日本人は勤勉だ。
というのが外国人からみた日本人の印象、とよく言われていた。
それが変わるかもしれない(既に変わっている?)
斎藤先生にしては珍しく、日本人の良くないところをこれでもか、と挙げ、日本人の総合的なレベルダウンに警鐘を鳴らしている1冊。
特に国際化の波に日本人が適応しておらず、取り残される危険を熱い口調で語る項では、目の前に先生が現れたかのようなエネルギーを感じた。
が、過去の文化と今の日本人の気質を対比させるあたりから、段々エスカレートしてきて、少しずつ読みづらく受け入れがたくなってくる。
(致し方ない部分ではあるが)本を読まなくなったことを元凶の一つとするのは、さすがにやりすぎかな。
(ガンダムの項は面白かったけど)
“学ばなくなった”日本人だって、何かを掴もうとしている。
向かうべきゴールや目標とすべき指標がないからこそ、あがき方を知らないからこその、産みの苦しみではないか。
学んで欲しい、ではなく、なぜ“学ばなくなった”のか(そう見えてしまうのか)
もう少し迫った見識が欲しかったところ。

なぜ日本人は学ばなくなったのか (講談社現代新書 1943)
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/05/20
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