問題点はきっちり押さえられていて、だからこそ解決策も明確で矛盾も少ない。
だが、この手の本読むと、どうしても既存メディアのダメな実態(数字低下、など)ばかり提示して、どこがダメになって、なぜダメなものの救済策を考えなければならないのか、というところが出てこない。
もちろんマスメディアが無くなってしまえ、というわけではないのだが、本質的な危機に触れないから、新しい技術や時代に合った新メディアの紹介本に見えてしまうんだよなあ。
だから次のかたちが出てきても、結局一種の代替えに過ぎず、実態は何も変わらないように見える。
本書は随分前のものなので、ここまで予見していたというだけで十分価値があるだけに、思い切った提言が読みたかったなあ。