モーション・グリーン

ブログ開設14年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。

楊令伝 第六巻感想

 決戦前夜  数多の刻と、数多の命のために  夢の続きは、訪れるのか。  

楊令伝 六
発売日:2008-07-24
おすすめ度:4.5
 六巻です。五巻までで方蝋の戦は終わり、いよいよ梁山泊と宋禁軍との宿命の対決へと、舞台は移ってきます。  方蝋の戦で大きな損害を受けた禁軍は戦力の立て直しを図っていた。梁山泊もまた力を蓄え、決戦に向けて着々と準備を進めていた。そんな中、亡き王英の子・王貴と王清が誘拐されるという事態が発生。さらに聞煥章の誘いに乗り、扈三娘が脱走してしまう。梁山泊に正式に帰還した楊令により、新たな致死軍隊長に任命された侯真は、王貴・王清の救出作戦を指揮することに。果たして、救出の行方は?そして扈三娘は?  一方、己を見つめる楊令と童貫。己に足りないものを求め、それぞれの場所を訪れるのだが・・・  六巻の収録内容にあたる連載一六回~一八回の感想はコチラ↓  楊令伝 第一六回感想    楊令伝 第一七回感想    楊令伝 第一八回感想 というわけで、六巻に掲載されている内容については、既に連載の回で触れておりますので、ここでは、いくつかのポイントに絞って触れていきたいと思います(といっても連載での感想と被る部分もあるでしょうけど)  ○聞煥章、逝く  前作で登場し、その卓抜した能力で梁山泊を追いつめた聞煥章が、遂にこの世を去ります。  凄まじいまでの頭脳の明晰さを持ちながら、どこか梁山泊との戦いを楽しんでいるような部分のあった聞煥章。国よりも己の才能を優先させるその志向は、現代の若者とどこか重なる部分があったように思います。どこか重みのない部分が次第に現れ、李富との対立が鮮明になり、己の生きる場所を模索するところも、不思議と憎めなかったのは、人は能力があれば幸せになれるとは限らないことを、感じさせてくれましたからなのかもしれません。北方さんは、彼の死に酒を傾けたのでしょうか。ちょっと気になります。  ○童貫と子午山  六巻の終盤で、童貫が子午山を訪れます。国を護る軍人が、(反逆の信徒とはいえ)民間人を七〇万人も虐殺したことで彼の心にも変化が生じてきます。もう一度自分の中に還る、己の望みを自身に問いかける。それが、童貫を変えていくことになります。倒すべきボスでありながら、何かグッと我らに近づいてくる童貫に注目です。  ○楊令初視点  ようやく、楊令の内面が初描写されます。他者視点からしか描かれることになかった楊令が、自分のことを語ることで我々読者も楊令に感情移入しやすくなります。超然として隙のない漢として描かれてきた楊令ですが、内面に目を向けると、梁山泊壊滅後、必死に力を求め己を高めていく知られざる過程に、熱き想いを感じずにはいられません。  また、楊令と並んで新生梁山泊のキーマンとなるであろう呉用の変貌ぶりにも注目です。かつての呉用には見られないやわらかさ、おおらかさを是非感じてください。  
楊令伝 六
発売日:2008-07-24
おすすめ度:4.5
 ○次号予告(?)  
楊令伝 七
発売日:2008-10-23
おすすめ度:4.0
 ついに始まった、梁山泊VS禁軍の戦い。梁山泊を包囲しつつも攻勢に出ない禁軍に対し、梁山泊軍は一点突破を図る。まずは禁軍不死身の名将・趙安へ。若き花飛麟と甦る勇将呼延灼が挑む。  ブログランキング・にほんブログ村へ images