震えた。
まさか、兵糧攻めで苦しみ続けている少女から、力をもらうとは・・・
兵糧攻めで地獄と化している三木城。
恨み辛みが蔓延し、人間の醜さが露わになるなかで、虫を食ってでも、自分の涙を舐めてでも、生きようとする少女。
「どれほど重い積みを背負おうとも、生きてやる」
前回読み終わり、絶望的な展開がこの後続くだろうと思っていた。
歴史上、この戦いが籠城側にとって、益無い戦いと(戦いではない所での)数多の犠牲を産んで終わることも知っている。
でもこんな状況だからこそ、「命があることを恥じるな」という櫛田の言葉が胸を刺す。
体裁じゃない。
理屈じゃない。
少女・咲が感じた、執念にも似た、本能の体現。
読んでいるこちらの方が、“生きて”ないなあ。
改めて自分に問いかけつつ、最後までこの作品を追いかけることを誓う。