敗北からの修行編。
「我間乱」がおもしろいのは、とにかく体の動かし方や使い方への視点を、技や動きの前提にしていること。
リアルであり、どこか身近だ。
かつて連載時に夢中になって読んでいたのは、おそらくこの要素があったからだと、今にして思う。
今必要なのは、技とかポテンシャルといった"特殊技能"ではない。
自分がどうやって体を動かし、技を繰り出そうとしているのか、という体との対話。
自分に何が必要で、何が欠けているのか、という自己理解と感情との連動。
結局のところ、後天的な強さは、分析と訓練というトライアンドエラーでしか得られない。
そして、やり方を間違えれば高みにはたどり着かない。
両方が得られたとき、人は次のステージに進める。
我間と善丸の純粋さ、そして伊織と真さんの真剣勝負。
ポジションが違うだけで、強くあろうという思いがガンガン伝わるこの巻は、読んでいて熱くなるなあ。
もっとも、修練の鬼・テクニック型真さんVS天性の才・パワー伊織の激突は、大亀流継承、とは別の要素も含んでいた気がするけど・・・