信じるもののため、夢見た世界を実現するため・・・ そう信じて戦っていた。そして、それは現実になりつつあった。そう、究極の平和は、すぐそこに来ている、そう思っていた。。。 ○解明1 ラスト2話、ということでいくつかの謎がようやく判明。といっても断片的なセリフから解釈せざるを得ないので推測も混じりますが・・・ 加賀美の父、陸とネイティブとの暗闘。それは「人類ネイティブ化」に協力すると言いながら、『赤い靴』を背景にネイティブ(この場合根岸)を牽制し、人類の生き残る道を模索し、その可能性を残すという駆け引き。 もしかすると、日下部氏(天道の実父)と陸との間にもそんな諒解があったのかもしれませんね。カブトとガタックに選ばれし者は既に決まっていたのだから、2人(日下部氏と陸)が盾に(ある意味犠牲に)なって、次代の二人(天道と加賀美)に‘切り札’を託した、ということなのかもしれません。 そう考えると、番組の中で(意外と)触れられていない、ネイティブによる日下部親子殺害事件も、この暗闘の中での“仕組まれた”事件だったのかもしれません。後で触れますが擬態天道の謎も、一連の暗闘の延長線上にあるのかも・・・と思っています。 35年前から、この日まで敵はおろか味方、息子までだまし、ごまかし、それでも人類を守ろうとした、そう考えると涙があふれてくるんですよね、グスッ。。。 日下部氏と陸の間にも、天道と加賀美のような見えない絆があったんだろうな、と思います。以前陸が日下部氏のことを天道に語っていましたが、あれは本心から言っていたのですね。だから天道も「アンタを信じることにする」と告げたのだと。あれで天道は全てを悟ったのですねえ。 陸は日下部氏の方に生きていて欲しかったんだろうな、とふと思いました。 天の道を往く人こそ、人類を導くのにふさわしかった。 自分ではなく、なぜ彼が殺されたのか。 1人で人類の道をつなぎ続けた陸。しかし、崩れ落ちる時はすぐそこまで来ていた・・・ ○解明2 擬態天道は人間だった。つまり、人間→ネイティブへの変容実験第1号だったということ。 これは予想外でしたね。てっきり時間軸の話し(過去から来た、とか未来の天道を捕らえた、とか)だと思っていたので。 そして天道に擬態したということのようです。つまり擬態する前の擬態天道(ややこしい・・・)は天道とは関係のない人間(しかも映像を見る限りでは少年でしたね)だということでしたね。 要するに擬態天道は 人間→ネイティブ化→天道に擬態 という形で生まれたということですね。映像を見る限りでは、7年前以前の天道に擬態して、そこから人間同様成長した、ということになるのでしょうか。それならばひよりへの一方的な愛情や、幼稚な部分があるのもうなずけますし、ワーム側が彼のことを知らなかったのも理解できそうです。(逆を言えば、天道は天道家に預けられ、おばあちゃんから徹底した教育を施されたおかげで才能を開花したということでしょうか。幼児教育恐るべし・・・) 解明1でも触れましたが、この天道擬態も、ネイティブとの暗闘という陰の戦いの中で生まれたものなのでは、と考えてしまいます。つまりなぜ擬態するのが天道(そのころは日下部総司)なのか、ということを考えるとそうなるのですよね。殺害→擬態ということをしなかったのはなぜか、ということになるのですがカブトの資格者ということが決定していた(これ決めたのがネイティブか人類か、ということになるのですが、両者が同意していると思われるので)ため、このプロセスを踏まず、もうひとりの天道を作り上げることでよしとしたのでしょうか。 哀れなのは擬態天道。Hゼクターの実験台になるまで放置されていたところを見ると、切り札として残されていたのか、切り捨てられていたのか。生きる目的を見いだせず何をしたらよいのかもわからず、ただ鉄仮面の下から叫び続けていたのかと思うと、本当にコイツは犠牲者なのだな、と痛感します。皮肉にも彼に道を開いたのはオリジナルの彼になるのですが、果たして擬態天道に明日はあるのか?
○天道VS加賀美
もはや激突は避けられないのか。カブトの行為に怒り心頭な加賀美は、ついに直接行動にでることを決意。天道の言葉に耳を貸さず(前回、加賀美から聞かれて答えなかった時点で、もう耳を貸さない状況ができてはいましたが・・・)カブトVSガタックが始まってしまいました。しかも今回はガタックも本気、なので互角の戦いに。
「お前も天の道を行け」「俺は俺の道を行く」
自分しか歩まないはずの天の道を行ってもよい、と加賀美のことを完全肯定するセリフまで出したカブト。一連の事項を全て知っているカブトにとって、この戦いほど無意味だということはわかっている。が、それでも戦いを止めようとしないのは、加賀美新という男を認めている証。だからこそHゼクターを使わず、ライダーキックの直接対決に持って行こうとする。
しかし、(その前の斬撃激突時の援護射撃といい)ライダーキック時の一斉射撃といい、ゼクトルーパーが怒濤の集中砲火。カブトはガタックのライダーキックと射撃を喰らい、ガス爆発(?)と共に炎に消えた・・・
これは、個人として無敵の強さを誇っていたカブトの、1つの限界を暗示していたようで何か切なかった。例えどんなに間違っていたとしても、世界は完全として存在していて、その道から外れる者を異物として処理しようとする。そして世界を変えることは、やはり1人ではできない。わかっていたけど、わかってはいたけど・・・
そして、陸が逆賊扱いされ、真相を知った加賀美も、世界への反逆に向かうことになります。思ったよりも加賀美が敢然と行動したのが意外でした。カブトとの対決もそうですが、相当腹をくくったということでしょうか?天道無き今、人類の命運を担うことになった加賀美の運命は・・・
○築く世界
ラストでの、がれきの山での天道の心情。素直に感動しました。40話でもありましたが、天道のわずかな後悔に似た心の動きをさりげなく描写するのが、終盤のカブトのアクセントになっていて好きです。
何よりすばらしいのが、天道と加賀美が、お互いの欠けていたものをそれぞれの世界の中で気付き、築いていくということ。
全てを知り、万能であったはずの天道が、誰よりも大事にしていた妹のことさえすべてを知っていたわけではなかった。そばにいたわけではなかった。今回もそう、助けたのは自分だけど、助けられたのも自分だった、そう素直に、心に染み渡るように感じて気付いていく天道が、すごく愛しく思えていきます。
1人で何でもできる天道が、大切な者から何かを学び、1人では感じ取れなかったものを感じていくこと。それに対して、常に迷い苦しみ続けてきた加賀美が、いつの間にか天道と並び立つほどの信念と覚悟を持ち合わせたこと。この2人の物語ももうすぐ終わりますが、できればこれからも2人で世界を築いて欲しいなあ。。。
○その他
・話数コールでの田所さんへの非難や迫害シーン。やはりそうそううまくはいきません。ワームがいなくなってもネイティブが暮らせるようになる(つまり怪物としての姿で生活できる)かといえばそんなことはやはり難しい。ラスト2話でもこういうシーンを持ってくる当たり、米村脚本の意欲はすばらしい、と思いました。
・影山散る(泣)イヤなやつでしたが、己の居場所を純粋に求め続けた男だったと思います。最期まで光を掴み取ることはできなかったけど、夢見たことは間違いじゃなかったと思います。ネイティブに変容したことで矢車に倒されることを望んだ潔さは、はいつくばってでも生きようとしたこれまでと変わったなあ、と思いましたよ。矢車の唇をかみしめたような表情が、涙を誘いました。
・三島ラスボス化。人間じゃないと思っていましたが、まさか最後の最後で寝返るとは(驚)でも乃木ほどのインパクトがないのが残念かも・・・
○最終回
思った以上に最終回で描くべきテーマが絞られてきていると思うので、思ったよりもコンパクトにまとまるような予感がしてます。ただあえて言えば「赤い靴」がどういう形で締められるかが気になるところ。何の驚異にもならずフェードアウトはちょっと悲しいかも(ハッピーエンドにするならそれでもいい?)
仮面ライダーカブト VOL.5
amazonさん、ジャケット映像入れてくださいよ(懇願)3巻までしか入っていないですよーーー
ちなみに4巻はカブト、5巻はサソードがジャケットです。6巻はガタックかな?
劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE コレクターズパック
最終回は劇場版ライダーのみなさんが出演されるとのこと。楽しみですーーー