パピヨン編最終章。迫るタイムリミット、守ろうとしていた思い。そして、残酷な選択。果たして、カズキは、約束を、誓いを果たすことができるのか? ○パピヨン誕生 ダークヒーロー、パピヨン誕生秘話が前半のメインでした。とはいっても内容はこれまでにないほどのドス黒さ。いかに蝶野家が人間の家族としての歪んだ感情の持ち主だったかが、よくわかります。蝶野という1人の天才が絶望し、堕落するのがむしろ普通なのに、復讐と怒りを糧に生き続けようとしたパピヨン。その執念だけはすさまじいのですが、やはり(結果として)自分を生み、育てた「蝶野家」から抜け出すことはできなかったのだな、と思いました(今の時点では、です。)。それは自分の欠けていたものを、他者を犠牲にしてでも手に入れ、憎悪という形でしか家族に接することができなかった天からも明らかですし。。。 ○光と陰 家族をも平気で犠牲にするパピヨンに、敢然と立ち向かうカズキですが、さすがに一蹴されます。でも、ここから、まひろたちという、いわば「日常の象徴」に触れることで力を取り戻していくところが、カズキらしいなあ、と感心。これが甘さといえば甘さなんでしょうが・・・ 残り時間わずかの中で、ついにでたW武装錬金。ダブルランスVS人間ホムンクルス(未完成)の激突。原作ではセリフなしの、勢いのある描写でしたが、なぜかアニメだとややしまりのない描写だったなあ、と思ってしまいました。かざり布の力の描写もイマイチだったし、うーむ、時間の都合上でしょうか(確かに3,4週を30分で収めるのだからしょうがないのかもしれませんが) 勝負は辛うじてカズキの勝利。しかし、斗貴子の解毒剤は、パピヨンの腹の中。命を絶つか、それとも・・・負けながらも戦いの陰の顔をカズキに見せつけたパピヨン。鷲尾もそうでしたが、最期まで戦いの全てを肯定しない和月テイストがちりばめられてきた、このドラマ、1つの究極選択。 「すまない、蝶野公爵」「あやまるなよ、偽善者」 戦いはそんな甘いものじゃない。たとえ、何かを守るためでもそれをまもるためなら、自分の手や信念は汚れなければならない。そんな現実も、確かに存在するのです。きれいごとだけでは、ぶつけることはできないし受け止めることもできないのだから・・・ 犠牲を払い、傷を負いながらも、ようやく使命を果たしたカズキ。彼のサンライズ・ソウルは、確かに大事なものを守った。。。