これは名作!
吉川作品の最高傑作ではなかろうか。
武田→徳川へ受け継がれる最強騎馬軍団「赤備え」。
武田家に属し、「赤備え」へのあこがれを胸に生きてきた二人は、幸運にもその「赤備え」の一員となる。
しかし、長篠合戦を機に「赤備え」は壊滅。生き残ったものたちは徳川へ。
降伏軍の屈辱
度重なる配属替え
揺れる誇り
そして隔たる二人の想い。
史実に忠実な展開(高天神城攻防戦、大須賀康高をこんなに取り上げた作品も珍しい)の中で、“暴君”井伊直政とのやりとりが(これまでの吉川作品の中で)泥臭くまっすぐで心に響く。
合戦の臨場感もページめくりがとまらない興奮!
そして、感動のラスト(以前行った彦根城博物館の甲冑を思い出した)
文句なしのオススメ作品だ。