以前、先月(1月)の読んだ本のまとめを更新しましたが、今回は、その中でのマイベスト10を発表しちゃいます♪
言うまでもなく、私見なのであしからず(笑)但し、このベスト10にランクインした本は全て自信を持ってオススメする本です。もちろん1位は読んでね、というより読め! くらいのノリで(笑)
◆第10位
銀の匙 Silver Spoon 6 (少年サンデーコミックス) | |
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荒川 弘 |
一生懸命の光と影。土壇場になって、八軒倒れる・・・
これを、後先考えない計画性の薄さの教訓とみるか、がむしゃらの良さとみるかは感じ方次第。少なくてもぼくは、これで全てが終わったと思っていないので、この先を見守りたい、と思ってます。まあ、北海道の大地は相変わらず雄大で、楽しげなので活力もらってます!
◆第9位
江戸大名の本家と分家 (歴史文化ライブラリー) | |
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野口 朋隆 |
本家は偉くて、分家は本家に逆らえずひもじい思いをしてきた。
もし、そんな定義をされている方がいるなら、是非この本を読んで実態を知って欲しい。
実態は、純粋に本家と分家という明確な定義で分類されていたわけではないこと、家によっては分家が本家を凌駕していたことや、逆に(定義通り)分家は大名として独立しきれていなかったことなど、様々なケースが浮かび上がってくる。
近年の歴史定義が塗り変わりつつある昨今、「本家と分家」というイメージから、抜け出してみませんか?
◆第8位
「忠臣蔵」の決算書 (新潮新書) | |
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山本 博文 |
いや~久しぶりに山本サンらしい一冊を読むことが出来た(嬉)
タイトルの通り、義臣ぶりが評価される忠臣蔵への現実的目線、つまり主君の浅野内匠頭切腹から討ち入りまでの1年以上の歳月、旧浅野家家臣はいかにして心と生活を食いつないできたのか、という点を、残された史料から分析した歴史研究書。「武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)」に通じる名書ではないかと、心をときめかしていたが、実はこの‘決算書’史料としては早くから知られていた1級史料だったらしい。
だったらナゼ、もっと早く解析されて、世に知られていなかったのか、不思議でしょうがない。これも、閉鎖的な歴史学会の弊害だったのか?
◆第7位
本当は誤解だらけの「日本近現代史」 世界から賞賛される栄光の時代 (ソフトバンク新書) | |
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八幡 和郎 |
最近シリーズ化されて、続々と刊行されている、八幡サンの「本当は~」シリーズ。ついに近現代史へ突入。より現代に近い年代にもかかわらず、誤解と謎が潜む時代なだけに、どんな一刀両断を魅せてくれるのか?と思いきや、「高評価 →そんなことないとバッサリ」ではなく、「低評価→再評価すべき」という逆論調が多くて、面食らった(笑)
限りなく今に近づくところまで分析と解析をされているからか、今の日本に対する提言も盛り込まれており、歴史から見た今の姿、という見方をすれば、確かに日本の取るべき方向は、既に決まっているし変に逸れてはいけないのかもしれないなあ。
◆第5位
ソードアート・オンライン プログレッシブ1 (電撃文庫) | |
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川原 礫,abec |
本編では、既に新章に突入してますが、心は未だにアインクラッドに囚われているアナタには、きっとたまらない一冊になったはず(笑)本編では4分の3程度まで攻略されている状態からのスタートだったアインクラッド編。それを第1層から順々に描いていくという、気の遠くなる企画(爆)でも、キリトやアスナが(デスゲームではあるけれど)RPGしていて、ワクワクと照れ照れが同居した不思議な気持ちで読み進められます(笑)
まあ、気になるとすれば本編とどう折り合いを付けるかだよなあ。この時点でキリトとアスナの関係始まっちゃってるし(というかほぼパーティ組んでるし)この先に控える昼寝の一件や園内事件にどうつなげるのだろうか。やはりアニメのように、どこかで仲違いさせるんだろうなあ。
◆第4位
大坂将星伝(上) (星海社FICTIONS) | |
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仁木 英之,山田 章博 |
もう、1月はこの本を本当に楽しみにしていた!
編集の平林さんのtwitter(https://twitter.com/seikaisha_moegi)をずっと拝見していて(というかリツイートやお返事をさせていただき、お返事までご丁寧にいただきました。感謝☆)、完成度の高さを期待していた長編歴史小説。なんてったって、大坂の陣にて(知名度では劣るものの)真田幸村をしのぐ将器を持つ漢と呼ばれた武将・毛利勝永を描いたシリーズとあっては、楽しみにしないわけがない!
で、実際に読むと、プロローグのフォントに度肝を抜かれ、見開きでタイトルコールという、まるで映画のような演出(!)で心を持って行かれる~~いや、ホント感動したわ、本って工夫できるじゃん、と新たな可能性を見いだしたそれだけで、この本の、というか星海社の果たした役割は大きい。
本編は、若き勝永(幼少は太郎兵衛)が様々な漢たちと出会い成長していく大河ドラマ。後の大坂の陣に関わってくる武将が次々と登場する(しかもみんなすがすがしいほどいいやつ)ので、歴史ファンにはたまらないオールスターぶりを堪能できる。もちろん秀吉や三成といった有名どころも登場するほか、長宗我部元親や信親といった悲劇の漢たちも出て来る。意外なところでは、剣豪・丸目長恵(驚)この方がものすごいいい味出している!
◆第3位
OUT OF CONTROL (ハヤカワ文庫JA) | |
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冲方 丁 |
度肝を抜かれた、という点においては、今月最も衝撃だったのがこの一冊。
(自分の不明さが原因とはいえ)この短編集の筆者が、本当に沖方サンなのか、途中まで信じられなかった。それくらい、これまで読んで感じていた沖方丁という作家のイメージをちゃぶ台返しされたような、様々な沖方サンの見られる短編が収録されています。
ここまでの僕のコメントがおおげさな~と思った、そこのアナタ。読んでみるといいっす、ぶっ飛ぶから(爆)
◆第2位
剣と紅 | |
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高殿 円 |
もうこの作品には、感嘆以外の感想が湧いてこない。
それくらい王道でアリながら斬新で、それでいて女性でしか書くことの出来ない歴史小説の奥深さを見せつけられた。(トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA))シリーズの著者が描く、1人の女性が見えない明日へあがき続ける魂の物語。これは、買ってでも(図書館で予約してでも)読むべき一冊です。
☆第1位
時限の幻 | |
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吉川永青 |
1月の第1位は(戯史三國志 我が糸は誰を操る)シリーズで大注目の作家・吉川サンの歴史小説。主人公も、テーマである「外交・交渉」も、どこか地味でマニアックなのだけど、読者にもわかりやすく、それでいて奥深い表現法は、主人公・金上盛備と独眼竜・伊達政宗の駆け引きへ、読者をグイグイ引っ張っていく。まさに、歴史小説の王道を征く一冊。この本を読んでいない歴史小説ファンはモグリだと断言しちゃいます(笑)