星さんの論調が反政府なので、偏りが見られる気がしないでもない。
でも、敗者だからといって幕府側が何もかも劣っていた、ということこそ偏った見方。
いや、むしろ幕府側の方が近代的土壌を持っていたことが、本書を読むと感じられる。
明治時代は派閥こそあったものの、実力次第で表舞台に出られる機会がたくさんあった時代。それだけ混迷期であり、みんなが上昇気質を持っていたからこそ、“賊軍”の男たちは力を尽くしたのだろう。
肩書きよりも内容、地位よりもその過程。
現代にもつながる要素が詰まった、偉人達の一冊だ。