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【2010年読破本73】楊令伝 第四十三回(小説すばる2010年5月号) 感想

 さあ、ついに、十五巻の収録分までたどり着きました。  続編構想が語られてはいるものの、楊令の目指す国づくりはいよいよ大詰めへ・・・  そして、ついに南宋と金の連合軍が動き出す?  崩壊の最終決戦が迫ります!!

 とにかく状況が小刻みに変わるため、場面を追いかけるのが非常に難しいこの四十三回。  気になったところを数点挙げてみます。 ◆秦容の大敗北  岳飛との戦いで、秦容が初めての敗北。危うく首を取られるところまで・・・  歩兵の指揮官に荀響を任命したものの、死に場所を求める荀響を殺さないよう気を遣った秦容。そのフォローのために、一瞬の隙を岳飛に衝かれ、麾下の騎馬隊がほぼ壊滅する事態に。  結局包囲された秦容を救ったのは、その荀響。が、岳飛に挑むものの破れて戦死。史進が間に合ったため、どうにか秦容は救われた、ということに・・・  この負けが、秦容をどう変えるのか。  もともと、秦容は皆を引っ張っていくタイプよりは、皆と一緒に進んでいく調整型タイプ。これまで何度か描写もあり、皆で決めていくことになるであろう今後の梁山泊には、ふさわしいイーダーなのでは?とワタシは予想していましたが、よもや、その気遣いを逆手に取られるとは・・・    もっとも岳飛との戦いで敗れた後の戦いでは、いい開き直り方をした(by史進)とのこと。この後秦容がどう変わるのか、見物です。  そして戦いに己を集中させていくことで、どんどん力をつけていく岳飛。その一方で、かれの本質(尽(精)忠報国)が「替天行道」と重なることで、内部から疑いの目も持たれているようで・・・ ◆変わること、変えること  史進が日本刀を、第二の武器として所持することを決めるシーン。  史進といえば鉄棒(しかも赤い)それが年齢と共に衰えることを感じ、軽く扱いやすく、さらに鉄棒の技を使える武器を、と思っていたようで。  いつかは、使えなくなる。その現実を受け入れたくない想い。しかし、戦い続けるために、史進はあえて、新たな得物を手にする。  「自分が二番目の、鉄棒より軽い武器を求めるようになったのだ、という苦さは抑え込んだ。必要にはなるはずだ」  寂しいけど、これも現実。それでもさらなる己の可能性を模索する史進は、カッコイイと思う。  居合いを行う史進が観られるのだろうか?それはそれで楽しみだ。。。 ◆崩壊の日  荀響が戦死し、北では蔡福が病死。  影響力はあまりないのかもしれないけど、蔡福の死は梁山泊と金との関係の終わりを告げるかのような、そんな風に感じさせる。  蔡福同様、親梁山泊の粘罕(ネメガ)には病魔の影。  そして、金と南宋の接触の可能性・・・  呉用は「例のもの」(おそらく南宋の偽りの系譜)を手に、岳飛との接触を公孫勝に依頼したが、忠義を己の中心に思い定めた岳飛梁山泊になびくとも思えない(岳飛は楊令と別たれているし)  力で梁山泊は押しつぶされるのか・・・ ◆その他 ・蔡福が蔡豹に託そうとした「替天行道」の文字。梁山泊に戻ることなく金でその生涯を終えた蔡福が、最後の最後まで持ち続けていたものは志だったのか、と感じさせるシーン。これがあったから今の自分があるという反面、これが自分を縛ってきたという皮肉とも取れるけど、蔡慶と二人で護り続けてきた、兄弟の志はいつか蔡豹に届くのか。 ・輿車に乗った蔣敬。足を痛めながらも、その頭脳で梁山泊に貢献しようとする宣凱。確実に次世代が自分の場所を定めていく姿は、どことなく頼もしく見えてくる。続編の布石がちらほらと感じられるけど・・・ ・結構あっけなく討たれた韓伯竜。韓伯竜の実力がそれほどでもないのか、それとも韓世忠が強いのか・・・それにしても、韓世忠の神出鬼没は楊令伝開始直後から健在だなあ。陸に上がったことでますます厄介な存在に(涙)そして見せ場無くひっそりと死んだ孫安も哀れ(号泣)

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