再読。
理念や考え方、発想や切り口は二度目でも色あせることは無く、むしろ響きまくってくる。
現実の問題や理想の自分、求めていきたいものを、純粋な形で仮想現実にアウトプットしてみる、という考え方は今後益々の拡がりが期待できる。
その反面、後半の事例になると、なんだか違う感が・・・
まあ、書籍自体が2011年のものなので、事例としては古いというのはある。 (紹介されているもののほとんどは2019年現在、かなり実現・普及している)
それより、本書で語られているほどのストーリーを感じないんだよなあ。
もっと、待ってました!、な感じになるのかと思っていただけに・・・
やはり、仮想現実という単純化・洗練化された空間だからこそ、求める要素を純度高い状態で具現化しやすい。
プレイヤーもその中に入り込みやすい、ということなのかな。
そして解き放てる環境だからこそ気付ける、無自覚の“見知らぬ”自分。
現実だと無意識に目を背けていたり、気付いていなかったりしたことを自覚し、それを現実にフィードバックしやすくなる。
今話題の“体験”や“体現”にも通じる、人間の行動構造だ。
ゲームという一つのフィールドでちゃんと生きなきゃ、現実にだってフィードバックできない。それだけ本気で向かい合う必要があるってことか。
(大人気のラノベ・SAO(ソードアートオンライン)にも全く同じ要素が描かれていたことを思い出す)
けど、リアルにその器はまだない。
それが人間の問題なのか、社会や現実の問題なのか。
まだまだこの問いかけと、理想実現の道は長く険しいのかもしれないなあ。

- 作者: ジェイン・マクゴニガル,妹尾 堅一郎,武山政直,藤本 徹,藤井 清美
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/10/07
- メディア: 単行本
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