議事堂を作る悲喜こもごも回。 納期も予算も材料も人材もとにかく全てが枯渇していて、しかも急ぎと催促しながら予算承認に時間がかかり、縦割り行政で頼んだことに対してはノロノロ対応。 投げ出してもおかしくない状況の中、一人泰…

読書感想:『塞王の楯 第九回』(小説すばる 2020年 4月号 [雑誌]) ~大津城改修大詰めへ。その『先』を見据えて“絶対の楯”が生まれる~

水城・大津城の改修は大一番へ。 相変わらず城主と奥様が視察するお祭り騒ぎの大津(苦笑) そんな中、高次との会話で発覚したのだけど・・・ 匡介よ、数回前で大津城の改修はできると思う、と構想を提案しておきながら、実際は未知の領域だったのかよ(驚)…

読書感想:『チンギス紀 第三十六回』(小説すばる 2020年 4月号 [雑誌])~勝つべくして勝つ!テムジン、また一つ壁を壊す~

勝負は、あの瞬間に決まっていた。 トオリル・カンが欲を出したときに・・・ テムジンが気付いたときに・・・ 唯一の同盟国・ケレイト王国の裏切りにあい、敗走したテムジン。 が、それは偽装だった。 (わざとぶちまけられた)物資を戦利品と思って回収する…

読書感想:『三人孫市』 (中公文庫)~出会ってしまった生き甲斐。兄弟が駆け抜けた戦国~

戦国時代、鉄砲のプロとして信長を恐れさせた雑賀孫市(孫一という表記もみる) 実在する人物ではあるのだけど、実態はよくわかっていない。 そもそも、下の名前も重秀・重朝など諸説あり、時代も戦国時代中期から末期にまで生存史料があるためそれぞれ別人…