「父は、いい相手と闘ったのだ」
小説すばる 2013年 08月号 [雑誌] | |
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◆武人の魂
今回、最もじーんと来たのは、張朔と岳飛のシーン
張朔の父・張清は岳飛によって討たれた。少なくても平常心で付き合うことは出来ないはずだ。ところが、張朔は、岳飛ときちんと向き合った。父は戦場でどのように見えて、どのように闘ったのか。張朔と岳飛の会話は、武人同士の爽やかな思いが交錯して、心地よい。
「父は、いい相手と闘ったのだ」
そう思えた張朔もすばらしいが、自分と闘った相手をきちんと伝えられる岳飛もまた、優れた漢なのだろう。
少なくても今、岳飛は一度死んで、もう一度歩き始めている。その姿はきっと、闘った相手として胸を張れるものだったに違いない。
◆熟年夫婦の終着駅
韓成と郤妁、ようやく決着。
ホント、こんな結末を迎えるとは思わなかったカップルだった。この世界観では概ね良妻賢な方々が多い中、なんとも情けない夫と、自分を通そうとする妻。
楊令伝~岳飛伝初期にかけての最大の不満点はこの二人の扱いだった、と未だに思っている私(爆)どうしてこうなった、と何度思ったことか・・・もし息子が優秀な雰囲気出していなかたらどうなっていたことだろう(涙)
どこか惹かれ合っていたにも関わらず、どこか傷をなめ合う関係でもなく、夫婦っぽい形にかならない、こういう人間同士というのもあるのだろうなあ、と思うしかない。
結局長い年月をお互い大人になりきれなかったね、な雰囲気で、現代の恋愛ドラマ破局パターンかよ、とツッコミを入れてしまったけど(笑)
これである程度スッキリしたのかな。郤妁はともかく、韓成には大きな仕事が待ち構えている。梁山泊ではない場所で、彼がどう生きていくのか。
時間はもう戻らない。後悔も傷口も残したまま、韓成は進む。
◆その他
死亡フラグを立てている者達が着々と現れてる(涙)まあ、みんなお年だからねえ。。。
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