テレビに雑誌に新聞に、と最近大活躍の本郷さん。
砕けた口調とは裏腹に、史料を忠実に読み解くその姿勢は、歴史に対して堅実で誠実だ。
こういう方が増えてくると日本史の未来も明るい・・・というわけでもないらしい。
若手に毒を吐いていたし(笑)
日本史研究の今後を考えると、まだまだ積極的な仮説作りや、まだ埋まっている資料を解析することが必要なのは間違っていない。
本郷さんの言うとおり、日本史は未完成だ。塗り変わる可能性を秘めた、ワクワクがこの先控えている、かも・・・
そして本書では、本郷さんは歴史人物にも毒を吐いている(爆)
といってもけなすということではなく、史料検証の元に、はっきりとわかっている部分を主軸にして判断分析をしている、ということ。
だから、曖昧なところは曖昧とはっきり発言。
つじつま合わないことを恐れないその姿勢は、未だ解明されていない真相を、案外早く明らかにしてくれるかもしれない。
かつて司馬作品や吉川作品に書かれたこと=歴史、というような認識があった。
今や史料を紐解くと、違ったことが次々と出てくる時代。
これまでの“常識”が年々塗り替えられていく。
これからも、日本史は過去のことでありながら、更新されていく存在。
変わることを恐れず、新たな史実を楽しむ。
そして身近に感じる。
本郷さんは毒ばっかり吐いていたけど(笑)
本書を読んで、変わることを恐れない心持ちを作っていきたい。