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【これぞ新時代の秀吉像】読書感想:『大ぼら吹きの城』

 

大ぼら吹きの城

 

 

 

秀吉題材の小説久しぶりに読んだ気がする。

しかも舞台が(史実ではないとされている)墨俣一夜城となれば、著者はなぜここに設定したのか、明確な意思があるはず。

そう思い、手にとった。

 

最近は偉人ランキングでも10位以下にいることの多い秀吉。

独創性がない、実は陰険な性格、晩年の朦朧さ、そして朝鮮出兵。

秀吉の汚点(?)を挙げればいくらでも出てくるほど、実はやらかしていることを、みんなは知り始めたのだ。

 

だが、本書をきっかけに秀吉人気再燃するんじゃないか、と思わせるほど、本書の完成度はめちゃくちゃ高い!

秀吉好きの方は是非手にとってもらいたい一冊だ。

 

高度成長期に「出世の象徴」として持ち上げられていた秀吉。

著者はきっと彼を分析し、今読むべき存在として再構築したのだろう。

その研究ぶりが文章から伝わってくる。

 

おね(奥さん)を娶ったことで、きちんと武士をやろうとした秀吉。

実家を安心させるため、きちんと働き、それなりの活躍をしていくが、“武士たるもの”という固定観念と自分の居るべき場所とのギャップに悶々としていく。

そんな中訪れる、墨俣一夜城の司令。

秀吉は、実家の安心や将来の安定より、自分を解き放つことができる存在を見出し、すべてを捨てる覚悟で、一夜城というミッションに挑んでいく。

 

個性を持ちながらも、周囲のため安定のため、組織の中で埋もれていくビジネスマンは多いと言われている。

 

挑戦しろ、と人はいう。

一度きりの人生だ、と周囲は背中を押す。

 

でも、しっくり来なければ、人は全てをなげうつことはできない。

 

秀吉が極限の状況でたどり着いた"なりたい自分"とは?

そして、熾烈な織田家の中で、いかにして自分の居場所を勝ち取ったのか?

 

本書から学ぶところは多い。

 

大ぼら吹きの城

大ぼら吹きの城

  • 作者:矢野 隆
  • 発売日: 2018/07/27
  • メディア: 単行本
 

 

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