冬を越えて四季へ。
学生という時間は着実に過ぎていき、この作品はゆるやかに結末へ進んでいく。
新たな一年は初年よりも早く時が過ぎていく。
既に経験したイベント、周りは(ほとんど)変わらないメンバー。
劇的なことは多くはない。けれど、その先のために、本人達にとっての大きな挑戦や冒険は始まっている。
それの連なりが、自分はもちろん周りをも変えていく。
1巻から通じて流れ続けてきた荒川哲学。
大きなイベントだけが変化じゃないのだ。
進級しても相変わらずぶっ飛んでいるキャラクターたちが、当たり前のように日々を全力で謳歌する。
ギャグタッチのシーンばかり目が行ってしまうけど、それ以外の絵も含めて、こっちの心も色づいていく不思議な展開。
きっとここでしか味わえないことが、このさきもたくさんある。
新入生からみたこの学校、そして八軒達はどう見えているのかな?
そしてその八軒の試みは見えないところで父に届いているようで・・・
「人の夢を否定しない人間に、俺はなりたい」
アリの1歩のようで、信念に根ざした大きな1歩が刻まれる。
きっと、人生ってこういうところから変わっていく。
一方、駒場も動き出してきた。
「山、昇ってみたら?」
その先を考えず、ただ、進め。