2012年のベストセラー本。
女性の芸能人がこぞって絶賛していたイメージがある。
今さらという気もしたが、読んでみると、今なりの味わいがあるなあ。
ボーダレス社会、規制緩和に100年時代。
一見すると、より自由に自分の意思を体現しやすい環境になってきた気がする。
けど、じゃあ、いつ、どこで、何をしたらいいの?という疑問に、誰も答えをくれない苦しさ。
そして何より、変えられない身の上への恨み辛みが、どこかで自分の足かせになり、結局はマイナスエネルギーをまき散らしながら生きる事になる悲しさ。
結局、自分の心の持ちようというのは、どれだけ世界が変わろうとも(変わらなくても)自分を幸せに導く第一歩になりうる、ということ。
お金持ちになる、尊敬される人間になる、病気になりたくない。
そんな“勝ち組”になるより、豊かで幸せな生き方があるんじゃないか、ということが、本書が発売された時期には求められていたのかもしれない。
だから、この本はベストセラーになった。
そして「幸福度」という概念がもたらされ、今、日本は幸せのありかが少しずつ多様化してきている。
だが、例え社会が生きやすい雰囲気になろうとも、みんなが今の自分を肯定し、自分にとっての本当の幸せを考えることが、社会の原動力になることを忘れてはいけない。
この先待ち構えるのは、答え無き未来、約束されない老後かもしれないのだから。
この本は意味合いこそ変わってきても、普遍的な要素として(今後さらに)求められるんじゃないかな。
本自体は薄く、項目ごとにぱらっと目を通すだけでも十分価値がある。
空き時間にさらっと目を通すくらいのテンションでまた読みたい。