モーション・グリーン

ブログ開設14年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。

楊令伝メモ3

 楊令伝メモ、今回は非戦闘者が多いです。 【聚義庁】  ・呉用   目覚めた戦略軍師。梁山泊敗北後潜伏。「これまでの梁山泊では童貫に勝てない」事に気付いた数少ない一人。宋を南北から挟撃する戦略を立て、南方の方蝋軍に軍師として参加。方蝋の妖しい魅力に惹きつけられ、梁山泊の(呉用としての)志との狭間で揺れ動く。  「戦とは相手を殺すこと」「地図がなければ勝てない戦なのか」 シンプルで現実的で真理をついた方蝋の考え方と触れ合うことで、自分を投げ出すことを体得。童貫軍との死闘の中で、童貫軍に土を付けることに成功する。方蝋の元から救出されてから少し放心状態であったが、かつての宋江晁蓋のようなおおらかさを持ち合わせるようになる。楊令の誘いにより梁山泊に合流し、本賽にて指示を出す。    かつての細々したことに口を挟む呉用はどこにもいない。あるのは目標をシンプルに捉え、大目標を見失わず、目標達成までの細かな行動を現場に任せてしまえる大胆さと剛胆さ。まさしく棟梁にして戦略家の力である。楊令が全てをまかなってきた梁山泊の現状を考えれば、現状における楊令と呉用の二頭体制は組織の厚みを増したといえよう。  国とは何か、楊令とは別の視点でこの問題に食い込める人材であり、徐々に人間らしくなってきた楊令の足場をサポートできる人材。また、楊令のことを深いところで観ており、楊令の放つ魅力は現状では武勇による光でしか引き出されていないと評している。楊令を褒称する梁山泊の中で希有な存在である。 ・宣賛  天才戦術家として、何度も梁山泊の危機を救ってきた戦の頭脳。しかし、梁山泊崩壊後、呉用に代わって実務を担当するなど、戦から距離を置いた日々が続く。戦略・戦術においても優れた才能を発揮する楊令の存在によって、戦術家としての仕事も目立たなくなり、聞き役になりがちに。    組織が整えられていく中で‘嫌われ役’の必要性を痛感。かつての呉用のように細部に口を挟むようになる。結果として組織性を引き出すことに一役をかっているのだろうが、心まで‘嫌われ役’が浸透してしまい、呉用帰還後もかつての輝きを取り戻すことができていない。本人も自分のあるべき姿に苦悩しているような描写が見受けられる。果たして彼はかつての“本当の自分”を取り戻せるのか。 ・杜興  かつての李応の執事。その後諸隊を歴任。憎まれ口を叩きながらも、憎めない人間性で多くの兵達の信頼を得る。董進を立ち直らせたのも彼。前作最終決戦では部隊の指揮をしながらも、自分たちで決めることの重要性を説いたり励ましたりと、いぶし銀の活躍が光った。  楊令伝初期では亡き李応の娘・李媛の副官として重装備部隊に所属。ここでも彼の人間性は李媛の大きな支えとなったようだ。後に指令を受けて本部付けを命ぜられ、宣賛らと共に戦略を練る係へ。年齢のせいか達観した意見を言うことが増え、人事のように聞こえるため理解を得られづらいところが難点か。一〇八星のなかでも高齢のはずなのだが衰える気配をまるで感じさせない。 ・公孫勝   特殊部隊致死軍の設立者にして隊長。かく乱や暗殺など闇にまみれた活動が多く、血塗られた仕事が多い。一時期、闇塩の道の警護と致死軍としての活動と分けていたが最終的には同一化。青蓮寺と終わり無き暗闘を繰り広げる。  強い反国家思想の持ち主。その精神力の強さは、平然として死地へ身をおくことや、自身の認めた部下が死んで(見殺しにして)なお毅然として致死軍を率いていることからも伺える。  楊令伝初期では戦友への想いや己の過去、敗北という事実など、重なる事象に心の折れを感じるようになる。だが自分の心に折り合いをつける決意をし、再び輝きを取り戻す。  対抗組織である青蓮寺の変化、今後の致死軍のあり方を考え、侯真に致死軍を託す。現在では独自の行動をとりつつ対金国への工作(脅迫・暗殺など)を担当する。己の行動動機や過去は誰にも語らなず、不気味な雰囲気とシニカルな性格からあまり好かれないが、見えない優しさを垣間見せる。 ・武松  物静かな性格で状況の飲み込みが早い男。魯智深と同様に全国を旅して各地を見聞しつつ人脈作りを行っていたが、兄嫁への恋慕の情が捨てきれず、その感情の暴発が彼女を死に追いやってしまう。絶望して急流に飛び込んだり、殺されるつもりで虎と素手で戦うも結局死に切れず、魯智深によって王進の下へ預けられる。  立ち直った後は宋江の護衛、同志への連絡係、オルガナイザー役など様々な任務に付く。復帰後は、以前よりも悲しみを押さえ込めるようになるものの、寡黙で近寄りがたい雰囲気を出す。  梁山泊崩壊時、李逵の死、宋江を救えなかったことで、再び心に悲しみと後悔の傷を負う。その心を楊令に見抜かれ、悲しみの詰まった右拳を切り取られる。そこをきっかけに、別人のように明るく気さくな性格になる。呉用救出後は北へ向かい、探索役や隠密行動、体術の訓練役などオールマイティにこなす。  体術が得意で鍛え上げた右拳は大木も砕く。右拳切断後は、ライダーマンのアタッチメントパーツのごとき(笑)木拳と鉄拳を持ち歩き、状況に応じて装着する。    ・喬冽→喬道清  元は韓泊竜の元にいた将校らしい。楊令軍による砦への攻撃により降伏。その際に公孫勝と知り合い、彼の元で働くことを志願して飛び出していってしまう。なぜか出家してしまい、名前が変わった。 ・戴宗   宋江の同志。普段は牢役人と飛脚屋を営むが、裏では飛脚を同志の通信網として統括している。青蓮寺の妨害をたびたび受けるものの、そのたびに強化され、宋国家全土に広がっていく。その充実度は、梁山泊同士の結婚という、プライベートな事実までもが、遠方の同士にも知らされていることからも察せられる。後に諜報部隊や致死軍を(暫定的に)率いる。現在では飛脚網を張横に託し、諜報部隊の元締めとして活動を継続中。  俊足の持ち主で自らも飛脚として走る。その速さは梁山泊の中でも1,2を争うほどだが、最近は身体の衰えを嘆くシーンがたびたび出てくる。また非常に用心深く、猜疑心が年々強まっており、かつ金持ちが嫌いで、条件がそろえば同志ですら疑うこともある。若手の台頭にもおもしろくないようで突っかかることも。劣化激しい第1世代メンバーのうちの一人で、口うるさいオッサン化が著しい(笑)変化に対応し、己のあるべき姿に立ち返ろうとする呼延灼公孫勝とは対照的。 ・徐絢   現在、真の青蓮寺となりつつある妓館に潜伏している女性。正体ははっきりしないが、どうも梁山泊と無関係な人ではないような気がする。志をしっかりと持っているようで、一見すると軽侮されそうな任務にも立ち向かう姿勢は、志に対する純粋さを感じさせる。 ・燕青   元は廬俊義の従者、護衛も務める美青年。一時期は男色の関係と疑われていた。前作前半では目立たない存在だったが、廬俊義の救出作戦に関して超人的な活躍を見せ、長時間死域に突入したレコードホルダー(?)廬俊義の救出作戦以降、彼から闇塩に関する全ての知識を伝授され、闇塩の元締めとして、梁山泊の表舞台で活躍をはじめる。  体術の達人にして笛の名手。沈着冷静にして品格公正。クセや欠点のある梁山泊メンバーの中でも貴重な万能キャラであり、同志からの信頼も厚い。  楊令伝でも様々な職務に就く。侯真の成長にも関わり、後に再会した時にその成長ぶりに内心目を見張っていた。若いと思っていた燕青も年齢から言えば40代後半。世代交代の時を感じさせる。  梁山泊から離れた活動をすることが多いせいか、梁山泊や宋、ひいては国家に対する考え方にも第3者的な目線が混ざる。後に起こるであろう権力の輪廻を予感させるかのように・・    ・蒋敬  補給部隊。その中でも商業を専門にし、商いによる梁山泊とその周囲での流通を形成。かつては剣で身を立てようとしていた盧俊義門下。楊令伝では、新梁山泊で獲得した領地での商業・産業の責任者(元締め)として腕を振るい、国としての形を形成するのに一役買う。その一方で、かつての願望が未だにくすぶっているご様子。 ・孟康  補給部隊。馬の買出しをはじめとした北方での活動がメイン。北の地理に詳しく、たびたび遼国へ潜入していた。荒々しそうな口調とは裏腹に結構小心者、そして正義感に厚く、人の涙や頼みに弱く断れない性格。結構いいやつである。 ・李立  補給部隊。女傑2人に酒で絡まれていたことが記憶に新しい。部隊への武器や食料など補給で度々姿を見せる。現時点でも広大な梁山泊領地内を走り回っているはず。余談だが交易による物質の搬入、北方の流通のやりとりなど多様化する梁山泊ルートのなかで、一番多岐にわたって動いているのは李立のような気がする。これまた余談だが家族がいるはずなのだが描写無し。   ・張横  飛脚屋の元締め。戴宗から飛脚をはじめとした通信ネットワークを託される、楊令伝では国境を越えたネットワークの充実に成功している模様。飛脚、船、そして長駆隊を使い分けることで穴はなくなったようだ。  二児の父親であるが、特に張平の教育に頭を悩ませた、煩悩な父親でもある。張平を子午山に預けた際の王進との会話は涙を誘った。楊令伝では張平を迎えに再び子午山へ。 ・王定六  走ることに己の全てを注ぐ男。任侠心にあふれた漢で、志や理想よりも、自分の力を必要としてくれている仲間のために走り続ける。彼の組織する長駆隊は、通信手段としてではなく、戦闘における斥候の役目をも担うため、戦場に姿を見せることもあるようだ。   ・盛栄  かつて梁山泊の補給部隊に所属していた男。能力はあるが袖の下を使うため、高潔さを重んじる李立に嫌われ、罰として片手首を斬られる。  楊令伝では金とネットワークを持つ独自の商人として再登場。現在は梁山泊に所属しているわけではなく、あくまで商いでの関係として梁山泊・金国に出入りをしている。  全体像を把握する力と不気味なほどのしたたかさは、これまでの梁山泊にはないタイプ。志ではなく利と憎悪で動くところは、例え梁山泊に正式所属となっても嫌われる身の上かも。  

楊令伝5巻セット楊令伝5巻セット 北方 謙三 集英社 2008-05-01 売り上げランキング : 4183 Amazonで詳しく見る by G-Tools