歴史に触れる
歴史に学ぶ。
過去から学べるものは数え切れないほど存在する。
その中で最もイイ時代、それは過渡期と黎明期、混迷期だ。
この三つを一人が全て体験し構築し、次の時代への扉を開いた人は意外と少ない。
特に日本においては、このパラダイムシフトを行った人物の定義がある。
貴族(朝廷)→武士、もしくは武士=貴族(朝廷)への変革を行った人。
となると、貴族から武士に主権が移ったその前後を兼任し、武士の世を築いた源頼朝は、もっと注目されてもいい人物だ。
後の権力者の多くが敬慕してやまない頼朝。
頼朝と言えば、将軍を頂点とした中央集権政権を作り、権力維持のために身内や家臣の多くを排除した、冷酷な一面が印象に残っている方が多い気がする。が、一方で、流人のころから変わらない頼朝の気質と、彼と共に歩こうとした武士との男臭い日々も史実に残っている。
本書はまるで学園青春ドラマのような頼朝と彼に命を捧げた武士達の日々を紹介している。原文を引用しつつ、思いっきり現代意訳していて面食らうが(笑)、これが非常にわかりやすくやみつきになる。泥臭くじゃれあう強面の武士たちが目に浮かぶ(爆)
大の大人がこんなことホントにしてたのかよ(苦笑)とツッコミがとまらなくなるのだが、これが東国の武士の実態らしい。
素朴で、まっすくで、でも必死に耐え、未来を夢見る。
何百年何千年経ても、人間の願いは、変わらないなあ。