勢いがあるときは、何をやってもうまくいく。
無理をしていても、騙してもごまかしても、結果が出ることで、後ろめたさを薄めることが出来る。
しかし、それが慢心になってしまったら?
わずかな心の隙間に、時の勢いは冬の寒気のように入り込む。
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まさしく項羽と劉邦の運命が交わり、わかれる最初の分岐点。
項梁敗死。
張良にとって予想外すぎる事態を、劉邦と離れていた張良視点でみるとまた違った驚きがあるなあ。
この事件は『項羽と劉邦』でもある種の謎として取り上げられていたけど、やっぱり項梁の慢心、とみるべきなのか。。。
まあ、当時の状況を考えると、強大だった秦という国を倒せる、という実感を持ってしまえば、気の緩みが出てしまうのもやむなしか。
(結果論だけど、范増が項梁のもとを離れたことが一つの契機になっており、策謀の老父が仕掛けた罠じゃないかという疑いは、この作品内でも消えない)
そしてその後の項羽の感情曲線が歪みまくっていて泣けてくる・・・
うまく避けたようで貧乏くじをひいた?劉邦らの行方も気になるところだ。
それにしても黄石をヒロインにしたのはこの作品最大のクリーンヒットだな、と改めて思う。
ヘコんでいる張良はなぐさめてもらい「怨まれた以上に黄が好いてあげるよ」なんて言ってもらえているよ。
実際に言われたら、ねえ。
天にも昇る気分になりそう(笑)