待ちに待ったフルメタ新刊。
これまでの伏線を概ね解消&クライマックス前の絞り込みな一冊でした。つうか、分厚い。もはやライトノベルの域越えてますがな
でもショックな事多かった。カリーニンの真意、ラムダドライバを含めた、オーバーテクノロジーの真実、そしてかなめの豹変、クルツの・・・
読み切った辺りで、かなめ同様、知らずに涙があふれてました。。。
発売日:2008-02-20
おすすめ度:

○クルツ、散る。
トライアングルの一角にして、実は宗介に勝るとも劣らない
ミスリルの‘最強の矛’クルツ。まさか彼が先に散るとは・・・
まあ、マオとの逢瀬シーンあたりで
死亡フラグが点灯していましたけど、もう少し違う結末を想像してました。
その後の宗介とテッサの会話の中で「情で判断が鈍る」発言があったので、クルツを危険な場所へやる作戦判断でマオorクルツがためらい、どちらかが死亡、もしくはテッサを危機に追いやる、あたりを想像してました。表紙見てもマオ死にそうじゃないですか(力説)つうか、今冊で死ぬとしたらテッサだと思ってました。前冊で危険フラグ起ってましたから(今考えると、テッサ死んだらこの物語終わりますね

死よりも苦しい現実を生きることが、テッサへの作者からの課題なんだと、ようやく悟る)
でも、予想は概ね外れました。
散ったのはクルツ。そしてそれは、情が重しになるという結末ではなく、情を包括した、戦士(射手)としての最期。
賀東さんのキャラ愛を感じました。彼のラストの描写が秀逸で、もう言葉がありません。月並みな言い方ですが、まさに魂が乗り移ったかのような、そんな数ページでした。
ただ、
ミスリル側からすると、これで勝てるのか?えらく不安になってきた。
カリーニンの言うとおり、既に第一ターゲットとして認識されている宗介&レーバテインより、目に見えない恐怖を与えることができるクルツの方が、
アマルガム側からすれば驚異なのだから。
さて、気になるクルツの生死ですが
現実問題としてみれば死んでいるのだろう。ただ、GRUに助けられたレイスが助けるという展開もあり得る(実際、中盤以降レイスは出てこなかった。消息が明確に書かれていなかったところを見ると、もう一活躍しててもおかしくはない。現場に向かっていたわけだし)
ソ連軍と見せかけてレイス上官の軍でクルツ回収して助かった、という展開も、
フルメタならやれるかも・・・
また、クルツの生死に関する明確な描写がないのも気になる(要するに誰も死体を確認していない)というのはあるにはあります。
ですが、それだと「死も人生の一部」という宗介の言葉とのリンクも薄れてしまう。物語上必要な死だったんじゃないかなぁとぼんやり思ってます。
とはいえ、他のキャラならともかく、クルツならひょっこり出てきてもおかしくない。戦力としてではなくても出てきてくれること、密かに期待してます(^O^)/
○回答編
一巻から言い続けられていた世界の歪みがはっきりと提示された形になった、今回の回答編。
とはいっても、正直一回目の読破の際にはほとんど流し読みでした(泣)宗介じゃないけど難しすぎ。
でも、随所で宗介やかなめ、レナードがまとめてくれるので大枠は理解することができるはずです。私同様にくじけた方、もう一回読んでみよう

要は、この世界はあるべきではないものによって歪められていた。それは兵器やシステムに留まらず、時間だって支配できてしまうというもの。「オムニ・スフィア」という施設と、放出された二つの精神波、さらにスフィアという存在。かなめはなんと「ささやかれた者」ではなく「ささやく者」、未来の技術を発信する側の人間だったということ。その他にも判明したことがたくさんあって、正直これを書いている時点でも
オーバーロード気味(泣)ややこしいのですが、最終巻に向けてのポイントは1つ
◆宗介は未来を決めなければならない
「量子の確立の決定に干渉」できるのならば、 自分の選びたい未来を選択できるというこの存在。クルツの死を無しにもできるし、
アマルガムがない世界を作ることも理論上はできるのだろう。
カリーニンが本気で
アマルガムに与したのも、未来をかえられるこの存在があったからこそ。
でもこれまでをリセットすることは、宗介とかなめのこれまでを消すことになってしまう(レナードのセリフが伏線を張ってましたけど)一兵士から世界の救世主へ。宗介、そしてかなめの決断が、最後の最後での鉤になりそうです。
とはいえ、宗介がテッサにいった「人間は運命に挑むことはできても、運命を支配することはできない」という伏線セリフがあるので宗介はもちろん、かなめの決断は、‘無かった未来’を選びそうですが・・・
ただ、これまでの
フルメタの展開を見ると、是正することに正しさを求める展開ってどうよ?って気もします。「ささやく者」(未来のかなめ)を止めれば、ブラックテクノロジーの現代への流出は食い止められますし、今の世界の是正も可能なんでしょうけど、是正したら死なない人も出てくるけど、死ぬべき人が死なない。そこから生まれる不幸もある。
まあ、「つどう
メイク・マイ・デイ」で自分たちの望んだもののために全てを賭ける決意をした宗介とかなめなので、いまさら周囲の価値観を判断基準にしないのかもしれませんが、今までかなめや宗介が築き上げた思いが全部なかったことになるというのは寂しいですねえ。
最後は、
千鳥かなめが、世界をリセットして、2008年に比較的近い世界になり、かなめが普通の学生に戻って、飛行機が落ちなかった宗介は普通の学生になって・・・
てなリセット(
龍騎みたいだ)ラストを予想・・・
○最終巻
ミスリルVS
アマルガムの最終決戦があるのは確実。テッサVSレナード、かなめVS宗介、宗介VSレナードがあるのは予想が付くけど、一番気になるのは宗介VS
カリーニン。
フルメタ史上最大の対決になるだろうと見ます。
○その他
・「でもなー、『愛してる』とは言ってくれないんだよ。なにがなんでも言わないんだ。これってどういう意味なんだろうな?」
「愛してないという意味だろう」
「おい」
地味に笑えました。基本的に宗介は学校ではボケですが、
ミスリルだとツッコミが意外に多い。今回の発言もロータイムの無遠慮・無神経・無頓着な間だったに違いない。吹きました

・クルーゾーさん、今回は出番控えめ。最終巻では大暴れしてくれるはず。しかし、この人宗介以上に死ぬ気がしない。
・珍しくアル視点がありました。AIのはずなんですけど、ある意味宗介よりも人間らしい思考に改めて感服。それにしてもドラマ・回答パートが多くてレーバテインの戦闘シーンが少なかったのが残念。
・ミラやシノハラのように、初登場は古いのにやっとフルネーム(というか容姿を含めた全貌)がわかった人達がいたのが地味に大きかった。目の保養になるんだろうけど、置物扱いされている宗介が地味に哀れ<img src="
http://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/141.gif" alt="ガーン" /
