日本史好きな方が何人も、twitterで、リツイートやらコメントやら寄せている作品があった。
しかも、マンガ。
日本史好きな方は、マンガには辛口だ(※個人的な見解です)
ディティールにうるさく、史実と比較をし、「こんなんじゃない」と一刀両断する。
フィクションに振り切った作品は数多くあれど、史実をしっかり踏襲し、その中で物語を作り上げている作品は、実はそう多くない。
そんな歴史ファンの間で評価がうなぎ登りの一作。読まないわけにはいかない。
で、手を伸ばしたら、
ぶっちぎりのおもしろさ!
流石歴史ファンの方々の目は肥えている(笑)
北条早雲をマンガ化するだけでも勇気がいるのに、混迷の京都から物語を始める(しかも最新の学説を反映させた)そのいきごみが素晴らしい。
どこかのほほんとした新九郎周辺の様子にだまされるけど(笑)内包している要素は、早雲を描いた他の作品と、なんだ変わりない。
権力の輪廻
理不尽な血縁関係
そして一瞬で変わっていく人の心・・・
未だ少年の新九郎(早雲)にふりかかる、混迷の時代だからこそのどんでん返し。
まだ正面突破の選択肢しかない彼が、どのようにして道を切り開くのか。
(でも、思い立ったら行動するその爽やかさが、読んでいて清々しい)
ペースはかなりゆっくり。冒頭のシーンにいきつくまで何年かかるのか(笑)
現代語がセリフに入っていたり、現代ギャグを入れ込んだり、と史実重視の方が読むと眉をひそめるところがあるが、それを突っ込むのは野暮というもの。
読みやすく、わかりやすく。
わかりづらい血縁関係や政治背景で、つまづかないように。
そう感じさせない描写力が見事すぎる。
歴史がわからない方でも楽しめること請け合いだ。
2018年のマンガ作品の中で、絶対読むべき1冊!