天狼院書店「入れ替え文庫」で交換した1冊。
我ながら、珍しい本を選んだものだ(笑)
学園モノ
幽霊モノ
そして、恋愛モノ。
しかも、主人公・クロの姉妹が軒並みツンとデレ(爆)
設定はテンプレすぎるのだけど、読んで見ると、いいさじ加減なんだよなあ。
要素としてはベタなものばかりなんだけど、視点をくるくる変えていきながら、少しずつ設定や伏線を回収していく、見事な構成。
特に、幽霊モノでよくある「人の生死が軽く感じられる」ようなことがない。
学校内で起きる事件をクロとヒロイン・紫音が解決していくのだけど、紫音が幽霊であることや、なぜ成仏しないのか、という理由が人の死や記憶と関連づけられながら、命の価値へとつながっていく。
蘇らせるということもなく、できること自体も限られている。
それでも、力を尽くす。その姿勢が愛おしい。
生きているうちに、声が届くときに、伝えることは伝えなきゃいけないんだ、という熱いメッセージが作品の根底に込められているのも、この作品の魅力。
結末はなんとなく予感してたけれど、明かされるとお~~っとなる、絶妙なラインなのが、評価が高い理由なんだろうなあ。
ちなみに、続編が発売されるらしい。これも読んでみるかな。
※改訂される前のタイトルだと、当初は家族(自分と姉妹)寄りだったように見える。
実は掘るとするとそっちの方がおもしろそうではある。典型的なライトノベルっぽくなりそうではあるが(苦笑):。